第35話 開発しても.....
pvを気にし始めたら負けだと思う。まあ、すごく気にしているけれど.....
「テントを作ろう!!」
「テントですか?」
何言ってるんだこいつみたいな言い方はやめて欲しい.....
「そうです。テントです.....え?何故かって?」
「いや、聞いていないですけど」
そこは聞き流してもらいたかった。
「.....あれは、とある夜のこと.....」
「続けるのですね.....」
怒っては来なかった。少しは心が広くなってきたか、それとも呆れられただけか、もしかするとデレたか.....
「俺は道端のベンチで現実逃避をしていた。そして気付くと周りは暗くなっていた。その時金もなかったので泊まる場所がなかった。そんな時に在れば便利だなと思ったからだ」
「道端で何しているのですか」
現実逃避って言ったじゃないか。さては話を聞いていなかったな。
「あと、テントなんて沢山売っていますよね。需要無くないですか?」
「普通のテントはいつも持ち運ぶのは大変じゃないか。だからいつも持ち歩けていざという時にいつでも使えるようにしたいんだよ。」
あれ?割と真剣に聞いてくれている?
「いざという時なんて中々無いと思います。そしてそんなあるかないかわからないものにお金を使う人なんて中々いないと思いますけどね。どうせ幻都のことです。理想を求めすぎて制作費用がすごいことになるに違いありません」
「いや、そんなことは.....」
「無いと言い切れますか?」
そういわれ今まで開発してきたものを思い出す。不老不死のウイルス。これはすごい費用が掛かったがしょうがないことである。
だって不老不死にするのにはいろいろな過程、道具、物質が欲しかったのだから。不老不死のウイルスの対抗薬。これも同じようにしょうがない。最後は植糧。
というか俺ってあんまり開発していないな.....これは.....確かに味をつけおいしくするために無駄な過程を増やし、費用を上げた。だが.....
「それのどこがいけないんだ?研究者が理想を求めないようになったら、そいつは研究者として死んでいると思う。だって、理想を求めるのが研究者の仕事なのだから!!」
「何格好つけているのですか?恥ずかしくないのですか?そんなこと言って」
恥ずかしい。途中から自分でも何を言っているのか分からなくなって.....そして、言い終わった後死にたくなった。
「まあ、軽く試すだけだから。もう構造は考えてある」
その言葉を聞いたとき恐らく響は気づいた。いや、気づかされただろう。やる気のある時の俺は止められないと。そしてこんなことばかりしていたため研究所に金がなかったことに.....
「そうですか.....では、いくら掛かりますか?」
いくら掛かるか.....
「そんなのわかるわけないじゃねえか!!」
「詳しくなくてもいいのですよ。大体で」
「大体.....1000万以上は掛かるかな?」
そう言うと響は呆れた感じで
「はい。駄目ですね。そんな需要の無いものにそんなにお金を掛けられません」
それはその通りだな。しかし、試さずにはいられない。
「半分、500万だったらどうだ?」
「どうだって言われましても.....駄目ですよ。やるなら自腹でやってください」
「自腹.....俺が金を持ってないことを知っていて言っているだろ!!」
本当に悪いやつだ。
「まあ、別の研究することを決めておいてくださいね」
別のことか.....四次元空間の実現とかかな?それだったら領土問題も解決できるし、響も許してくれると思う。実現はかなり難しいと思うが。しかし、無理難題に立ち向かうのが楽しかったりするのだ。そして、実現した時より一層達成感が得られる。
~次の日~
「響、研究すること決めたぞ」
「何ですか?言ってみてください」
「四次元空間を作る」
「.....」
響は少しの間固まり、
「頑張ってください」
そんな一言を俺にかけ、個室に引きこもった。最近ずっとそんな感じであった。そして、俺には決してのぞかせてくれない。
まあ、興味は少ししかない。
そんなことはさて置き、どうやって作ればいいのだろう。それがわかったら研究しない。そんなことは分かっているのだが.....あったらいいなと思ってしまう。
~そして数か月後~
研究をしていた時先輩からメールが届いた。
~
「幻都、ごめんな」
~
そんな短いたった一言のメールだった。先輩が今更今までの仕打ちを謝るとは思えない。だから、その意味は全く分からなかった。きっとなにかある。そう思い、聞き返したがメールが返ってくることは無かった。
「まあ、気にしないでおこう。どうせ先輩のことだ、俺をからかっているだけだろう」
そう、自分に言い聞かせた。そうでもしないと気になって研究が全く進まなかったから。
~そして、また数か月後~
研究の合間に休憩としてテレビを見ていた時だった。
「.....はぁ!?」
「幻都、うるさいですよ!!静かにしてください」
いつもなら、すぐに謝っていただろう。しかし、今回は事情がある。
「響、ちょっとこっちに来てくれ」
「今、忙しいのですよ」
「そうかそうか。じゃあ、来てくれ」
「わかりました.....ってなると思いますか?」
めんどくさいな.....
「思っていないから早く来てくれ」
そう言うと、向こうの部屋から大きなため息が聞こえ、響が出てきた。
「わかりましたよ。っで何ですか?」
「これを見てほしいんだ。」
そこで響もさっきの俺と同じ反応をする。
「.....はぃ?」
何故驚いているかというと.....俺が開発した対抗薬が一人100万で買うことができる。つまり、対抗薬で政府が商売しているというニュースをやっていたからである。もちろん俺はそんなことをするというのを聞いていないし、もし言われたとしても許可は絶対に出さないが.....
「幻都、あなたそこまでしてお金が欲しかったのですか?」
「いやいや、そんなことないし。そもそも俺は許可を出していないし」
あー、そんな事をしたのならその稼ぎの半分程度分けてほしい、そう思ったが言わなかった。というか、言えなかった。それを言ってしまうと恐ろしいことが待っていそうだったから。
「そうですよね.....しかし、どうしてそんなことを.....初めにウイルスを拡散したときみたいにすればいいのではないですか.....」
その通り!!なのだが、ロケットを打ち上げるのには膨大な時間と資源が必要なのだ。今の人々には時間は無限にある。しかし、資源は有限であり、今の地球にはロケットを作れるほどの資源は残っていない.....のかもしれない。もしそうだとしても.....
「どうして俺に何の相談もなく.....」
「相談してもどうにもならないと思ったからですかね?」
「俺だって、良い案ぐらい.....」
「それは、自意識過剰であって、あまり信用されていなのでは?」
「そんな事.....無いと思う」
ないよね.....大丈夫だよね?
「もしくは、幻都がこのことについて反対するとわかっていたからではないですか?そして、こうでもしないと幻都が決して協力しないことを依頼しようとしている。私はそうだはないかと思います」
「.....?」
俺が大量のクエスチョンマークを浮かべていると、電話がかかってきた。
「どこからの電話ですか?」
「.....政府だ.....」
感想やアドバイスを頂けると幸いです。




