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この世界の行く末を  作者: 寝蛇
第一章  不老不死編
42/52

第42話   復讐は何も.....

第弐話

ようこそ私の世界へ?


「これから簡単に説明をします」

「ふむふむ.....」


 説明を要約するとこういうことだ。僕はリスポーンができるみたいだ。前の人生に関係していた人の命を使って。

 そして、異世界を、前の人生に苦しんだ分だけ、楽しめ!!ということらしかった。異世界を楽しむだけなのに、リスポーンがいるのか?という疑問はあるが、すごく楽しそうだ。


~もしかすると、次回、更新が遅れるかもしれません。(遅れるとは言っていない。)

「箏ノ葉は、上にいる」

「「上に?」ですって」


 ここの上にいるということは、最上階ということか.....


「よし、響、上の階に行くぞ!!」

「わかりました。行きましょう」


 急いでエレベーターに乗り込んだ。そして、最上階にはすぐにたどり着いた。


「何もない?」


 そう。そこには何もなかった。あるのはただ広いだけの空間だった。


義理兄あにはいませんね」


 ここでは、無いのだろうか.....


「この上には、もう屋上しかないな.....」


 この建物には、一応屋上があった。あるが、もう何もないことは分かっている。


「人の話は最後まで聞こうぜ。それと、人は信用しないのではなかったのか?」


 そういえばそうだったな。人は信用してはいけない。あまりにも知りたかったことだったから、つい先走っていしまった。


「それで、どういうことなんだ?」

「どういうことかって?何がだ?俺は、嘘なんてついていないぞ?」


 嘘をついていない?だってここにいないじゃないか?


「っ!?まさか.....そういうことなのですか?」


 響は何かに気付いたようだった。そして、何故だか目が少しうるんでいる。


「箏ノ葉の妹は気づいたみたいだな」


 本当に何なんだよ。俺だけ話についていけていないではないか。


「どういうことなんだ?いるんだろ先輩は?」


 まさかな.....まさか.....上って、空のことじゃないよな?


「幻都.....恐らくお前が考えていることで合っていると思うぞ?」

「嘘だろ?先輩はこの世にはもういない?」


 近くで息を呑む声がする。どうやら、響も同じ結論に行きついていたようだった。そして、俺はもう一つの結論にたどり着いた。


「あの部屋は先輩を殺すための部屋?」

「合っているが間違っている、と言えばいいかな」


 合っているが間違っている。ということは、あの部屋で先輩が殺されたということは間違いないようだった。そして、間違っているということはつまり.....何人も殺されているということか.....


「今まで、先輩以外に何人殺した?」

「察しがいいな。流石だ」


 しかし、響はついてこれていない。というか、あまりついて来たくないみたいだった。


「つまり、義理兄あに以外にも死者が?」


 まあ、そういうことなんだがな。普通に聞いているとわかることなんだけどな。


「何人殺したかは、覚えていないな?まあ、たくさんだ」


 まさか、対抗薬を作り出すことによって、たくさんの罪のない人々が殺されることになってしまったなんて.....自分は何のためにそれを生み出したのか?人々を、身近な人を守るためなのではなかったのか?何のために.....何のために.....


「結局、あの時から、俺は何も変わっていない.....」


 誰のために何かをしようとして、その結果誰かを苦しめ、そして、殺す。そう、根本的には何も変わっていなかったのだ。ろくでもない人間だったのだ。


 ただ、自分のことのだけを考えて、自分を納得させるためだけだったんだ。全て。あの時の償い、罪滅ぼしになると思って。


「幻都?どうしたのですか?」


 何だろう。もう。どうでもよくなった。自分がどうなっても。ただ、復讐さえできればそれでいいと思った。そして、気がつけばあいつに馬乗りになっていた。


「おい、幻都。何をするんだ」

「何って、お前を殺すだけだ」


 俺は、対抗薬.....は持っていなかったので、針を取り出した。裁縫用の細い針だ。そして、眼球に突き刺した。当たり前だが.....


「あぁっ!?」


 悲鳴が上がる。慣れていなかったらそんなもんだよな。


「痛いか?痛いよな?けどな、お前に殺された人はもっと痛かったはずだ。さあ、もっと苦しめ」


 実に滑稽だな。人が苦しむのを見るのは。


「幻都。どうしたのですか?」


 どうしたのかって、


「こいつに復讐しているだけだ」


 それだけだ。それ以上でも、それ以下でもない。


「復讐は何も生まないのですよ。いいことなんて何もない。ただ虚しいだけですよ」

「何も生まなくてもいい。いいことなんて何もなくてもいい。虚しくてもいい。ただ、先輩の、殺された人の復讐ができればそれでいい。その後にどうなろうが俺は構わない。」


 そう、復讐さえできればいいのだ。殺せなくてもいい、ただこいつに苦しみを、痛みを与えられたのならそれでいい。ただそれができれば。


「幻都、少し前に覚えておいてくださいね。と言いましたよね」


 そんな事言われた覚えはなかったり、あったりするが、


「それがどうかしたのか」


 そう問う俺の下には、いまだに針が刺さったままのあいつの姿が.....


「だから、謝りませんよ。まあ、いつも謝っていませんし、悪いとも思っていませんが」

「じゃあ、言うんじゃねえよ!!」

「黙ってください」


 そういって、響は俺の両腕を切り落とした。目にとまるほどの速さで。しかし、避けることは決してできない程の速さで。そして、ついでに切られるあいつがかわいそうに思えて.....は来なかった。


 ただ、いい気味だと思った。それだけだ。


「やめてやれよ(笑)。かわいそうだろう。下のやつが。というか、それは何処から出してきたんだ?」


 笑いながら、ふざけてそういった。


「そうですか。かわいそうなんて思うのですか。そんなことをしておいて?」


「思わねぇよ。思うわけがないだろう?」


「そうですよね。私もかわいそうなんて思わないのですよ。あなたと同じように。義理兄あにのことがありますからね。もちろん恨んでいますよ。」


 それもそうか。なら、何故?


「お前は、俺の復讐を止めようとするんだ?」


 響が復讐したかったのか?そんなわけないよな.....


「それは、さっきも言いましたが、復讐は何も生まないのですよ。いいことなんて何もない。ただ虚しいだけですよ。例え、どんなに憎くても.....」

「人を殺したやつでもか?」


 そうだ、あいつは人を殺しているんだ。それに比べれば.....


「殺していたとしてもです。もし、そんな復讐をして、殺してしまえば幻都は、あいつと同じになっていしまいますよ。それでもいいのですか?」


 あいつと同じに.....


「確かに、そうかもしれないな.....」


 そして、俺は針を抜いた。あいつの眼球から。


「これくらいで済んだことをありがたく思うんだな。俺はお前を絶対に許さないからな」


 別に許したわけじゃない。絶対にこのことは忘れない。


「そうですね.....もう、どんなことをしても義理兄あには戻ってこないのですから.....」


 その言葉を聞いて、頑張って研究すればもしかしたら死人を生き返らせることができるかもしれない。そう思ったが、それで生き返った人は、どんなことを思うだろう。


 一度失った肉体を取り戻し、歓喜するかもしれない。しかし、それと同じくらい困惑するのではないだろうか?本来生きていてはいけない、そんな自分がいることに、生きていることに.....まあ、そんな事はさて置き、すべての条件はそろった。


 もとの世界の仕組みに、全員に等しく終わりが訪れる世界に戻るための条件が。


「今回のことは、言及はしない。だから、できるだけ速く、対抗薬を打ち上げられるようにしてくれ.....」

「分かった」


 目を押さえながらそう答えた。よほど痛かったんだろうな.....そんなことを思いながら、この場を去った。響と共に。


「ところで、幻都。どうして義理兄あには殺されたのでしょうか?」

「恐らく、対抗薬の販売に反対したんだろうな。殺された人達は.....」

感想やアドバイスを頂けると幸いです。

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