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歌姫と冷徹の騎士  作者: 猫月白夜
1/3

出逢い

ある城の一室。血塗れの男性がとても美しい女性に抱き抱えられている。

「…大丈夫…です…か?」

「私は大丈夫です!でも、貴方が死んでしまいます!」

「姫様を…守れた…から…いいの…です。」

「そう!貴方が私を守ってくださったから…。」

「姫…様…最後に…いい…ですか?」

「ええ!」

「姫様…私は…姫様を…愛して…おりました。」

「…っ!私も貴方を愛しています!」

男性はそれを聞くと穏やかな顔をして死んだ。

「もう、言うのが遅すぎます…。」

女性は静かに泣き出した。



「久しぶりにこの夢を見ました。」

頬に手を当てると涙が流れている。

「…今でも私は貴方を愛していますよ。」

静かに笑う。

コンコンッ!

「失礼します。…起きていらっしゃいましたか。っ!サイナ様、その涙はどうかしましたか!?」

「心配かけてごめんなさい。少し懐かしい夢を見て。」

「それなら良かったです。あ!そろそろ学園に行く準備をしませんと。」

「そうね。今日も髪は貴女に任せるわ。」

「分かりました。」


準備を終えると学園に向かう。今日から新学期で隣の国の王子と公爵の跡継ぎが留学として学園に来る。

「皆様おはようございます。」

「おはようございます!サイナ様、聞いてくださいませ!留学生はどちらも超美形らしいですわ!」

「そうですか。」

「あら、あまり興味がなさそうね。」

「ええ、私はまだ婚約するつもりはないもの。」

「そうですか。でも、そろそろ婚約しませんと困るのではありませんか?。」

先生が教室に男性三人をつれて入ってくる。

「皆さん、席に戻って下さい。…此方の方々が隣の国からの留学生です。自己紹介をお願いします。」

「はい。隣の国から来ました。王子のライトです。お願いします!」

「同じく隣の国から来ました。家は公爵です。カインです。お願いします。」

「えっと、僕は二人の護衛をします。家は伯爵です。タナンといいます。よろしくお願いいたします。」

不意にサイナとカインの目が合う。

「っ!…カイト様…?」

「っ!…姫…様?」

二人の視線は絡まったまま、時間が過ぎる。

「おい、どうかしたのか?」

「…問題ありません。心配かけてすいません。」

「何ともないのなら良かった。俺らの席はあそこら辺らしいぞ。」

カインは何事も無かったように行動した。その後二人は何もせずに終わった。


夜になり、満月が空で輝いている。

「ねぇ、外に散歩に行ってきて良いかしら?」

「えぇ、良いですがこの寮の敷地内にしてくださいね?」

「分かってます。では、行ってきます。」

外に出るとある方向に向かっていく。その先には白い花が咲き乱れる空間があった。

「あら、人がいるの?」

その中にいた人影に声をかける。その人はサイナの方向に顔を向けた。

「っ!貴方は!」

人影はカインだった。

「…貴女は、姫様ですか?」

「…貴方はカイト様ですか?私を守ったカイト様ですか?」

「そうです!貴方は姫様ですよね!」

「ええ。」

二人は涙を流しながらしばらく抱き締めあっていた。

「姫様、私は今でも貴女を愛しています。貴女と結婚したいのです。」

「…それは嬉しいけど…。二つ条件を言ってもいいですか?」

「何でしょうか。貴女のためなら何でもしますが…」

「なら、前みたいならないで下さい。もう、貴方をなくすのは嫌です!」

「そんなことですか。私は貴女のためなら貴女のところにいつでも帰って来ると約束します。」

「もう一つは、私はもう貴方の主ではないし、貴方のほうが家の位が上だからタメ口で話して下さい。」

「…タメ口ですか?」

「ええ、そうです。それが出来ないなら婚約はなしということでお願いします。」

「…。んっんっ。…これで良いか?」

「ええ。やっぱり貴方はこういう言葉のほうが合ってますね。」

「そうか?あぁ、それとすぐに家の方に婚約を申し込んでも良いか?」

「良いですよ。お願いしますね。家の方にも私から少し言っておきます。」

「お願いするよ。…なぁ、一つ疑問なんだが今でも姫様の歌に力は宿っているのか?」

「えぇ、宿っていますよ。…私の名前もサイナと呼んで下さい。」

「分かった。サイナ、歌を聞かせてくれるか?久しぶりに聞きたい。」

「ええ!」

白い花が咲き乱れる中でサイナは歌う。


翌朝。

「サイナ様!カイン様とご婚約ってどういうことですか!?」

「あら、もう広まっているのね。」

「ええ!朝起きたらメイドが教えてくださいましたわ!」

「おはようございます。すみませんが、サイナを借りても良いでしょうか?」

「カイン様!サイナ様と婚約したって本当ですの!?」

「ええ、本当です。こちらから申し込ませてもらいました。」

「そうでしたの!…あぁ、サイナ様をどうぞ連れていってくださいな!」

「では、サイナ行きますよ。」

「ええ。では、また。」

二人は並んで歩き廊下に出た。

「カイン様は、普段演技をなさっているのですか?」

「あぁ。その方が楽だからな。周りには剣を使えることすら言っていない。」

「そうなんですか。では、私はなぜ、呼ばれたのですか?」

「その理由はな……サイナの歌の力が一部に漏れたらしい。だから、周りには気をつけろ。」

「な!隠していたのにですか?」

「あぁ、今日の朝、王子がこの国には歌に力を持った子がいると言っていたからな。」

「そう…ですか。」

チャイムが鳴り話が終わった。


その日の午後。

「サイナ様!明日、町に遊びに行きませんか?弟のプレゼントを買いたいのです。」

「良いですよ。ぜひ、行きましょうか。」


次の日。

「お待たせ致しました。では、まずどこに行きますか?」

「そうですね。アルストン商会に行きたいですわ。」

「良いですね。あそこは色々売っていますから。」

二人は商会に向かって歩いていく。

「あら、意外と空いていますわね。」

「そうですね。もっと混んでいるものかと思っていました。」

「お嬢様方、今日はどう致しましたか?」

「弟のプレゼントを買いに来ましたの。」

「そうですか。では、此方の商品はどうでしょうか?」

「良いですわね!サイナ様どうでしょうか?」

「良いですね。」

「……皆、やれ!」

商会にいた人たちが二人を襲い始める。

「何ですの!」

「な!やめて下さい!」

「速く捕まえろ!お嬢様口調は捕まえなくて良い!」

「「は!」」

サイナは殴られ気を失った。

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