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マネキンって可愛いですよね?

閲覧感謝です!

貴重なお時間に見合いますように……

 この物語はフィクションであり妄想から生まれたコメディです。そのため現実では有り得ないような出来事やご都合主義も多々存在しますし誤字脱字も存在します。ただそれはその人物が自然と間違えているだけでミスではありませんのでご安心を。ですので想像力を全開にして物語の全容を御自身で妄想しながら連ドラを観ているような感覚でご覧いただきたい。

 あっ、物語が始まる前に最後にひとつだけ。

 私の嘘はフィクションです。





 人生はいつも曖昧で分からない。


 小学生の頃の俺はきっと今の自分を想像できていない。


 いや、絶対想像出来てない。


 昔の俺は何になりたかったのだろうか?


 プロスポーツ選手や芸能人として有名になりたかったのかな?


 それとも、普通に就職して円満に家族と過ごす事かもしれない。


 色んな選択肢があるのが人生でありどれが正解なのかは誰にも分からない。


 ただ一つ分かるのは、今の俺の道があの頃考えていた選択肢の中にはきっと存在しない道で間違っているという事。


 確かに、今の道を選んでから異性にはモテるようになったし金も名誉も手に入れた。


 この話を聞く限りは、僅かしかいない勝ち組の人生だと思う人も多いだろう。


 だが、今の俺が歩む道は茨の道どころか、道ですらない場所を必至になって歩いている。


 何故なら今の俺は、日本が誇る国民的大スターだからだ。


 女優としてだけどな…


 これは果たして勝ち組の人生といえるのだろうか?






 時は一年前に遡る。

 その時の俺は人生に絶望していた。

 半年間付き合っていた結婚間近の彼女に振られ俺は自暴自棄になっていたからだ。

 それも、少しだけの生活費を残して貯金の殆どを持ってどこかに消えてしまったからさぁ大変。


 この事を警察に相談すると業界内ではとても有名な結婚詐欺師だった事が後に分かった。


 それだけ有名ならさっさと捕まえろって話だ。


 そんなんだから警察は嫌いなんだ。


 彼女は凄腕の詐欺師で狙ったターゲットの男を1週間で落とし8日目には姿を消していると言われているらしい。


 そんな彼女と半年も付き合ってたのだから自分でも驚きを隠せない。

 警察にも何で半年間も付き合ってられたのたかと聞かれたが分かる訳がない。

 そんな当たり前の事を聞いてくる警察が俺はもっと嫌いになった。


 そんな今の俺には何もない。

 仕事さえ手につかなくなり辞めてしまった。


 だからやっぱり金もない。


 そんな今の自分に酷く絶望しながらもスマホを眺めていると、その時一つの写真で俺の運命は希望へと変わった。

 手元のスマホに映る一人の女の子に俺は一目惚れしたのだ。


 年は俺と同じ20代くらいで笑顔がめちゃくちゃ可愛いくてえくぼがキュート。


 そんな彼女の笑顔を見ていると、俺の人生もまだ何とかなるんじゃないかと思えてきたんだ。


 俺はそんな彼女に一言お礼が言いたかった。

 俺は彼女のSNSを探して調べていると衝撃的な事実が俺を襲った。


 何と彼女、女ではなく専用アプリで加工した50代のおっさんだったのだ。

 しかも2人の子持ち。

 あんなに可愛い笑顔をする子が俺より倍以上の年上のおっさんだというのだから驚きだ。


 俺は現代の発展したテクノロジーに感動したと共に今まで感じた事のないような感情が俺を支配した。


 この出来事が俺の変わった運命をさらに180度も変える事になる。

 俺もこのアプリを使って加工をすれば綺麗な女性になりきり、俺の様に絶望する奴を増やせるのではないかと。そんな馬鹿みたいな思惑が俺の頭をよぎる。


 今考えれば最低な事を本気で考えているヤバい奴だと思うが、この時の俺は止まる事を知らなかった。


 止まるどころか俺は暴走し始める。

 俺ならアプリを使わなくても実際に女装すればより完璧に騙せると思ってしまったのだ。


 でもこれは無理に決まってる。


 アプリの加工と女装とでは技術の限界があるからだ。

 これも冷静になった今ならよく分かる。


 でも冷静ではない、あの時の俺にはどこからか現れた謎の自信があった為そんな事は考えもしなかった。


 俺は勢いのままネットでメイクの仕方や女性の仕草などのあらゆる女性に関する知識を調べ上げ努力した。

 見た目はもちろん、声も女性そのものに近づける為に必至に女優のモノマネをして練習し続けた。元々俺の声は男性としては高い方だったからか思った以上に成果が出ている。道具などの必要な物は全て、残された僅かな生活費から使った。


 そのおかげで毎日の食事はもやしだけだったが……

 まぁ、これは自業自得なので仕方ないのだけれど。

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