第32話 怒りの先輩
久しぶりの.....
「すいません。わかりません」
心当たりがありすぎて.....
「心当たりはあるだろ?」
「はい。ありますよ」
あるんだよ。たくさん。
「じゃあ、わかるだろう?」
「いや、わかりません。多すぎて.....」
「そうか、そうか。なら、それ全てだ。誰も一つとは言っていないだろう」
「何ですって!!一つじゃない.....」
全てといっても三つぐらいだろう。心当たりは五つぐらいあるが.....
「では、いくつですか?」
「五つだ」
「本当ですか.....」
まさか、本当に全てだと.....それは予想外だ.....
「よし、覚悟ができているか?できているよな?」
そんなの決まっているだろ.....そう!!だから、俺は胸を張って答えよう.....
「そんなのできているわけがないでしょう!!」
っと。まあ、当たり前だよなぁ。そんなのできている人がいたら尊敬するよ、本当に。
「なるほど。そうか.....できていないのか.....」
待ってくれるのか。響と違って優しいな.....あれ?おかしいな。先輩が待ってくれるはずは.....
「何驚いてるんだよ。まさか、待ってくれるとでも思ってのか?俺が待つわけがないだろう?」
「ですよね~~~」
分かってたとも。えぇ、わかっていましたとも。やっぱり兄妹だからな。まあ、血は繋がっていないんだけど。
「まあ、そこまで俺も鬼じゃない。お前にチャンスをやろう。特別に」
ここに来てから少し丸くなったのかな?それとも、俺がドMじゃないとわかってくれたからかな?もし、そうだとしたら、響にも説明しよう。
「チャンスですか.....」
「そう、チャンスだ」
あぁ、どんな無理難題を押し付けられるのかな?
「ちょっと、例の対抗薬を取り込んで、一回死んでみてくれ。」
「.....っは?」
え!?何この人?怖いんですけど。一回死んでみてくれって。絶対その対抗薬の効果わかっていないだろう。
「いや~、そうでもしないと試せないじゃないか」
何言っているんだ?この人は。
「いや、ちょっと切り傷をつけたらいいだけではないですか」
ちょっと考えたらわかることだろう。
「あっ、その手があったか」
何があっ、だ。どれだけ人を殺したいのですかね。もしくは、管理職などをしていて研究から離れ過ぎていたか。
「やっぱり、久しぶりにやると頭が回らないな」
そうなのか。あれ?けど、他にも研究者はいるはずだよな。そもそも.....
「ここって、何の施設なのですか?」
「えっ!?政府の施設だけど」
「そういうことではなく.....何をしている施設なのですか?」
圧倒的語彙力の無さ。やっぱり語彙力は勉強してもある程度だけだったら、変わらないな。
「あ~、そういうことね。えっと.....」
今ので、伝わったんだ。すげ~(小並感)!!
「様々な機関が集まっている政府の総合機関だ。多分そんな感じだったと思う」
なるほど、総合機関か。だからこんなに大きかったのか。今まで無駄に大きいなとか思っていたけど、無駄ではなかったのだな。
「では、先輩はここで何を?」
「科学分野の研究を集め、整理する役だ。今はお前だけだからすごく楽だよ。研究スピード遅いし。さぼるから」
完全に税金泥棒じゃないか!!あと
「俺がさぼるわけないじゃないですか」
「えっ!?さぼらないわけがない。の間違いだろう?」
そうとも言う。というかそうとしか言わない。
「確かにそうかもしれないですね」
よし、このまま話を引っ張ってそして、終わらせよう。
「まあ、チャンスはお前の意見のおかげでなくなったからしっかり罰を受けてもらうぞ」
「マジですか.....」
全然話を引っ張れなかった。そして、罰を受けるのが確定してしまった。
「マジだ。というわけで一つ目、電話したのに出なかった。これについては?」
あぁ、それね。それは、心当たりなかったわ。
「スマホの充電が切れていました」
「何で充電していなかったんだ?しっかりしておけよ」
「いや、誰かのせいでここまで来るのに歩かされたので充電できませんでした」
「それは、そんなことをさせられるお前が悪い」
理不尽.....じゃないのか?確かにその通りかもしれない。
「というわけで、はい関節技をプレゼント」
すっごく.....
「いらないです」
そういってもどんどん迫ってくる。
「そんなこと言うなよ。お前に拒否権は無いんだから」
そうですか。なら甘んじて受けましょう。骨折してもすぐ治るし。あれ、この考え方ってかなりもう終わってるんじゃ.....まあ、いいか。
「痛い。痛いです」
これは違うだろう。
「それはそうだろう。関節技はそういうやつだからな」
「そうじゃないです。これは関節技とは言わないです。ただ、これは腕を本来曲がってはいけない方向に曲げているだけです。」
それはただ骨を折ろうとしているだけだろう。あれ、やめてくれない?
「そうか。これは違うのか。知らなかったな。まあ、いいだろ。骨は折れても治るし。別に関節技を決めたかったわけでもないし。お前が苦しめばそれでいい。これは罰だからな」
骨が折れても治る点については同感だが、関節技がわからないならしようとするなよ.....あと、これ一つずつやるの?しんどいんだけど。
「さあ、二つ目だ。時間はたくさんあるんだ。たくさん楽しもうぜ!!」
あれ、俺がドMだという疑惑は晴れたのでは?別にいいけども。
「次は何ですか?」
「まあ、そう焦るなって」
いや、別に焦っていないですけど。ちょっと、早く終わりたいなと思っているだけです。
「では、改めて二つ目、夕方には戻って来いって言ったよな?」
あ~、そのことね。
「その件については深く反省しています。道に迷っていました」
「そうか。じゃあ、次は腕を切り落とすか」
何だ。腕を切り落とすだけか。楽勝だな。何で切られるんだろうな。そして、先輩が持ってきたのは錆びた包丁だった。
「その包丁錆びていますよ」
「そんなことわかってるよ」
これは楽だな、どれだけ俺が響に切られたと思っているんだ。今更包丁なんて。あれ、包丁って骨まで切れたっけ?
「あっ、骨は斧でやるから。錆びた」
斧か.....
「あれ、いつもより痛い.....だと」
「ん?いつもは何で切られているんだ?」
「チェーンソーです」
響のやばさが.....
「やっぱり、響はまだ優しいな」
「え!?」
はっ!?響が優しい?何を言っているんだ.....
「普通に考えてみろ。チェーンソーはよく切れるだろう」
そうですね。すごく痛いです。
「けど、包丁や斧は中々切れないだろう。錆びているのならなおさら」
そうですね。これはこれで痛いです。というかこちらの方が痛いです。
「中々切れなかったらいつの間に治っているだろう。だから永遠に続くわけだ。」
なるほど。つまり、永遠に終わらないのか。
「まあ、流石に永遠には続けないけど。俺が疲れるから。だから、俺が疲れたら終わりだ」
そうして、何十分経っただろうか。
「疲れた.....」
まあ、先輩は体力がなかった。響だったら一日ぐらい余裕そうだったけどな。
「いや、響は全然優しくないですよ。だって、俺一日中チェーンソーで切られていたことがありましたから」
いや、あれは本当に痛かった。
「響は本当に鬼ですよ」
やばいつい本音が.....
「幻都.....いい度胸ですね」
「.....え?」
どうして響がここに.....あと、まだ二つ目だぞ。終わる気がしない.....
感想やアドバイスを頂けると幸いです。




