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今までにない進化を求めて  作者: シュレー・ディンガ
1章 私の世界へようこそ!
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唯一の生き残り

「あ、カイン君、そっちは終わった?」


 ミシェルさんが話しかけてきた。他の人たちも怪我を負っている冒険者は多いようだが重い怪我の人は居ないようだ。


「すこし、付いてきてくれませんか?」

「?うん、分かった」


 ミシェルさんは疑問を感じたようだが大人しく着いてきてくれるようだ。


     ・

     ・

     ・


「ここです」

「...ここは!」

「はい、ゴブリンの繁殖場です。今僕が確認しているだけでも2人見つけました」

「その2人は?」

「死んでしまいました」

「そう...みんな、まだ生きている人がいるかもしれない。探して」

「分かりました」


 『踊る氷剣』と『潜むもの』の2パーティーによるさらられた人の捜索がはじまった。

 『漆黒の鉄人』は残るようだ。本人たちによると、

「それは俺たちのようなBランク冒険者がするような仕事では無い!それは下っ端の仕事である!」らしい。...意味がわからん。



 十分ほど経つとふたつのパーティーが1人の女性を連れ戻って来た。どうやら生き残ることを選んだ人らしい。ただ、目が今も燃えているゴブリンに行っていて、その顔は鬼も裸足で逃げ出すほど恐ろしい形相になっている。



 こりゃあ大分恨み持ってそうやなぁ。大切な人でも殺されたんか?


「紹介する、この人はレダ、Cランク冒険者で、恋人の冒険者と共に商人の護衛依頼を受けている途中大量のゴブリンに襲われ恋人は死に、レダさんは生かされたままこの集落に連れてこられたそうだ。他にも生きている人は大勢いたが生きることを選んだ人はこの人だけだった」


 なるほどな、恋人がね。さぞかし辛かったことやろうによう生きることを選んだな。やっぱ女の人は心が強いわ。


「...紹介に預かりました、Cランク冒険者のレダです。この度は助けていただき、ありがとうございます」

「ふん、何を当たり前のことを。だが災難だったな、お前の恋人がもっと強ければもしかしたら助かっていたかもしれんのになぁ?」

「何を知ったような口を!大量に出て来るゴブリンどもに囲われ背中を取られた時、マイクは、マイクはな!あたしを庇って死んだんだ!」


 おお、すげえ。めっちゃ男気あるやんけ。後できたら、気づいたら勝手に体が動いて庇ってたとかそんなかっこいい奴がいいな。

 そしてブライアン、お前それはないやろ。流石にランク下の奴を軽く見すぎてる気がすんねんかな。


「ブライアン、お前はレダさんに謝れ!今回はさすがに私とて看過できん!」


 今まで黙って成り行きを見ていたギルド長が口を挟んできた。『今回は』という事はブライアンは毎回こんな感じで突っかかって行っているのだろう。


 今回、犠牲になった女性は見つけただけでも14人、更にゴブリンには用済みになった人間を食う習性があるようで、それを考えると20人くらいには膨れ上がるらしい。


 その後僕らは包囲組の冒険者たちと合流し魔法使いに頼んで集落が再利用されないよう念入りに村を焼いた。

 その光景を見てレダさんが口が裂けんばかりに笑っていたのは一生忘れられないだろう。...だって怖いし。

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