いざ依頼へ!(後編)
昨日見たら10000PV(読まれた数)行ってました!
みんな読んでくれて、ありがとうございます!
そう言えばこの依頼、冒険者になってからまだ3回しか受けてないんやな。2回目の依頼でゴブリンの集落を潰すっちゅう大っきい依頼やったせいで、この程度の依頼での緊張感やったらそんなに緊張なく出来るな。
達成出来るかの緊張で連携もくそもない、って言うのは避けたいからなぁ。
「あ、そや。エリス、なんか攻撃出来る方法考える、言うとったけどなんかいい案浮かんだか?ちなみに僕も考えとったんやけど僕ってそう言う新しいこと考えんのは全然やからなぁ。悪いけど」
そう。実を言うと僕って地球の知識はあっても発想力とかって昔っから全然無いんよな。
やけどその代わりって言うたらおかしいけど、僕はこの世界にない地球の知識が有るからそれで助けてあげれたらいいな、って思うんよ。
「うん、考えてたんだけど、姉さんは光魔法が使えるでしょ?それで、私も使えたらそれを覚えようって、思って」
「なるほどね!多分私の妹なんだから覚えられるでしょ!勿論あたしも覚えられるよう精一杯教えてあげるわ!」
やっぱ仲がいいなぁ。そう言えば僕も地球にいた頃に妹がひとりいたけど、ゲームに動画にって感じで話すことってだんだん無くなっていってたからなぁ。
ってあかんあかん、ホームシックみたいなっとる!
今になってみれは全然地球に思い入れはなかったけど、なんかな、向こうの生活が便利やったんやなぁって今めちゃくちゃ実感してるわ。
僕がしみじみ昔の事を思い出していると。
「みんな、ダッシュボア、2時の方向」
「確認したわ。カイン、回り込んでくれるかしら?」
「おう、任しとき。せいぜいそっちに行かんように頑張るわ」
なんとなしに言うたけどちょっと嫌味臭いか?
ま、いっか。吐いた唾は飲み込めんって言うしな。...後で謝まっとこ。
予め血の騎士槍出しといてっと。あ、因みに『血液操作』のレベルが上がってきとったのか、だんだん槍の大きさも大きくなってきている気がする
そんなこんなでボアの近くまで来れたな。て事で、こんにちは、ダッシュボアくぅん!
「...『ジャンプ』からのぉ、唐竹割り!ってねえ!」
ま、唐竹割りなんてスキル持ってないけどな。気分や。
そう言えばゴブリンも大量に殺した事やし、そろそろ進化する頃やろか。
なんてことを考えとったのが悪かったんか、槍の入りが悪かったみたいでボアがまだ生きてたんや。
「がぁっっっ!」
生きとったんか!気づかんかった!気づいた時にはもうボアの頭が近くになってて避けられんだ。
目がチカチカしてるけど避けやなあかんて、ボウってしてる頭でもわかんのに体がどうしても動かん!
ヤバい!もうボアが目の前や!
僕が突撃の衝撃に備え目を閉じ腕をクロスした、その時。
「ファイアボール!」
ドガァァン!!!
どうやらサリアの魔法が何とか間に合ったようやな。
ホンマに命の危機を感じた。まだ頭ん中おかしいけど、無理やりにでも動くしか無いな!
頭がチカチカしてよく見えないない中、ボアの頭目掛けて槍を横なぎに、振るう!
「オァァァ!」
「ギィィィ!!!」
よし!頭蓋を砕いた!このまま僕に頭が潰れたダッシュボアが来るか思たけど、槍を横に振ったのが良かったんか、横に勢いよく体を引き摺りながら倒れ込んで行った。
「大丈夫!?カイン!」
「うぅん、肋骨辺りメッチャヤバい感じするわ。ついでに頭がメチャ痛いわ。すまんけど治してくれるか?エリス」
「ん、任せて」
そういうとエリスは『ヒール』と小声で唱える。
するとエリスの体が緑色に淡く光りそれが手に集まって行った。
集まった光を肋骨辺りに当てられるとフワフワした温かい気持ちになり怪我が徐々に良くなっていくがそれに比例しエリスの顔が険しくなっていく。
どうやら回復魔法はすごく燃費が悪いようだ。
肋骨辺りを治すので精一杯、といった様子だったが少しだけ休憩したあと、またエリスは僕に回復をかけ続けてくれた。
「エリス、大丈夫か?何やったら1時間くらい休憩してもええんやで?てかした方がええぞ、絶対」
「ううん、大丈夫。まだ頑張る」
一応気を使って声をかけたが、断られてしまった。聞いてみると、みんなの役に立ってる感じがしていい、だって。健気やなぁ。
それにしても、こりゃいいな。直ぐに怪我が治る。今わかるデメリットは消費量が多いって事か。街に帰ったら魔力と回復のポーションも買っとかんとな。
「取り敢えず依頼は達成ね。どうする?辛いようならもう帰るけど」
ここで帰ったらまだ全然生活費が足りん。けど大分この依頼はリスクが高いんやな。どうしよか?
「私はまだいける」
エリスは賛成か。魔力相当使って辛いはずやのにまだ頑張ってる。こりゃ、怪我治った僕が日和るわけにゃぁ行かんよなぁ!
「僕もまだ行けるわ」
「じゃあ決定ね!あたしもまだまだ余裕があるし暗くなる迄にいっぱい狩って行って!村の人たちを驚かせましょう!」
まだ日は真上になったばっかり。僕らはまた森の中をボアを求めて彷徨うのだった...