第34話 たった一つの問題
最近ユニークpv100人突破しました。ありがとうございます。これからもよろしくお願いします。
「それは.....この食糧が出ることで沢山の人が職を失ってしまうということだ」
「ナ、ナンダッテー(棒)」
なんだよ。そんなことかよ。心配して損したな.....
「どうしてそんなに適当なんだ?そんなことが起きれば、その人とその家族が路頭に迷うことになるんだぞ。わかっているのか?」
「わかっていますよ。そんなこと」
「わかっているなら何故?まさか、自分とは関係ないからどうでもいいとか思っていないよな?」
先輩にそんな考えがまだ残っていたのか.....驚いたな.....けどな.....
「俺がそんな風に考えるようなやつだと思われていたことがショックですよ」
「え?そんなやつじゃないの?」
俺ってそんな風に思われていたの?
「え?」
「いや、違うと思っていたよ?.....知らんけど.....」
疑問形だったし。しかも、知らんのかい!!
「違いますよ。俺は.....いや、知らないですけど」
「いや、知らないのかよ。まあ、そろそろ真面目にしてもらってもいいか?」
「あ、いいですよ」
さあ、そろそろ普通に答えよう。
「沢山の人が職を失ってしまうことについてですが、俺はそんなことは無いと思いますよ」
「どうしてそう思う?」
「職を失う人というのは、食糧に関する仕事をしている人ですよね?」
確認のために問う。
「そうだ」
「だって、そもそも、食糧に関する仕事をしている人なんてほとんどいないですから」
この世界についてもう一度確認しよう。今では、人はものを食べなくても死ぬことはない。しかし、もちろん食べることは出
来る。
だから、少しではあるが、レストランがある。まあ、毎日ではないがあるのだ。そして、割と人気だったりする。もちろん、今も食べなくていいのだから、潰れることは無いと思う。
「.....それも、そうだな。確かによく考えればそうだったな」
「まあ、もし潰れたとしても植糧を量産する施設で雇えばいいだけですからね。職を持てる人は増えると思いますよ。」
まあ、どうなるかは実際に起こらなければわからないが.....
「じゃあ、もう帰ってもらって.....」
そうするかな.....いや、
「待ってください。あの、報酬から移動代ひいといてもらえないですかね?もう、金に困ることは無いと思うので.....」
流石にあんなに報酬が出るんだ、少しくらい使っても怒られたりはしないだろう。
「義理妹が許可するか?」
ちょっと何を言っているのか分からないな.....響に研究所の金を使うなとか言われたことなんて覚えていない。
「え?流石に許してくれるでしょう」
誤魔化して先輩に響に聞くなんて行動をさせないようにしなくては。そうしなけれないけないと思った。何故なら、あの響のことだ絶対に許可が出ることは無いだろう。そう確信していたからだった。
「わからないな.....よし、一回聞いてみるよ」
「ちょっと待ってください。響には電話しないでください。お願いします」
そう言いながら俺は土下座をした。媚びるときは、プライドと恥は捨てきって。これが鉄則である。すると、先輩は一瞬止まったが.....
「お前.....どうせ許可を取らずに金を使って帰っても、後で義理妹にボコられるだけだぞ?許可をくれるとは思わないが.....」
あれ、確かにこれで帰っても帰ったらで地獄が待っているかもしれない。けど.....歩いて帰るのは流石に.....
「先輩。やっぱり自分で聞いてみます」
すると先輩は驚いた顔で、
「おっ、そうしろ。絶対そうした方がいいと思う」
覚悟を決めて、響に電話を掛ける。
~
「もしもし、幻都です」
『ただいま電話に出ることができません。 ピーという発信音のあとにお名前とご用件をお話しください。この続きのガイダンスはありません。
ピー 』
(プチ)
~
「どうして、電話に出なかったのだろう。響は今帰っている途中のはずなんだけど.....まさか.....飛行機で帰っているのか.....なんて贅沢な.....」
さあ、どうするかな。そうだ、メールをするだけして金を使って帰ろう。そして、送った内容がこれである。
~
「響、研究の報酬で5億手に入ったから、これを使って帰ってもいいですか?」
「返事がないということはOKということでいいですか?」
「いいですよね?」
~
「よし、先輩。帰るための費用ください。報酬から引いて」
「わかったよ。取り合えず3万あればいいか?」
「はい。大丈夫です。すみません」
そうして俺は歩かずに帰れることが決まったのであった。
準備が着々と進んでもう帰ろうというときに、スマホが鳴った。
~
「よいわけがないでしょう?歩いて帰ってきてください」
急いで返信を打つ。
「え?研究所の金を使ったらいけないのって研究所の資金が少なかったからだろう?だったら問題ないはず.....だろ?」
返信はすぐに帰ってきた。
「しょうがないですね.....」
え?まさかいいのか?
「では、飲み物程度だったら買ってもいいですよ。一本だけ」
おかしいな。普通そこは金を使って帰ってもいいというところでは?一応確認を.....
「本当ですか?」
再び返事はすぐに帰ってきた。
「ん?冗談ですよ?では、頑張って帰ってきてください」
~
「.....」
その冗談はどっちのでしょうか?頑張って帰ってきてください、とか書いているから多分飲み物を買っていいというのが冗談何だろうな.....
「幻都.....ドンマイ」
「先輩.....絶対に思っていないでしょう?」
顔がニヤついていて、笑いをこらえられていなかった。
「思ってないよ。だって俺に関係ないからな」
そらそうだ。あと、他人の不幸は蜜の味とも言うしな.....
そうして、俺は結局歩いて戻ることにした。流石に行きはしんどかったが.....帰りもしんどかった。別に慣れたりなんてしていなかった。とまでは言わないが、そんなに変わらなかった。
休む時間はかなり短くなったが、帰るまでにかかった時間は帰りの方がかかった。何故なら.....道がわからず迷ったからである。改めて近代科学の偉大さに気付かされた。そんな帰り道だった。
「今、戻りました」
「帰ったのですね。歩いて帰ってこないと思っていたのですがね.....」
響は残念そうにそう呟いた。歩いて帰ってこなかったらどうなっていたことやら.....よい判断だったぞ。過去の俺!!
「どうして、金を使わせてくれなかったんだ?メールでも書いたが金には余裕ができただろ?」
「備えあれば患いなしです。あと、歩いて帰るのは罰でもありますから。忘れたのですか?」
あ~~、確かにそんなこともあったな.....けどまあ、忘れた忘れた。そんなこと覚えていない。初めに行ったとき植糧を持っていくのを忘れたことなんて.....覚えていない。
「ところで幻都、次は何を研究するのですか?」
「え?ごめん。よく聞こえなかった」
「ところで幻都、次は何を研究するのですか?」
「響.....気が早くないか?」
もう少し、というかもっと休ませてほしい。今帰ってきたところなのに.....東京から歩いて。歩いて。
「気は早くないですよ。助手として仕事をさせることが最大の任務ですから」
「そうですか.....」
都合のいい時だけ助手と.....そういえば構造まで考えたものがあったんだけどな.....思い出した。
「響、次はテントを作るぞ!!」
「はい?」
感想やアドバイスを頂けると幸いです。




