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噺家 猫家ミケ右衛門  作者: 双鶴


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8/8

猫シネマ大作戦

えー、こりゃまた、今宵もようこそお運びいただきまして、ありがとにゃんございます。今夜はちょいと銀幕の香りがいたします。猫の世界にも、夢と映像の魔法がやってきたんですにゃ。


さてさて、今夜の噺は「猫シネマ大作戦」ときたもんだ。


発端は、図書館潜入事件の翌日。ミケ右衛門が落語台本を読みふけっていたとき、チビ右衛門がぽつりと呟いた。


「兄さん、これ、映画にしたらもっと面白いんじゃないですかにゃ?」


「映画…?猫が?」


「だって、今どきはスマホでも撮れるらしいですにゃ。人間の子どもが言ってましたにゃ」


そこへ、ミケ子が割って入る。


「それ、やりましょうにゃ!私、演出やりますにゃ!タイトルは…『猫の恩返し2〜今度は逆襲にゃ!』」


「それはジブリに怒られるにゃ…」


──というわけで、猫たちは映画制作に乗り出した。


配役決定!


• 主演:クロ之助(元魚屋の番猫、渋い演技派)

• ヒロイン:ミケ子(情熱的な演出家、ついでに主演も)

• 脚本:ミケ右衛門(落語台本を大胆に改変)

• 撮影:チビ右衛門(スマホをくわえて走り回る)



撮影開始!


第一シーンは、長屋の裏路地。クロ之助が魚を盗もうとして、ミケ子に叱られる場面。


「あなた、そんなことして…恥ずかしくないのにゃ!」


「俺は…魚にしか愛されなかったにゃ…」


──が、ここで問題発生。チビ右衛門がスマホを落として、画面が真っ黒。


「撮れてませんにゃ…」


「じゃあ、もう一回!」


「何度も魚を盗むのは、倫理的にどうかと思うにゃ…」


次のシーンは、感動の別れ。タマ婆が老猫役で登場。


「わしは、もう長くはないにゃ…」


「そんなこと言わないでにゃ!」


──ところが、タマ婆、本当に寝てしまった。


「…あれ?これ、演技じゃなくて昼寝にゃ?」


編集と上映


撮影は三日三晩に及び、編集はミケ右衛門が担当。落語の語りをナレーションに使い、音楽はチビ右衛門の鼻歌。


上映会は、神社の境内。提灯を吊るし、白い布を張って、猫たちが集まる。


「それでは、映画『猫の手も借りたい〜完全版』、上映開始にゃ!」


映像はブレブレ、音声は風の音ばかり、でも猫たちは大笑い。


「映画ってのは、完成度じゃないにゃ。作る楽しさと、みんなで観る喜びにゃ」


──てなわけで、今夜の噺はここまで。お後がよろしいようで。


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