~MAMIKOとドキドキ?新婚生活~
リア充が爆発する話です。
僕は目の前ドアを開けるかどうか迷っている。
自分の家のドアなのだから、さっさと開ければ良いのだ。
しかし、このドアを開けると言う事は、僕が彼女を信頼していないという事になってしまう。
僕は彼女におつかいをたのまれた。
しかし、普段ならとても優しいマイスイートハニーみほが俺におつかいを頼むなんて事断じてない、命かけるれるぞ。
しかし、今日は男の客人が来ている。
しかも、昨日の僕の誕生日を完全に忘れていた。
や、それは関係ないが。
とにかく、これは浮気を疑われてもおかしくないと思う。
だが、やはり彼女の事は信じてあげたい。
それに、このドアを開けて浮気現場を目撃したら俺はどうなってしまうのだろうか。
そうこう考えていると家の中から低いうめき声が聞こえた。
全身に悪寒が走った。
まさか、まさか僕が兄同然に思っていたまもるが、俺の彼女を襲っているのか。
たくさんまもるとバスケの練習をした。
バスケの事になるとまもるは厳しかったけれど、優しくて暖かかった。
信頼していたのに、大好きだったのに。
僕を裏切るなんて許せない。
悪寒の震えは次第に怒りの震えへと変わって行った。
そして、怒りに震える右手で俺は、ドアノブをひねった。
台所へ行くと、まもるが横たわっていた。
まさか。
駆け寄ると、まもるは呼吸をしていなかった。
頭の中が真っ白になりかけたが、そんな場合ではない。
俺は死にもの狂いで心臓マッサージを行った。
どうか、どうか、息をしてくれ。
己の愚かさを痛感しなながらひたすら腕を動かし続けた。
「ゲホッゴホッ」
むせる音がした。
まもるの声だ。
「まもる!まもる!」
必死で叫んだ。
「ゴホッ・・・あれゲホッ」
「喋んなくて良いよ・・・ばかりゃおふ!」
格好よく言ったつもりであったが僕も途中で涙がこみあげてきて、まともに声がでていたかどうかはわからない。
まもるが目を開いたのを確認するとどっと疲れが出た。
腕の痛みから時間の経過を感じた。
そんなに経っていただろうか。
まもるに水を飲ませて一段落着くと、僕はみほがいない事に気づいた。
「みほは?」
「・・・っわからない・・・」
「逃げたか・・・俺は本当に愛していたんだけどな。初めて会った時から。一目惚れだった。まあ、彼女はそうじゃなかったのかもしれないがな。」
俺は念入りに戸締りをしながら、ポツリ、ポツリと不安をかき消すように昔話に花を咲かせた。
「今日、お隣のお家に行ったってはす向かいの奥さんから聞いたわよ。随分と長時間いたとも聞いたけれど、回覧板を回しに行ったとかでは無いようね?」
俺が家に帰ってしばらくすると、まみこさんが帰って来てそんな質問をされた。
痛い所をつかれた。
嘘を言っても仕方がないから料理を教わりに行っていたと正直に言った。
しかしまみこさんは奥さんが不在で変わりにみほさんが居た事を知っていたらしい。
「私があなたのために料理教室へ行っている間みほさんと・・・あらあらあら。」
確かにみほさんとは年も近いし、なにより美人だ。
しかし、元はといえばまみこさんに美味い料理を食べてもらう為にお隣の家を訪ねて結果、ひどい目にあった。
そう考えていると、さすがにそんな言い方は無いだろうとついつい口に出してしまっていた。
彼女も彼女で怒りに身を任せなによなによと言いながら家を飛び出して行ってしまった。
俺はまだ腹の虫が収まらなかったが、いざ一人になってみると夕方の事を思い出したのかえもいわれない寒気が襲って、家を飛び出した。
しばらく走りまみこさんを見つけるとほっと一息安堵し、彼女の肩に手を置いた。
怒っているのか泣いているのか少し震ていた。
そっと抱き寄せると
「まみこさん、好きです。」
ふとそんな言葉が出てきた。
自分でも一瞬何を言ったのかわからなくて、少し遅れて理解した後顔が火でも着いたかのように熱くなり慌てて訂正しようとしたが、彼女の手に遮られた。
「さっきはごめんなさい。不安で仕方なかったのよ」
暗がりで顔は見えなかったが、その暖かい声からは静かに微笑んでいるのが感じ取れた。
「僕も、ちゃんといた説明もせず怒ってしまってすいません。」
良いのよ。
とまみこさんは優しい声でつぶやき、やわらかく抱き返してくれた。
俺も腕に力を入れ、キスを交わした。温かさや鼓動、吐息、まみこさんの全てが伝わって来て、その一つ一つが愛おしかった。
この上なく俺は今幸せだ。
そう思う反面、この幸せががいつか終わってしまうのではないかと言う杞憂からなのか、幸せすぎる自分に対してか、少しばかり俺は恐怖を感じていた。
それからは、あの日の事が嘘のように平穏な日々が続いた。
俺は毎日せっせと新しく始めたバイトに精を出し、充実した日々を送っていた。
まみこさんへのプロポーズも成功し、正に幸せの絶頂であった。
「あなた」
まみこさんはそういうと嬉しそうに笑う。
「その呼び方、そろそろ慣れろよな。」
そういう俺の顔こそほころんでいる。
今日はまみこさんとショッピングに来ている。
普段あまり贅沢はできないが、今日くらいは何かまみこさんにも何か買ってやろうと思って来たのだ。
なにせ今日はまみこさんの誕生日である。
最初は誕生日なんて良いのにと渋っていた彼女であったが俺の根気に折れて今に至る。
「あ、ママ!」
目の前にいた子供達がそう言ってまみこさんに駆け寄ってきた。
奥には俺の兄さん、通称ゴン兄さんの姿が。
一瞬頭阿が真っ白になりかけたが、何とか一言ひねり出す。
「ゴン兄さん、その子達は?」
「拾った。」
その言葉で俺の思考回路は一時停止した。
ニュースなどで子供を捨てたり虐待したりなどという話は何度か聞いたことがある。
いつも可哀想に、なんて思いながら聞き流していた。
が、目の前で無邪気にまみこさんとじゃれているのは本物の捨て子らしい。
もしやまみこさんとゴン兄さんの間の子なのではないかと思っていたがどうやら違っていたらしい。
いや、先ほど確かにこの子供はまみこさんと事をママと呼んでいた。
そして、現実目の前で子供は無邪気な笑顔でまみこさんにじゃれている。
そういえば、まみこさんは毎日料理教室へ行っているが、普通は週1ではないだろうか。
行けばその分受講料などがかかってしまうだろう。
うちの経済状況をよくわかっている者なら週1か2週間に1回くらいが適当なのではないだろうか。
それとも受講料なるものはかからないのか?そんな事を考えている間、大人3人は誰も口を開かず沈黙が続いていた。
その沈黙を破ったのは子供であった。
「何でみんな黙っているの?ねえママこのおじさん誰?」
嫌な予感しかしない。
俺は背中に一筋の冷や汗が垂れるのを感じながらゆっくり息を飲んだ。
3人の視線はまみこさんに集まる。
「私はママじゃないって言っているでしょ?」
「うん。でもママ同然だよ。そう呼んでも良いでしょ?」
「そうだぞまみこ。もうお前は立派な母親だ。」
「え、ええそうね。」
「しかしその立派な母親が何故弟と一緒にぶらついているのだ?」
「今日は私の誕生日だから何か買って下さると言うのよ。」
「そんな言葉でほいほいついてきてしまったのか。まみこ、お前は美人なのだから少しは用心しろと前々から言っているではないか。」
「ごめんなさい。」
「いやわかってくれたなら良いんだよ。悪いのは弟だ。少し言い過ぎたね。ごめん。」
目の前の3人が親しげに話を進めていく俺は口を開けたままぼう立ちしていた。口をはさむことはできなかった。
“まみこ”?“ママ”?“母親”?もう意味が解らない。まみこさんと結婚した俺でさえさん付けだというのに何故この男は呼び捨てにしているんだ。
しかもママだの母親だのまみこさんと結婚しているのは俺でまみこさんの子供は将来俺たちの間にできる子だけだろ。
そうか、わかった。
俺は不倫されていたのだ。
それならば全て合点がいく、成程。
そういう考えに到ると俺は怒りを通り越して涙が溢れた。
「おい、聴いているのかまもる。なぜ泣き出した、おい。」
兄さんが何やら言っているのが聞こえる。
まみこさんは俯いている。
子供は不安そうな顔でこちらを見ている。
俺はふと足の力が抜けた。
空が見えた。
ぼやけてはいるが、今日の空も綺麗な青色である。こんな光景、前にも一度見たことがあるような気がするのは、デジャヴという奴だろうか。
気付くとそこに広がっていたのは青空ではなく見覚えのある白い天井が見えた。
姉の家だ。
周りには涙ぐむまみこさん。
心配そうに母親をみつめる子供。
一連の流れを聞いたのか、怒りに震えまみこさんを睨んでいる姉。
眉間にしわをよせいて俯く兄。
どうやら俺は、ベッドの上でしばらく寝ていたらしい。
そういえば、あの場所からここは近かっただろうか。
目が覚めたのに気付いた姉達は色々話しかけてきたが、一度に言われも俺は理解できない。
このまま起きていても何も楽しい事なんてないような気がして、二度寝を決め込んだ。
翌日、ゴン兄さんが死んだ。
まもる君不倫されて気絶とかw
後半はカッコいいまもる君が
見れ(ると良いなと思い)ます




