第Ⅲ話 逃げたい
第八話
ぐぎゃ~~
「うえっ.....気持ちわるっ」
やっぱり実物は違うな.....そんなことを考えているとあることに気付く
「どうやって戦うんだ?」
くぎゃ~~!!
~
もう、間に合う方が珍しくなった気がします。
朝目覚めると、隣にいびきをかいている響がいてた。
「はっ、これは、今抜け出せるかもしれない!!」
やったな、これで特訓回避だ。そう思い、ベットから出ようとするが.....
「あれ、動かない.....」
そう思い、確認すると.....自分の身体に響が絡みついていた。
「マジかよ.....」
これだと、抜け出せないじゃないか.....しょうがないので起こす。
「お~い、響。起きれないからどけて」
「う~ん、むにゃむにゃ.....」
「お~い、響」
中々起きないので軽く頬を叩く。
「むにゃむにゃ.....」
「なっ!!」
無意識だろうが手をつかまれた。その手をそっとどけようとしたが、全然どけれない。どれだけ強く握っているんだよ.....
「お~い、響さんやい」
「むにゃむにゃ.....」
起きないのでしょうがないかな.....ということで、耳元で.....
パンッ!!
「えっ!?何ですか?何が起きたのですか?」
「響、おはよう。とりあえず手離してもらっていい?」
「いいですが.....幻都ですよね?」
いいんだったら離そうよ.....
「そうだよ。起きなかったから。起こした。それだけだ。他意は無い」
そう、他意は無いんだ。決して日頃の恨み?というか、過去の恨み?隻年の恨み?の仕返しがしたかったわけではない。
「そうですか。まあ、いいです。朝食は出来ているのですか?」
あっ、そうか。何で起こしたのか言ってなかったけな.....
「まだ」
「では、私はもう一度寝るので、朝食ができたら起こしてください」
いろいろ言いたいところは沢山あるが、まあ、せっかくの休日だ。寝かせてやろう。というか、諦めた。いつものことだから。
「了解」
ということで、台所に行った。朝食を作るために。
~数分後~
白ご飯に味噌汁。そして、焼き鮭と言う感じの朝食が出来上がった。
俺は、こういう朝食が一番好きだ。昔ながらの和の朝食が。
「起こしに行くか」
そして、起こしに行くために寝室に。
~
ど~ん!!という音が鳴りそうなほどの勢いでドアを開ける。
「響~~、起きろ~~!!できたぞ。朝ご飯」
「むにゃむにゃ.....」
気持ちよさそうに寝てるな.....
「はっ!!この間に逃げれば!!」
「駄目ですよ?」
え?さっきまで寝ていたのに.....本当にこういう時だけ耳いいな.....目覚めがいいな.....
「ですよね~~。まあ、いいから来てくれ。朝食ができたぞ」
「わかりました。では、行きましょう」
~
「この朝食食べ終わったら出かけますよ」
は?何言っているんだ?朝から外出?ちょっと何言ってるかわからないな。
「出かける?どこに?」
「秘密ですよ」
くそっ、絶対に逃げてやろう。
~
「ごちそうさまでした」
「ごちそうさま」
「じゃあ、俺は仕事があるから」
そうして、逃げるように部屋に行こうとする、が.....
「どこに行くのですか?」
「どこって仕事があるから部屋に」
「仕事があるのですか?」
不思議そうに問う。
「あるよ.....」
「へえ~、あるのですか?本当なのですかね?」
俺の仕事のスケジュール表を見ながらそんなことを言う。
「え?それをどこで.....」
「幻都の部屋の机の上です」
「マジかよ.....」
クソ野郎。窃盗だぞ、窃盗。犯罪だ犯罪!!
「では、行きましょうか」
「や、やめろ~~」
無理やり連れていかれる.....ことは無かった。
「少し着替えてくるので待っていてください」
そう言って、寝室に入って行った。
「わかったよ」
って、そんなわけないだろう。せっかく仕事がないんだ。それなのに出かけるなんて.....嫌だ。だから逃げよう。魔の手から.....そこで、俺はあることに気付く.....
「俺も着替えてないじゃん」
ということで、俺も寝室に入り、着替える。
「逃げなかったのですね」
「だって着替えていなかったから.....」
しょうがないじゃないか。着替えていなかったらダメじゃんかよ。
「別に部屋に逃げるだけなら着替えなくてよかったのではないですか?外には出ませんよね?」
はっ!!確かにそうだ.....着替える必要ないじゃん。いつもジャージに着替えていたからな.....宅配便が来た時にすぐに出れるように。
「じゃあ、俺は部屋に.....」
「行かせませんよ?」
「ですよね~~」
おとなしく着替えて.....
「ジャージしかないのですか?ちゃんとした服を着てください」
「おい!!ジャージに謝れ!!ジャージはちゃんとした服だぞ!!」
「はいはい、そうですね。では、ジャージ以外に着替えてください」
「ジャージ以外の服なんて.....」
そんなもの.....ってそんなことないな。あるな。1つだけ。スーツが1つ.....
「それしかないのですか.....」
「あぁ、残念ながら」
本当に残念だ。スーツなんて厚ぐるしいものを着るなんて.....
「それなら、ジャージの方がましですね.....って、どうしてそれしか持っていないのですか?」
「だって着ないじゃん。他には.....」
....着ないもの持っていても仕方ないじゃない。
「決めました。とりあえずジャージでいいです。特訓の前に服を買いに行きましょう」
「は?」
よーし、落ち着こう。服を買いに行く?もうそれが特訓でいいんじゃないかな?店員と話す必要がある=無理だからな。なめるなよ!!
「安心してください。私は何も口出ししません」
「それなら、またジャージになるけど?」
「それ以外なら口出ししません」
「口出ししてるじゃねえかよ!!」
「小さいことを気にしてはいけませんよ」
そんな事を言っている間に2人とも着替え終わった。
「それはそうと、響。お前めっちゃおしゃれするな」
一言でいうなれば美しかった。すごく長く言うなら、純白のワンピースに、真っ白な響の肌。そして、それとは真逆の真っ黒な髪。そして、その頭の上に乗っている麦わら帽子。それがなんとも言い難い美しさを出している。
「何か文句でも?それほどのところということですよ」
なるほど。つまり、いいところということか。嫌だな.....
「さあ、いきますよ」
~
とりあえず、服屋に着いた。
「いらっしゃいませ。何をお探しですか?」
ほ~らすぐそうやって客に話しかけに来る。そういうところだぞ。本当に。
「.....服を.....」
「どのような服をお探しですか?」
お前は、客が話をするのが苦手と言う場合を想定していないのか?ゆっくりと見せてくれよ。もう、いいや。めんどくさいし。
「.....おすすめって.....ありますか.....上下.....セットで.....」
「かしこまりました。予算はどのくらいでしょうか?」
予算どれくらいなんだろう?ふつうどれくらいなんだろう?そう思い、隣にある商品の値段を見ると.....[9200円]
「.....2万.....程度で.....」
「少々お待ちください」
~数分後~
「どうでしょうか?」
いや~、試着なんて初めてやったな.....
「.....これで.....それで.....いくらですか?」
「税込みで17400円です」
そっと、お釣りが出ないようにきっかりと出す。
「ありがとうございました~~」
~
「中々良いセンスですね」
「そうか.....あの店員さん有能だな」
「店員さんに選んでもらったのですか。まあ、よく考えればわかることでしたね」
俺がこんな服を選ぶわけないからな。自分の恰好を見ながらそう思う。
「では、いよいよ。特訓です。行きましょうか!!」
「え.....」
まだ、あるのかよ.....
感想やアドバイスを頂けると幸いです。




