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10、ゴブリン相手に、無双展開をしてみる

いつもご覧いただきありがとうございます!

ブックマークいただきました。重ねて御礼申し上げます!


前回のあらすじ

覗き見して倒れた

「無双じゃ無双じゃ」

 トーキとゾォンは、ゴブリンの集落に対し、正面から襲撃を行った。


 ゴブリンの集落は、簡素な木材による柵で囲まれ、出入口のような場所が2か所あった。

「顕現せよ、バレットショット」

 そのうちの1か所にて、門番のように立っていた2匹のゴブリンをバレットショットで射殺。2人は堂々と集落内に侵入した。

 2回バレットショットを使用したが、トーキのリソースはまだまだ余裕である。トーキの体感としては、バレットショットのリソース消費はエクサパイロの3分の1程度、パイロショットと比較したら10分の1程度だ。リソースが自然回復することを考えれば、数秒~数十秒程度の間隔で行使していれば、延々と撃ち続けることもできそうである。


「ギギギ!」

「ギャギャァア!」

 突然の侵入者に、集落は一気に騒がしくなる。

 ワラで簡単に屋根を作っただけの簡素な竪穴式住居のような建物から、次々とゴブリンが飛び出してくる。


「顕現せよ、アースメイス」

 これもトーキが土壌操作(アースキネシス)の応用で作ったスキルだ。土壌を"槌"型でガチガチに固めて地面から生やす魔法スキルだ。


「おぉ~、すごいトーキ、土から槌を作るなんて。尊敬する。惚れ直した」

 素手で戦う気満々だったゾォンは、自分用の武器をトーキが作り出したことで、頬を上気させて喜んでいる。

「"土"から"槌"って、狙ってないのにギャグみたいに……」

「……、すごい、トーキ面白い。笑いすぎてお腹が痛い」

 ゾォンがものすごい棒読みで述べる。笑いすぎてと言っているにも関わらず、一言も笑っていない。

「やめて! 俺の心が痛い!」



 地面から飛び出した持ち手部分を、ゾォンが握りしめる。ゾォンの周囲にゴブリンが集まってくる。

「叩き潰す」

 ゾォンは目を血走らせ、その持ち手を引き上げる。地面が掘り返され、そこからゾォンの体より大きな塊が姿を現す。

 もはや"メイス"とは呼べない。まさに石塊である。

「トーキと私の愛の結晶で、打ち砕く!!」

 岩石の暴風とも言えるような圧倒的暴力。"メイス"が通過した場所にはゴブリンはかけらも残らない。

「言い方! 表現改めよう? ね? 違う何かに聞こえるから!!」

 "愛の結晶を振り回し、敵を叩き潰す"という字面もヤバさ満点である。




「顕現せよ!!、バレットマシンガン」

 バレットマシンガンはバレットショットを更に応用して作成したスキルだ。一旦生成した空気の銃身を使いまわして、10発連続でバレットを打ち出す。

 さすがにパイロショットに近いリソース消費であるため、これは連発できない。しかし、使いどころさえ気を付ければ、これもまた有用なスキルである。

 ゾォンが暴れている方向とは逆方向に居たゴブリンたちは、連発される銃弾に撃ち抜かれ、バタバタと倒れていく。


 100近いゴブリンが居たはずの集落だったが、ほんの10分程度で集落は壊滅した。

 ちなみに、キルスコアはトーキが約40、ゾォンが約60である。

「まだゾォンに勝てない……」

「大丈夫、トーキには傷一つ付けない」

 血まみれのゾォンが美しい笑顔を見せる。彼女は安定の狂気具合である。




「いやいやいや、助かったよ~、危うくこんなところで"操"を散らすところだったよ」

 トーキ達が集落の家を確認していたところ、その内の一か所に女性冒険者が囚われていた。自己申告によると貞操は無事らしい。

 赤い髪を後ろで一つ縛りにしており、亜麻の服の上から革製の軽鎧を身に付けた女性は、荒縄で縛られており、"出る"部分が強調されており、少々目に毒である。


「きみたちもゴブリン集落の調査依頼で来たのかな? 私もそうだったんだけど、ちょっとドジふんじゃってね~」

 あまり観察していると、"狂気"に襲われそうであったため、早々に彼女の縄を解き開放する。

 女性と共に住居から出る。外にはゴブリンの死体がゴロゴロと転がっている。


「って! ゴブリン全滅しとるやないかーい!! それならそうと言ってくれればいいのに~、ゴブリンに見つからないか警戒しちゃったじゃないかぁ!」

 "騒々しい人だなぁ"と思いつつ、ベラベラと一人しゃべり続ける女性をぼんやりと見守るトーキ。そのトーキの視線の意味を何か勘違いをしたのか、女性に全力で殺気を向けるゾォン。


 討伐証明となるゴブリンの左耳を集めつつ、良くしゃべる女性をチラチラと観察するトーキ。

(どこかで見たことのある人なんだよなぁ)

 女性も討伐証明集めを手伝うといいつつ、ゴブリンの耳を切り取っているが、ちゃっかり自分のポーチへと入れている。

 女性を気にするようなトーキの視線に、ゾォンの殺気は更に鋭さを増しているのだが、二人は気が付いていない。


「あ!」

 トーキは思い出した。

(冒険者登録した時に俺を観察して"きみは無いな"って言ってたお姉さん!)



「トーキ、私の"評価"はどう?」

「え!?」

 ゾォンが無表情でしゃなりしゃなりと体をねじる。


「……どう?」

「もっ、もちろん★5!」

 声のトーンが一段下がったため、トーキは焦って答えた。


「あとは──」

 "胸がもうちょっと"と言いかけたトーキは、ゾォンから冷めた視線を向けられ、閉口した。

 その瞳の虹彩からは光が消え、開いた瞳孔はまるで深い穴のように漆黒である。


 まるでブラックホールに吸い込まれるスペースデブリの気分を存分に味わうトーキ。


「あとは……なに?」

「え?」

「あとは…………なに?」

「"あとは"なんて……、言ったっけ?」


「……なに?」

「俺が頑張らなきゃね!! ゾォンに見合う男になるぞぉ!!」

 更に声のトーンがもう一段下がったことを受け、トーキは焦って吠えた。



「大丈夫、トーキはいつでも素敵」

 頬を上気させて呟くゾォン。

「あ、うん」

 なぜかトーキまで釣られて赤面した。

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