猫シネマ大作戦
えー、こりゃまた、今宵もようこそお運びいただきまして、ありがとにゃんございます。今夜はちょいと銀幕の香りがいたします。猫の世界にも、夢と映像の魔法がやってきたんですにゃ。
さてさて、今夜の噺は「猫シネマ大作戦」ときたもんだ。
発端は、図書館潜入事件の翌日。ミケ右衛門が落語台本を読みふけっていたとき、チビ右衛門がぽつりと呟いた。
「兄さん、これ、映画にしたらもっと面白いんじゃないですかにゃ?」
「映画…?猫が?」
「だって、今どきはスマホでも撮れるらしいですにゃ。人間の子どもが言ってましたにゃ」
そこへ、ミケ子が割って入る。
「それ、やりましょうにゃ!私、演出やりますにゃ!タイトルは…『猫の恩返し2〜今度は逆襲にゃ!』」
「それはジブリに怒られるにゃ…」
──というわけで、猫たちは映画制作に乗り出した。
配役決定!
• 主演:クロ之助(元魚屋の番猫、渋い演技派)
• ヒロイン:ミケ子(情熱的な演出家、ついでに主演も)
• 脚本:ミケ右衛門(落語台本を大胆に改変)
• 撮影:チビ右衛門(スマホをくわえて走り回る)
撮影開始!
第一シーンは、長屋の裏路地。クロ之助が魚を盗もうとして、ミケ子に叱られる場面。
「あなた、そんなことして…恥ずかしくないのにゃ!」
「俺は…魚にしか愛されなかったにゃ…」
──が、ここで問題発生。チビ右衛門がスマホを落として、画面が真っ黒。
「撮れてませんにゃ…」
「じゃあ、もう一回!」
「何度も魚を盗むのは、倫理的にどうかと思うにゃ…」
次のシーンは、感動の別れ。タマ婆が老猫役で登場。
「わしは、もう長くはないにゃ…」
「そんなこと言わないでにゃ!」
──ところが、タマ婆、本当に寝てしまった。
「…あれ?これ、演技じゃなくて昼寝にゃ?」
編集と上映
撮影は三日三晩に及び、編集はミケ右衛門が担当。落語の語りをナレーションに使い、音楽はチビ右衛門の鼻歌。
上映会は、神社の境内。提灯を吊るし、白い布を張って、猫たちが集まる。
「それでは、映画『猫の手も借りたい〜完全版』、上映開始にゃ!」
映像はブレブレ、音声は風の音ばかり、でも猫たちは大笑い。
「映画ってのは、完成度じゃないにゃ。作る楽しさと、みんなで観る喜びにゃ」
──てなわけで、今夜の噺はここまで。お後がよろしいようで。




