第一話
初めて小説を書きます。
文章の構成がおかしかったり、拙くなってしまっているかもしれませんが、暖かい目で読んでください。頑張って書きます。
それでは、どうぞ。
ミンミンと蝉の声がそこら中に響いてる。天気は雲一つない快晴。気温は三十度越えで、クーラーの効いた部屋から出るなんて自殺行為だと思う。ニュースとかでよく外で遊ぶ子供達が映ってて、レポーターの人がマイク持って「元気だね、何しているの?」とか訊ねてるけど、私、岡村美咲からすれば「よく外に出られますね?」って言いたい。
そんな夏真っ只中。私にとって高校最後の夏休みだ。そして、その休みも後一週間で終わってしまう。宿題も終わらせて暇をもて余している。出掛けるのも暑くて嫌だし。焼けるし。……夜なら日差しもなくてましだと思うけど。
居間でゴロゴロして、曾祖母に「ゴミだらけになってしまうよー」と言われた。もう九十八歳になるのに元気な曾祖母だ。
それでも寝そべっていると携帯電話が鳴った。名前表示には東唯と出ている。親友だ。ちっちゃくて、可愛くて、まるで小動物のような子だ。
「もしもーし。どうしたの唯?」
『あ、ミィちゃん。実は、今晩、真理ちゃんから肝試ししない?ってきたの。思いで作りに。』
肝試し。夏の定番だ。でも確か唯は……
「お化けとか駄目じゃなかったっけ?」
『はうっ』
やっぱりそうだ。この子は昔、近所のお兄さん達に夜散々怖い話とか聴かされてからお化けとかが駄目になったのだ。……因みに私は全然平気だった。
「それでお化けとか平気な私と一緒に行きたいと?」
『……うん。駄目?』
「私は構わないよ。けどいいの?」
『うん。大丈夫。真理ちゃんから、唯はもう一人誘っておいてねーって言われたから。あ、時間は夜の九時に丘公園の広場だよ。』
そう言って唯は、またねーと言って通話を切った。
まあ、家は門限は無いし(何があっても自分の責任よ!とは母の言)、親友のために一肌脱ぎましょうか。
***
友人と肝試しをするから帰りが遅くになると家族に伝えた私は、家を出る。居間で寛いでいた父が「気を付けなさい。」と言っていたので「はぁい。」と言う。
丘公園までは歩いて十分といった所にあり、そこには遊具がある広場、林に池、丘がありとても広い。
広場につくと、
「ミィちゃん!」
唯が駆け寄ってきた。いつもながら可愛いなぁと思っていると。
「来たのか岡村。」
「今晩は、美咲。」
と言って来たのは同じクラスの笹木翔だ。この夏休みで髪を染めたのか茶髪だ。その隣に唯を誘った、これまた同じクラスの渡辺真理。笹木と真理は付き合っている。リア充め。
「これで、全員揃った?」
「あー、一、二、三……っと、うん七人揃った。」
眼鏡をかけた男と、手にメモを持った男が確認していた。この二人は確か隣のクラスで、眼鏡の方が遠山登、メモを持った方が羽多野陽太だったと記憶している。
そして、チラチラと唯を見ている年上であろうチャラチャラの金髪男。コイツさっきから唯を見てきやがって苛つく。
「唯ちゃん怖いの?オレが守ってやろうか?」
「えっと、その……」
気軽に話掛けてきた。唯に。しかも名前で。
「唯には私が居るので大丈夫ですよ。」
「ふーん、まぁ怖かったら何時でも言ってね。」
私ははっきりと言ってやった。が、ヤツは唯にウインクしてそう言った。軽くスルーされたみたい……むかつく。小声で唯にアイツは誰だと聞くと、
「笹木君のお友達で、中島大城さんだって。」
笹木の友達か。……不良仲間?私の中では笹木は不良イメージがある。学校に遅刻してくるし、授業中は喋ってるし。あ、たまに羽多野と喋ってるの見たことあるかも。それで、笹木が要るのか。友好関係広いなぁ……。
「じゃあ、七人全員揃ったから肝試し……という名の調査を始めたいと思う。」
と、羽多野が言った。肝試しじゃないのかよ。
「今回調査するのは同好会の部室にあった資料の内容で゛赤目のビー玉゛というものだ!」
羽多野に続き遠山が言う。……ん?同好会?
「二人はオカルト研究同好会に入ってるんだよ。」
声に出ていた様で、真理が教えてくれた。……オカルト研究同好会ねぇ、そんなの有ったんだ。
「ミィちゃん、オカ研には橋本君が部長をやってるんだよ。」
「ええっ?!あの真面目な橋本が!」
意外だ。橋本浩輝は同じクラスでクラス委員長だ。眼鏡が似合うイケメン……と他の女子が言っていた。
あ、話が逸れた。
「それでだ!赤目のビー玉の話をするよ。」
曰く、八十八年前に一人の少女が同級生の七人に虐められていた。その時、七人の一人に宝物である赤いビー玉を盗られてしまった。さらにその晩、少女は不運にも火事で亡くなったそうだ。そして、少女は宝物であり、目である赤いビー玉を探してさ迷うようになった。
「ねぇ、目って何?ビー玉が目なの?」
話を遮って真理が遠山に質問する。
……確かにビー玉が目とは?
「少女は片目がなかったらしい。それで、ビー玉を目の代わりにすると言っていたんだと。そして、少女が虐められていたのは赤目の白髪だったからみたいだよ。」
……赤目の白髪。アルビノ?先天性白皮症……だっけ?迫害とかされることもあるって前にテレビでやってたような。
「じゃあ、続けるよ?」
遠山が話を再開する。
少女が死んだその翌日に、少女のビー玉を持っていた同級生の一人が事故で死んだ。……そして、ビー玉は何故か別の虐めていた同級生の一人の所にあった。次の日、その同級生がまたも事故で死んだ。それが繰り返されたらしい。六日目の夜に最後に残った同級生がビー玉を少女に返して、その同級生は生き延びたそうだ。
それからというもの、時々そのビー玉は消えて、七人で夜歩いていると、見つかるらしい。
「おいおい、ビー玉返したのに消えるのかよ。」
「しかも、七人って。どーすんだよビー玉見つけて、死んでったら。」
遠山が話終わると、中島と笹木が呆れながら言った。
とかいう私も、何てもんを調査するんだと、文句を言いたい。……七人居るし。あ、それで七人なのか!
正直そんな逸話があるビー玉なんて探したくない。バチが当たりそうだ。それに、なんか聴いたことがある気がした。……思い出せないけど。
「まあ、部長には止めろって言われたけど。オカ研の俺が言うのもなんだけど、大人達が言うようにただ事故が重なっただけだろうしな。」
羽多野が両手を上げて、首を左右に振って言った。
「……ミィちゃん、ゴメンね。危なそうだし帰っていいよ?」
「気にしないで、唯を一人に出来ないし。」
アイツが居るし、といって唯に笑いかける。
「じゃあ!さっさとそのアブナイ物を探して終わらせようぜ!」
終了時刻は零時な!と言い、何故か笹木が仕切った。……後ろに台詞盗られた羽多野がしょぼんってなってた。
***
「……無いな。」
ポツリと中島が言った。
携帯電話で時間を見たら、深夜零時だった。……どんだけ探し回ったんだよ(公園内だけだけど)。
全員歩き回ったせいで疲れきっていた。私は唯が風で草が揺れて、ガサッ!ってなってビクッ!ってしていたのを見て和んでいたけど。……可愛いんだって。
「じゃあ見つからないし、もう遅いし、時間だし帰りますか。」
残念がりながら羽多野が言った。羽多野には悪いけど、私はやっと帰れる!と思った。
そして、皆が帰ろうとした時だった。いきなり真理が声を上げた。
「っ!?翔!足元!」
声につられ私達は全員笹木の足元を見る。そこには、
゛赤いビー玉゛が転がっていた。
私はこの時、言い様のない不安に駈られた。