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第一話  真実の愛を語る奴

お読みいただきありがとうございます!

こちらの作品、ハイファンタジーとか未来戦争とか、そんな要素が満載となりますが、

飽きずに最後まで読んで頂ければ幸いです!



「アリーセ!僕はこのまま君を嫁にすることは出来ない!」


 はあ?なんだって?


「僕のペアはアリーセ、確かに君だ!だがしかし、僕は、今ここで、真実の愛を見つけてしまったんだ!」


こいつ、マジで言ってんの?


「僕が今、心から愛するのはドロテアなんだ!君は僕と親密にするドロテアに嫉妬して、私物を壊したり、仲間はずれにして彼女を孤立させたりと、様々な嫌がらせをしているんだろう?もう!たくさんだ!僕は今、ここで、君とのペアを解消し、真実の愛を取る!」


 緩くカールしたピンクブロンドのドロテアの髪は、可愛らしい顔を縁取るようにしてくるりと丸まり、長いまつ毛の下の新緑の瞳が、庇護欲を掻き立てるようにして潤んでいく。


 ほっそりとした腰を抱き寄せたエルマーは、彼女の髪にキスを落としながら、目の前に立つアリーセを蔑むようにして見つめた。


 その二人の前に立つ、エルマーのペアであったアリーセは、腰に差したソニックブレードに手を掛けようとしたんだよね。仕方がないから、腕時計を口元に寄せ、イザコザカップルの間に割って入ることにした。


「1415(ひとよんいちご)、真実の愛の宣言確認。エルマー・バールがドロテア・ベルツを真実愛する人であると宣言。アリーセ・ゲルマーに対してペア解消を通告するものとする」


「「「了解致しました!」」」


 会場に散らばっていた部下が即座に集まってくると、エルマーとドロテア、二人の両手をプレートに押しつけ、指紋および遺伝子情報を記録。


「1420(ひとよんにぜろ)、二人が真実の愛で結ばれたカップルであると記録院に報告。真実の愛で結ばれた二人は、何人(なんぴと)たりともこのペアを解消させることは出来ない。つまりは、どちらかが死ぬまで、永遠にペアであり続けるということだ。分かったな?」


 私はリン・ヴィトリア・アヴィス、第三十八部隊所属、部隊長として百人隊を指揮下に置いている。


 実は私、前世の記憶を持っているんですわ。

今、この、異世界なんだか、未来なんだか、他の惑星なのか、どこなんだか、ちっとも分からないような場所に転生して、働いています。


 世界規模の大きな戦争が終わった後の、世界を焼き尽くした百日の炎とか言われる時代が終わった後の世界で、砂漠化が広がり、著しい水不足によって人間の住める場所がどんどんと少なくなっていった末に、住める場所を巡って七つの国がドンパチやっているような状態です。


 もうこれを聞いただけで、異世界なんだか、未来なんだか、他の惑星なんだか、何処なんだかわかんないよね?私もわかんないもん。


 それで、私が今住んでいるのが、フィルデルン王国の最北端に位置するローフォーテン領っていうところで、隣国となるビュルネイ公国と国境を接する場所に住み暮らしているってわけ。この場所は、百年以上もの間、領土をめぐって争いが続いているし、近年はその戦いが激化しているわけですわ。


 こんなことになっても、戦争、戦争で、人口がますます少なくなってきた為、王家は少子化対策に本気で取り組むことにしたようです。その一つが『ペア制度』という奴で、未婚の成人に対して遺伝子情報からマッチングをして、国が勝手にカップリングするってわけね。


 見知らぬ相手と「遺伝的には最高の相手なんですよ〜」などと言っても上手くいくわけもなく、この政策は頓挫するところだったんだけど、ローフォーテン領ではこれに一つ手を加えることで、うまく回り始めたってわけですわ。


 それが、私が発案したところの『お見合いパーティー』という奴でして、戦いも収束していることが多い秋も深まる季節に希望者が集まって、まずはパーティーでマッチングされた相手と顔合わせ。その後、デートを重ね、もう一度、パーティーでお互いの気持ちを確認した後に、二泊三日のキャンプに出かけることになるわけですわ。


 最後の意思確認のところで、

「やっぱり無理です」

 と、言い出す人もいるし、

「他に良い人を見つけたんです」

 と、言い出す人もいる。


 とにかく、国としては子供が生まれればそれで良いので、子作りに励んでもらい、出産後は、自分で育てるか、国で育ててもらうかを選択するってわけですね。


 お互い、たった一人の伴侶を見つけて、その人と子供を作り続けるというペアもいれば、毎年、相手を変えて子供を作る人もいるってわけで・・


 これって、どうやら、氷の国に住む皇帝ペンギンと同じスタイルになっているんですって。皇帝ペンギンは、毎年、子供を作るんだけど、同じ相手と子供を作るペアもいれば、毎年、相手を変えるペアもいる。結局は、優秀な遺伝子を残すため、同じ相手を選んだり、他の相手を見繕ったり、人間もペンギンもやっていることは一緒ってことなんですかね。


ちなみにカップリングの際には、子供を産むことになるのは女性となる為、女性の意思が尊重されるようになっています!


 前世の記憶がある私なんかからすれば、正直ドン引きするシステムなんだけど、フィルデルン王国ではこの方式が少子化対策として採用されているわけですわ。


 まあ、そんな訳で『真実の愛』なんだけども・・


「えーーっと、死ぬまで相手を変えられないってどういうことですか?」


 『真実の愛』宣言をかましたエルマー・バールが、キョトンとした顔でこちらを見るため、私は首を傾げながら問いかけた。


「君、真実の愛宣言がどれだけ重いものか知らない訳じゃないよね?」

「はい?」


 そういえば、こいつ、他領からの移民組だったな。


「マッチングパーティーでは、ペアは組まされるが、気が合わなかったら解消できるし、双方ともに納得の上であれば、ペアを変えるなんてことも可能なわけ。つまりは、ペアが決まっていると言っても簡単に解消出来るという状態の中で、わざわざ『真実の愛』を引き合いに出して相手に断りを入れるというのは、相手に対しての最大の侮辱行為になる訳だよ」


 先ほどから部下に羽交締めにされているアリーセは、怒れる雄牛のように顔を真っ赤にして足をバタつかせている。


「ちなみに予め言っておくと、真実の愛の相手であると宣言した場合は、翌年からペアチェンジとか出来ないから」


「はあ?」


「さっき言っただろ?互いのどちらかが死ぬまで、宣言をしたペアはそのペア同士でしか子供を作る行為は許されない」


「えええええ!」


「そういえば、ドロテアって最近、不倫に走ってなかったっけ?」

「不倫相手の子供が出来たから、略奪した上で、真実の愛宣言に踏み切ったんじゃないの?」


 後ろの方で部下たちが何やらコソコソ言っているが、そうなんでしょうね。


 この世界には結婚した相手は、生涯、たった一人の伴侶を愛する義務が生じるわけだ。嫁以外と交際することを『不倫』と言うし、『不倫』した末に生まれた子供は差別されて生きることになる。


 不倫の末に孕んだドロテアは、ローフォーテン領の仕組みに詳しくない移住組を罠に嵌めて伴侶として、正式に腹の中の子供を産み落とすことにしたのだろう。


「えええええ?どういうこと?」


 男側としては、自分が産む訳じゃないから、毎年相手を変えていく人が多いんだけど、この人だけ!と決める人もそれなりに居るので『結婚制度』は今でも続いているんだよ。


ちなみに結婚するのは、今みたいにプレートに遺伝子情報と指紋を登録して、記録院に報告するだけ。式とか披露宴とかは、金持ちと物好きがやることだよね。


「リンさん!私!悔しいです!」


 真実の愛などという、素晴らしい文言を掲げた最大の侮辱を受けたアリーセは、涙を流して悔しがっているけど、何故、そこまで悔しがるのかが良くわからない。


「アリーセ、これからイヴァンナ様のところに行こうよ」

「えええ?提督のところですか?」


「そうそう、提督、不実とか不誠実とか大嫌いだから、きっとアリーセに同情して、もっと良い男とマッチングできるように手配してくれるよ」


 イヴァンナ・フィッツジェラルド提督は、国境に広がる王国軍を指揮下に置く一番偉い人なんだよね。きっと、良い男を紹介してくれるよ!



ここまでお読み頂きありがとうございます!

この物語は、異世界なんだか、未来なんだか、宇宙なんだか、何処なんだか?

分からない中で、王子様が出てきます。

そんなに長くならない予定ですので、最後までお付き合い頂ければ幸いです!

モチベーションの維持にも繋がります。

もし宜しければ

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