無能で最強
「はぁっ!」
気合い溢れる一声が静かな朝に響く。雪斗がとてつもない強さを手に入れてから数日、仕事の依頼を待っていた。雪斗が戻ってきた街の名は地下都市マルス。前はエジプトだった所だ。
「おーい!」
仕事仲間のゴンが汗をかきながら走ってきた。
「どうしたゴン」
剣の素振りを終えた雪斗が冷静にかえす。
「どうしたじゃないよー。あっそうだ、仕事見つかったよー。」
ゴンがすごくのんきに仕事の紙を渡してきた。
「冥府の神オシリス・・・ってお前こんな大物相手にできるわけないだろ。」
雪斗が少し呆れた顔で言った。
「大丈夫だって!雪斗の強さだったら一撃だよ。だってほら見て!賞金の所!3億だよ!これに勝ったら大金持ちだね。」
ゴンがすごい目を光らせているのを見ていた雪斗は、すごく冷静にオシリスの強さを説明した。するとゴンは走って依頼書を返しに行った。
数時間後ゴンが汗をかきながらまた走ってきた。
「こっちのはどう?結構いいんじゃない?」
ゴンは仕事の依頼書を雪斗に渡した。
「戦争の神モンチュか。あまり聞いたことがないな。よし、これにするか。今日の昼に出発だ」
そして、昼過ぎに雪斗とゴンは馬車を借りて出発した。