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第六話

昨日、リザは銅貨5枚を全て屋台使いきって、買った物を宿屋で食べて先に寝ていた。

そして、ラスティアはあの穴の利用方法を考えていたら、いつの間にか眠っていた。


「どーーーん」


「グハッ」


リザが寝ているラスティアのお腹の上に飛び乗ってきた。


「おーきーるーのじゃ!」


「後ちょっと。」


「だーめーじゃ!」


「お願い。」


「早く起きモガモガッ」


ラスティアは、寝ぼけてお腹の上に乗って体を揺らしてくるリザを自分の布団の中に押し込み、抱き枕代わりにして再び寝ようとした。


「たーすーけーてー。

襲われているのじゃー。」


「いだだだだっ!」


リザは、布団の中でラスティアの顔を引っ掻いた。


「わかったよもう、起きるから。」


「早くするのじゃ。」


「こんなに早く起きてどうするんだ?」


「今日は、討伐依頼を受けて装備を買いたいのじゃ。」


「そういえば、短剣しか持ってなかったな。」


「早く鎧とかほしいのじゃ。」


「わかったよ、朝飯を食べてからギルドに行こうか。」


「それでいいのじゃ。」


ラスティアとリザは朝食を食べたら直ぐにギルドへ向かった。


「討伐依頼ない?」


「それでしたら、このゴブリンの依頼でどうでしょうか?」


「それでいいのじゃ。」


「わかりました、この依頼は森に最近出来たゴブリンの小さな集落を壊滅させると成功です。

討伐したゴブリンの数は、自動でギルドカードに記載されます。

あと今回のPTは、10ポイントですのでこの依頼を成功されると、Eランクに上がることができます。

パーティだと経験値も共有されます。

他に何か質問はありますか?」


「前の依頼のPTは、どのくらいだったの?」


「0ポイントです。ギルドカードを見て貰えれば分かると思います。」



ギルドカード

名前 ラスティア

性別 男

ランク F

所持PT 0/10

犯罪履歴 なし

パーティ名 ベルセルク

パーティメンバー リザ

依頼 ゴブリンの集落を潰せ




「ありがとう、では行ってくるよ。」


「いってらっしゃいませ。」


リザは張り切っていたのか、ラスティアの背中を押しながら街の外まで行った。


「早くするのじゃー」


「落ち着けって。」


「早く倒したいのじゃ。」


「ゴブリンなら何回も倒したじゃないか。」


「違うのしゃ。

早く依頼を達成して装備を買いたいのじゃ。」


「はいはい、ここから東にしばらく行った所に集落があるみたいだ」


「何でわかるのじゃ?」


「探知スキルがあるからな。

探知スキルを極めたら10km位余裕で分かるぜ。」


「どうやってやるのじゃ?」


「自分の神経がついている魔力を周りに広げていく感覚だな。

実際に、魔力を周りに広げる訓練をすれば、スキルを獲得出来ると思うぜ。」


「やってみるのじゃ。」


「やめとけって、戦う前に疲れてどうするんだ。」


「でも、スキルがほしいのじゃ。」


「寝る前にやればいいだろ。

次の朝には回復してるだろうし。」


「それは名案じゃな。」


「そろそろ近いぞ。」


「わかったのじゃ。」


リザとラスティアは、茂み身を隠しながらゴブリンの集落を観察した。


「見えるか?」


「うむ。」


ラスティアは、集落の入口から一番離れた所にある廃家を指差した。


「奥にある廃家が見えるか?

あの、所々泥で補強されたやつだ。」


「うむ。」


「あの中にこの集落の長がいるから、あそこは最後に行くぞ。」


「どこからやるのじゃ?」


「孤立している所からだ。」


「ドッカーーーンとしたいのじゃ。」


「まだ魔法教えてないだろ。」


「少しは、使えるのじゃ。」


「ダメだ、今日は暗殺の訓練のつもりだ。」


「えーーーー。」


「つべこべ言わずに行くぞ。」


「はぁ~」


「もしも敵に見つからずにいけたら今日は、魔法を教えてやる。」


「何をしておる、さっさと行くのじゃ。」


ラスティアとリザは、中腰のまま茂みを使いなにやら作業をしているゴブリンに近いた。


「まずは、手本を見せるから見とけよ。」


ラスティアは、気配を消してゴブリンの真後ろまで行き、ゴブリンの口に手を当てて一気に首を切り裂いた。

ゴブリンは、声を上げることが出来ずに体制を崩してラスティアに支えられながら、音も無く倒れた。


(向こうにいるゴブリンを殺ってみろ。)


ラスティアは、リザがゴブリンを殺る様子を念のために針を手に持ちながら見ていた。


(初めてにしては、気配を消すのが上手いな。

おっ、真後ろまで行った。

あれは、口に手を当てるのを躊躇しているな。)


リザは、ゴブリンの口に手を当てる決心を固めてラスティアの真似をしてゴブリンの首を切り裂いた。


(こら、ちゃんと殺したゴブリンを支えないと。)


「どさっ」


ゴブリンたちが、音を聞いてリザの所に集まってきた。


(あーあ)


リザは、ラスティアの所まで大声を出しながら走ってきた。


「ラスティア、ゴブリンがいっぱいこっちにきたのじゃ。」


「大声をだしたから完全に見つかっただろ。」


「はーはー、ワシには暗殺は向いてないのじゃ。」


「はいはい、ほらリザの短剣をアイテムボックスからだして。」


「わかっているのじゃ。」


リザは、慌てて短剣を構えた。


「息が切れてるじゃないか。」


「しかたがないじゃろ、びっくりしたから全力で走ってしまったのじゃ。」


(やれやれ)


リザが、少数対団体での戦いが初めてで緊張してる様子だったので、手は出さないつもりだったのを変更して、軽く相手を混乱させてリザにやりやすくしようと考えた。


「ほら、ゴブリンがこっちにきたぞ。

俺がゴブリンたちを混乱させるから、一対一で確実に殺るんだぞ。

首を跳ねない限り、倒れてもちゃんと心臓を刺すんだぞ。」


「わっ、わかっているのじゃ。」


(【地爆】)


ラスティアは木の上に登り、ゴブリンが走っている地面を軽く爆発させて、ゴブリンを混乱した。


「すごいのじゃ。地面が爆発しているのじゃ。」


「ほら、きたぞ。

森での修行通りにやれば余裕でいけるぞ。」


「たぁーーー!」


リザの所に一匹のゴブリンが走ってきたが、リザが短剣を構えて一瞬で首を跳ねた。


(おっ、強くなってる。)


ラスティアは、リザが戦っているのを見ながら針を投げてリザの所に向かうゴブリンを間引きしていた。


「ゴブリンの長がきたぞ!」


ゴブリンが全滅した所でゴブリンの長が最後にでてきた。

ゴブリンの長は、普通のゴブリンより体が少し大きく、毛皮などを装備していた。


「このーーー!」


リザは、ゴブリンの長に斬りかかるフェイントをして、引っ掛かったゴブリンの長の首を跳ねた。


「おつかれ。」


「なかなか疲れたのじゃ。」


「リザは、近接攻撃が苦手だから仕方がないな。」


「早く魔法がしたいのじゃ。」


「そろそろ基礎体力もついて問題ないこら魔法の修行をしようか。

とりあえず死体回収してくるから待ってて。」


「やっと魔法が使えるのじゃーーー。」


リザは、ガッツポーズをしながら草の上に倒れた。


「さて、帰ろうか。」


「空間魔法で帰りたいのじゃ。」


「ダメだって目立つから。」


「いやじゃいやじゃいやじゃ、歩きたくないのじゃ。」


「ほら、だっこしてあげるから。」


「いやじゃいやじゃいやじゃ、だっこじゃなくて空間魔法がいいのじゃ。」


「はぁ~、今日だぞ。」


「流石ラスティアなのじゃ。」


「空間魔法である程度行ったらちゃんと歩けよ。」


「もちろんなのじゃ。」


「はぁ~」

(【次元移動】)




「ふぅ~、空間魔法さまさまなのじゃ。」


(もっと厳しくしないとダメだな。)


「きっ、君たち!今、瞬間移動したよね!」

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