第36話 電話の内容
今回は少し短いです。(。-人-。) ゴメンネ
~
「月影幻都だな?」
「あぁ、そうだが.....何か用か?」
少し怒りを込めてそう問う。しかし、帰ってきたのは何の感情もこもっていない冷え切った声だった。
「お前は、対抗薬が一人100万円で売っていることを知ってるか?」
「知っている。それで、あれはどういうことだ?俺は許可を出したつもりはないし、聞いた覚えもないんだが?」
「それはそうだろう。お前に言えば、止められる。そんな事わかりきっているからな」
「あれを作ったのは俺だ!!そして、今の状況を作り出したのも.....だから、俺にはもとの体に戻す義務がある」
俺は、必ず戻す。いや、戻さなければいけない。
「そうか.....義務か.....」
「少なくとも俺はそう思っている」
「全く実に馬鹿らしい」
「っ!?」
「どうして、他人のことなど心配する。所詮他人だ。どこでどうなろうが関係ない。その程度の存在だ。そうだろう?」
「お前は他人.....国民がどうなろうと関係ないというのか?」
今度は怒りを隠さず問う。しかし、やはり帰ってくるのは冷え切った声だった。
「関係ないな。国民がどうなろうと。私には.....」
「それが、国民の上に立つ者の発言か!!」
「国民の上に立つ者だからこそできる発言だ」
(あれ?私は蚊帳の外?というか、全部聞こえているのですよね.....幻都が試しに固定電話にスピーカー機能をつけていたので)
「それでだ、今の状況を、対抗薬を売っている状況を変えたいと思うか?」
突然話が変わった。その変わりようと、聞かれた内容によってか少し気が緩んでしまった。
「.....?当たり前だろう?」
「そこでだ。私たちに協力してくれないか?」
「協力?どんなことだ?」
「それは.....資源を増やすことだ」
やっぱりか.....
「やはり、資源が足りなくてできなかったのか?」
「お前は、こうでもしないと資源が足りないということを信じてもらえないかと思ってな」
さっきまでとは違い、冷たい声では無くなっていた。決して、温かいとは言えないが.....
「そんな事のために.....わかりました。では、対抗薬の販売は中止に.....」
「残念だが、ぞれはできない。もう、多くの人々が買い、使った。そして、死んでいる人もいている。」
冷たい声、再び.....え?
「死んでいる.....」
「そんな中、その場に居合わせず、また金を持っていなかったものは、販売が中止されたらどうするだろうか」
突然の問いに戸惑いながらも思ったことを答えた。
「その中止を取り消させようとする」
そう、答え。そして、気づいた。
「はっ!?そういうことか.....」
わからなかった人のために説明しよう。今の世の中では普通に仕事をしていれば金などは有り余っているのだ。そして、以前言った気がするが皆生きる意味、理由を失い、死にたい。
今すぐでは無くても死にたいなど終わりのある人生を大半の人が望んでいる。つまり.....そういうことだ。
「わかったか.....販売をいち早く中止にしたいなら早く作るんだな」
(それが人にものを頼む態度ですかね.....これだから上の人は苦手なのですよね.....)
「あぁ、そうするよ」
(偉そうにされても怒ったりしない。それが社会をうまく渡っていくコツなのかもしれませんね。まあ、私には難しそうですが.....)
「では、待っているよ」
「あっ、待ってくれ」
「なんだ?」
「もし、対抗薬が撒かれたときすでに取り込んでいる人がどうなるか調べておいてもらえないだろうか」
「.....わかった。引き受けよう。それでは」
~
そこで、電話が切れた。
「幻都。本当にそんなことできるのですか?」
「そんなこと?」
そんなこと.....そんなこと.....
「どんなこと?」
「.....資源を増やすことですよ。」
「あ~、うん。そのことね。もちろんわかっていなかったよ」
「ですよね~」
資源を増やすなんてまあ、無謀だろう。普通に考えれば.....だが、それを(以下略)
「ん?どうしてそのことを.....」
固定電話だったし周りにあまり聞こえないはずなんだけどな.....
「俺、そんなこと言っていたか?」
「いや、幻都は言っていないですが.....」
「じゃあ、どうしてそのことを知っているんだよ。まさか固定電話を何か改造してた?」
よーく考えよう.....何かした気がする。
「.....してましたね。スピーカー機能をつけていましたよ。あの実験は成功ですね。よく聞こえました。需要は無いですが.....」
酷いこと言うなよ.....確かに需要は無いけど。
「そういえば試していなかったけ」
「そうですね。電話なんて基本的に携帯電話ですし、そもそも電話なんてあんまりかかってこないですからね」
それは、俺に知り合いが少ないと言っているのかな?自慢じゃないが知り合いは多いぞ。一回あっただけの.....
「話が脱線してしまいましたね。それで、できるのですか?」
「やってみるしかないだろう」
響も丸くなってきたな.....元に戻ってきたという方が正しいかもしれないが。
「幻都。こんなことを言うのは悪いとは思っています。ですが、本当に資源が足りないのですか?」
「あぁ、そういっていたぞ。」
「確認はしたのですか?」
「していないが。どうして、そんな確認をするんだ?」
「矛盾があるのですよ。先ほどの電話で言っていたことと。確かに今は資源が足りず、新たな建物の建設は行われていません。それは知っていますよね」
確認のように問うてくる。偉そうな。
「最近そうなっていることはぐらい知っている。資源の消費は最小限に、と」
「その通りです。しかし、修復は行われているのですよ。しかし、最近になってから急に減っています」
「つまり.....」
ごくり、と息をのむ。
「私は、資源が枯渇してきていることをアピールしているだけにしか見えないのですよ。対抗薬の販売も」
「流石にそれは考え過ぎじゃないか」
「考え過ぎだったらいいのですがね.....」
「まあ、つべこべ言っていても何も変わらない」
そう思い。俺はただ一心に研究に取り組んだ。珍しく.....
感想やアドバイスを頂けると幸いです。




