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姐さんTHEムービー

閲覧感謝です!

貴重なお時間に見合いますように……

「はいっ。オーケーです!

 いただきました。ありがとうございます。これで姫乃さんの撮影全てクランクアップです。お疲れ様でした!!」

「ありがとうございます。お疲れ様でした」


 撮影が終わり沢山のスタッフに拍手で労われる。


 スタッフからも花束を貰い感謝を告げ、ゆっくりと現場を去る。


 スタジオから少し離れた控室に向かっていると一人の女性がいきなり抱きついてくる。


「お疲れ様でしたッ。姐さん♡」

「びっくりしたぁ。…………彩華、こういう所ではむやみやたらに抱き付かない様にっていつも言ってるわよね?」


「ええ~いいじゃないですか~。今、誰もいないんですから」

「そういう問題じゃないの。気持ちは嬉しいけど、取り敢えず離れようか?ね?」

「はぁ~い。分かりました……」


 冴島との騒動以来何故か無性に彩華に好かれている。


 私の事は姐さん!って呼んでくるし、まぁ、それは、意外と悪い気はしないからいいんだけど、余りにもスキンシップがアグレッシブすぎるんだよなぁ。

 挙句には私の事は呼び捨てで呼んでくれって。


 これも、最初こそ抵抗があったけどめちゃくちゃ彩華がスキンシップしてくるおかげで今では、抵抗感がないどころか自然にスッと呼べるまでになってしまった。本当に慣れって恐ろしい。


「ってか、彩華の撮影昨日で終わったんじゃないの?何で此処にいるのよ?」

「だって、姐さんに会いたかったから!」


 テヘッ


「テヘッじゃないの!もう、アンタって奴は……」

「いいじゃないですか。私が好きでやってるだけなんですから。それに、聞きました?あの事」


「あの事?」

「あ、やっぱりまだ聞いてないんですね。私達のドラマ続編の制作が決まったんですよ!!もしかしたら映画化もあるかもって話です!」


「ウソ。マジで。いや、いくらなんでも早すぎるでしょう。だってまだ昨日5話の放送が終わったばっかりよ。しかも、さっきまで私の最後のシーンとってたばかりなのに。それなのにもう、続編とか映画化って流石に早すぎない?」

「そんな事無いですよ。だって、ネットでの盛り上がりなんていっつも凄い事になってますし、視聴率だってそこそこですし」


「あ、そこそこなんだ……」

「……はい、そこそこです。でも!、人気なのには違いないですから。自信持ちましょう」

「大丈夫。そんなに傷ついてないから……」


 私が主演で樹が助手役をやっているドラマ「レディーマジック」それの続編が決まった訳なのだから嬉しいに決まっている。 


 視聴率はそこそこだけど。


 続編をやるのだから私の初めての主演作が世に認められたという事だ。それでも視聴率はそこそこだけど。喜ぶべきなんだ。嬉しいは嬉しい。が、何か釈然としない気がする。


 あ~~~めっちゃモヤモヤする。


 俺が私になってからこんな気持ちになるのは初めてだ。どうしたものか。どうすればこの気持ちは、このモヤモヤはスッキリできるんだ!!

 

「……姐さん。どうしました?めちゃくちゃ険しい顔してますけど」

「えっ。あっ、そう?私、そんなに険しい顔してた?」


「ええ。まるで、夏に麦茶と麺つゆを間違えて飲んじゃった時みたいな顔してましたよー。可愛かったですけど」

「それって、険しい顔か?でも、分かるような分からない気がする例えだなぁ」

「ええ~分かりますよ!私的にめっちゃ分かりやすい例えだと思ったのに~」

「そもそも、麦茶って飲むのは夏だけじゃないでしょ?」


「いやいや!ってかそうじゃなかったら夏以外にいつ飲むんですか~!」

「いやね、私も勿論麦茶は飲むよ。ただ、麦茶って季節問わずに飲むものだと思ってたから」


「いやいや、麦茶は夏しか飲みませんよ。だって麦茶は夏にしか存在出来ませんから」

「そんな事ないと思うけど……」


「やっぱり、姐さんって少し変わってますよね。まあ、そんな所も大好きなんですけど。でも私、ショックです」

「何が?」


「スターって変わってるって話し聞いた事ありますけど、本当なんですね。だったら私はいつまでも姐さんみたいになれないじゃないですか~。だって私は普通ですもん」

「それ、私の事しれっとバカにしてる?」

「してないですよ~。とんでもない。私が姐さんの事バカにする訳ないじゃないですか?だってダ・イ・ス・キなんですからッ♡」


 身振り手振りで何故か私を誘惑する樹。


「彩華も十分変わってるから心配ないと思うけどな……」

「だから、変わってないですって~」


 そんなこんななやり取りをしていると私のマネジャー進藤さんがやってくる。

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