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セミの寿命

作者: トムボーイ

「セミってどれぐらい生きるの?」


 とボクは言った。


「セミは一週間ぐらいしか生きられないんだぞ」


 と父から聞いた。


「セミは一週間しか生きられないんだってさ、大変だな」


 と兄から聞いた。


「セミは一週間しか生きられなくて大変よね」


 と母から聞いた。


「セミは一週間、精一杯生きてる、お前も見習え」


 と祖父から聞いた。


「セミって一週間しか生きられないんだぜ?」


 と得意気な顔をする小学校の同級生から聞いた。


「セミが一週間しか生きられないというのは嘘で実際は幼虫として何年も土の中ですごした後、成虫になり成虫になった後も一ヶ月ほど生きるんですよ」


 とテレビで聞いた。


「セミって一週間以上生きるって知ってたか?」


 と得意気な顔をする中学校の同級生から聞いた。


「セミは一週間しか生きられないんだ。お前達も決して命を粗末にするんじゃないぞ」


 と高校の担任から聞いた。


「人というのは内容の正確さよりもインパクトを優先し人に下らない俗説を流す傾向にある、セミの寿命が良い例だ」


 と大学の教授から聞いた。


「セミは一週間、精一杯生きてる、お前も見習え」


 と呆けた祖父から聞いた。


「オレの財布は中身はセミの寿命よりも速く尽きる」


 と会社の上司から聞いた。


「ねぇ知ってた? セミって本当は凄く長生きなんですって、寿命が一週間というのは嘘だそうよ」


 と妻から聞いた。


「セミってどれぐらい生きられるの?」


 と息子から聞いた。


「セミは一週間ぐらいしか生きられないらしいよ」


 とボクは言った。


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