14、突然の最終話! 俺達の戦いはこれからだ!!
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唐突ですが、最終話です!
「ラァァァァ!!」
チューボッスが繰り出す拳打を、ゾォンは残されたメイスの柄で受け止める。が、勢いを殺しきれず、ゾォンは柄ごと吹き飛ばされる。
「ゾォン!!」
木に衝突する寸前にゾォンは宙返りして木に両足を着く。
ビキビキと全身のねじれを足に集中し、ドォンという音を響かせ、反動で足場の木を粉砕しつつ、砲弾のように飛び出すゾォン。
「顕現せよ、アースメイス!」
「!?」
自分の目前にメイスの柄が出現し、チューボッスは戸惑い一瞬動きを止める。そこへ空中で回転し、足を前にしたゾォンのドロップキックが炸裂した。
「こ、この程度!」
ゾォンの蹴りを腹でまともに受けるチューボッス。だが、無双鎧の高い防御力は、そのダメージを通さない。
ゾォンはドロップキックの姿勢で浮いたまま、地面から生えた柄を両手で掴む。そして体を回転させ、メイスを地から引っこ抜きながら地面に着地し、そのままメイスをチューボッスの頭上へと振り下ろした。
「なんの!!」
無双鎧の両拳が赤熱し、アースメイスの打ち下ろしと衝突。再びビシリとメイスに亀裂が走る。
「顕現せよ、アースメイス! 顕現せよ、アースメイス! 顕現せよ、アースメイス! 顕現せよ、アースメイス! 顕現せよ、アースメイス! 顕現せよ、アースメイス!」
トーキは"アースメイス"を連発し、ゾォンの周囲を囲むように、何本もの柄が地面から生える。
破砕したメイスを即手放し、ゾォンは手近にある柄を引っこ抜きながらメイスを振り抜いた。
ゾォンがメイスで攻撃し、チューボッスがそれを砕く、ゾォンは新しいメイスで攻撃し……、その間にもトーキは新しいメイスを生み出し続ける。
一見拮抗しているように見える両者の攻防。だが、徐々に状況は偏り始める。ゾォンの攻撃はチューボッスに命中する。が、鎧には傷一つつかず、内部のチューボッス自体にもダメージが通らない。対してチューボッスの攻撃でゾォンは徐々に傷ついていく。
ゆらり、とチューボッスの背後の風景が歪む。
次の瞬間には、ナイフを手にしたゼニィがそこに居た。
(あんな風に暗殺するのか!)
チューボッスの首筋、丁度鎧の境目と思われる部分に、ゼニィがナイフを突き立てる。
「なっ!?」
ガチッという硬質な音を立て、ナイフが止められる。そのような分かりやすい弱点は、無双鎧には存在しない。
ゼニィは気配を察知し、焦って後ろへと飛び退く。と同時にチューボッスが後ろ蹴りを繰り出し、ゼニィの腹部に突き刺さった。
「ぐはっ!」
吹き飛んでいくゼニィ。だが
(隙!!)
ゾォンとトーキが、同時にその隙を突く。
「しゃぁぁぁぁ!!」
「顕現せよ!!、バレットマシンガン!!」
ゾォン渾身の打ち下ろしと同時に、トーキのバレットマシンガンがチューボッスへと殺到する。
だが、チューボッスはゾォンのメイスをガードし、トーキの10連発の弾丸には全く頓着しない。鎧の防御力だけでその全てが弾かれた。
(効かない!? 俺、これより強い攻撃スキル無いぞ!?)
トーキの葛藤など構わず、ゾォンとチューボッスの攻防は続く。だが、どんどんゾォンが追い込まれていく。
(そうだ!)
「冬眠!!」
トーキは"コンパイルエラー:変数が定義されていません。"の画面から、VET画面に移行し、"Domainツリー"を確認する。
(ここには周辺にいる生物が表示されるはず!)
そこには、"生物"を表す"Creatureオブジェクト"が4つ存在していた。
(俺、ゾォン、ゼニィ、そしてこれがチューボッスだ!)
チューボッスのCreatureオブジェクトを展開する。
(無双鎧のスキルがコピーできれば、少なくとも同等の戦力には──)
「え?」
チューボッスのCreature画面を開いたトーキは絶句する。そこには、一切のコードが無かったのだ。
「無双鎧はスキルじゃない?」
("顕現せよ"で使っていたはずだよな!?)
『あれはExaSkill社製Visual Workshopで開発されたアプリケーションです』
混乱状態のトーキに、フォルトゥナが答えを述べた。
「あ、フォルトゥナさん、ありがとう。じゃなくて、Visual Workshopってなによ!?」
『ExaSkill社製の統合開発環境です』
「……」
「助けて! 神界の仮面天使様ぁぁぁ!!」
name: VET新人
【Visual Workshopで作られたアプリケーションに、VETで勝つにはどうすればいいですか?】
name: 神界の仮面天使
【アプリケーションの勝ち負けというのが良く分かりませんが……(汗)。Visual Workshopで構築されたアプリケーションは性能としては優秀でしょうが、VETと"優劣"という点においては比較するモノではないと思っています。
それぞれに利点と欠点がありますから、用途として"適材適所"を考えるべきでしょう】
「そうだ! 前世と同じだ! "表計算ソフトのマクロ"が"作りこまれたアプリケーション"に必ずしも劣っているわけじゃない!」
トーキは考える。
利点を考えろ。マクロ側の強みは何だ!?
表計算ソフト自体の操作を簡単にできる? 手軽に作れる? ちょっとした修正などの柔軟な対応がしやすい?
「……、全部開発時のメリットじゃねぇか! 完成品同士の比較でメリットがねぇ!!」
頭を抱えるトーキ。そんなトーキの目の前で、ゾォンが膝を付き、ついに力尽きようとしていた。
「ゾォン!!」
「アンタはよくやったよ。一思いに……」
チューボッスは右手で手刀を作る。その手刀が赤く変色し、風景を歪めるほどの熱を発し始める。
「殺してやるよ!!」
振り下ろされる手刀。その光景に、もはや打つ手の無いトーキは無力感に苛まれ──
苛まれ……?
徐々に動きが鈍くなる無双鎧。そしてゾォンの目の前で手刀は停止し、その手が帯びていた風景を歪めるほどの熱も、シューという排熱音と共に冷めた。
完全に沈黙した無双鎧。
「な、なんだ!? う、動けないぞ!?」
次の瞬間、ビシッと音が聞こえそうなほどの勢いで起立の姿勢になる無双鎧。
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試用期間が終了しました
無双鎧のほとんどの機能が無効になっています。再度ライセンス認証するには、以下のオプションを選択してください。
[キー入力] プロダクト キーを所有しています。
[サインイン] この機体をアクティブなアカウントに追加します。
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「は? え? どういうこと? 試用期間? ライセンス認証!?」
直立不動の無双鎧の中で、チューボッスが戸惑いの声を上げている。
「武装は? 使えない? 赤熱手も……、無理!?」
しばし機能確認を行っていたチューボッスは、あらゆる機能が無効化されていることに腹を立て始めた。
「ええい! まだ鎧は健在! このまま戦って……、戦って……」
一歩踏み出した無双鎧は、まるで操り人形のようにぎこちない動きだった。
「う、うっそ、なんで!? 肘も膝も曲がらないってどういうこと!?」
「初期のガ○プラみたいだな……」
よろよろと数歩歩いたチューボッスは、石に躓いてバッタリと倒れた。
「ふげっ!」
倒れた状態で手足をばたつかせるチューボッス。30秒ほどもがいて、動かなくなった。
(あ、起き上がれないんだ……)
「やってられるかぁぁぁぁ!!」
無双鎧の背中を開き、中からチューボッスが飛び出した。
トーキ達の前に、無防備な姿をさらしているチューボッス。
「あ……」
「顕現せよ、バレットショット」
「ぎゃふん!」
こうして、トーキ達は、魔王軍三傑衆の一人を退けた。だが、これは魔王軍との長い戦いの始まりに過ぎなかったのだ。
後に"魔王のブレイクポイント"や"ステップ実行の鬼"、"千のヘルプを見る男"、"なんか動くからヨシ!"などの異名で呼ばれた男の物語は、今始まったばかりである。
「いや、なんかかっこ悪い二つ名ばっかりじゃない? っていうかおかしいの混じってるから!!」
「私たちの性活はこれから」
「字が違う!」
おしまい
これにて本作は完結。
最後に第一話で募集した、人気投票の結果をお知らせします!
・第5位 ゼニィ
本人コメント「投票してくれた人~、ありがと~」(投げキッス)
登場話数は少ないが、インパクトが得票につながったか? 金で票を買ったとの黒いうわさも!?
・第4位 ブラック労働中の管理者
本人コメント……、はいただけませんでした。
劣悪な労働環境に同情票が集中。堂々の4位にランクイン!
・第3位 フォルトゥナ
本人コメント「"人気投票 ネタ"の検索結果を表示します」
はい、余計な検索はしないでくださいね~
・第2位 ゾォン
本人コメント「愛の勝利」
どこまでも一途な彼女に、票が集まりました! これからもその調子で突き進んでください!
「私はいつでもトーキ一筋」
そして、栄光の第1位は!!
・第1位 神界の仮面天使
name:名無し
【人気投票第1位です。コメントをください】
name: indraya
【幼稚園から出直してこい】
name: Yes! くらいすと5
【板違いだ。よそでやれ】
掲示板にもかかわらず、タイムリーに的確なアドバイスをくれる神!
その存在感で第1位を獲得しました!!
「あれ? 俺は?」
↓↓ かわいそうな主人公にぜひ清き一票を!! ↓↓




