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噺家 猫家ミケ右衛門  作者: 双鶴


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6/8

猫町議会選挙騒動

えー、こりゃまた、今宵もようこそお運びいただきまして、ありがとにゃんございます。今夜は風がざわざわしてますな。選挙の風ってやつですかねぇ。猫の世界にも、たまには“民意”ってもんが吹き荒れるんですにゃ。


さてさて、今夜の噺は「猫町議会選挙騒動」ときたもんだ。


舞台は、猫町。長屋の裏手に広がる空き地を中心に、野良猫たちが暮らす小さな社会。そこに、ある日突然「議会を作るにゃ!」という声が上がった。


発起人は、三毛の活動家・ミケ子。耳に赤いリボンをつけて、いつも高いところから物申す猫でして。


「この町にはルールが必要ですにゃ!魚の分配、縄張りの調整、昼寝の時間帯まで、民主的に決めるべきですにゃ!」


猫たちはざわざわ。「議会ってなんだにゃ?」「昼寝にルールがいるのかにゃ?」


そこへ、クロ之助がのっそり登場。


「議会ってのは、騒ぐためじゃなく、黙るためにあるもんだにゃ」


「それは反対派の意見ですにゃ!」とミケ子。


こうして、猫町初の“選挙”が始まった。


候補者は三匹。


• ミケ子:改革派。公約は「魚の平等分配」「昼寝の自由化」「人間との外交強化」

• クロ之助:保守派。「魚は実力で取る」「昼寝は自己責任」「人間とは距離を保つ」

• チビ右衛門:無所属。「とりあえず、遊びたいですにゃ」



選挙活動が始まると、町は騒然。


ミケ子は屋根の上から演説。「猫にも権利があるにゃ!鰹はみんなのものにゃ!」


クロ之助は魚屋の前で静かに座る。「言葉より、鯖を見ろにゃ」


チビ右衛門は、子猫たちと鬼ごっこ。「選挙って楽しいにゃ!」


投票日は、満月の夜。猫たちは月明かりの下、魚の骨を使って投票する。骨を三つ並べて、好きな候補の前に置くという、なんとも猫らしい方式。


結果は──


チビ右衛門、圧勝。


「え?なんで僕が?」


「遊びたいって言ったのが、いちばん誠実だったにゃ」


ミケ子は悔しそうに言った。「猫町の民意は、遊び心だったにゃ…」


クロ之助は笑って言った。「政治ってのは、魚よりも気分で動くもんだにゃ」


──てなわけで、今夜の噺はここまで。お後がよろしいようで。


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