第16話 べっ、別に忘れていたわけじゃないんだからね。
「やっと、特許が取れたよ。やったね!!」
なんと、特許を取るまでに署名などのひじょーーにめんどく.....大変な作業があった。何度も、何度も.....
「そうですか。それはよかったですね。おめでとうございます(棒)」
「絶対思ってないじゃん。これからの研究室がかかってるかもしれないんだぞ?あと、本来こんなのは助手がやるものだと思うのだが?」
すると、響は冷静(?)はこう返した。
「特許を取るのは助手というのは、誰が決めたのですか?そんな決まり無いですよね?もし、あったとしてももっと偉くなってから言ってください」
反論したいが、特にするところがない。流石文系!!略してさす文!!暴論な気がしないことがないが.....と言うか.....
「いや、十分偉いと思うよ?俺.....」
あったわ。反論するところ。
「えっ!?そんなこと自分で思っているのですか?何この子、い、痛い!!」
「.....痛くないって!!客観的に見ても偉いから。たぶん.....」
実績があり、十分に偉いといえるだろう。実績をまとめると。
・死ななくなるウイルスの開発の助手
・繁殖力が上げられた普通より大きいゴキブリの開発
・植物の葉緑体を使った食糧、略して植糧の開発
こんなところである。けど、なんだか自信がなくなってきた。
「何を調子に乗っているのですか?まだ、上はいると思いますよ」
どうやら絶対に認めたくないようだ。
「そんなにやりたくないのか?」
「はい!!」
「即答かよ!!本当に何で助手なんてやってんの?絶対向いてないよ?」
あれ?前もこんな話をした気が.....
「だって.....」
「だって?」
「普通に働くより給料がいいですしね!!」
正直でよろしい。世の中金だよな。
「まあ、否定はしないが.....何かほしいものとかでもあるのか?」
「そうですね.....自由ですかね.....」
「えっ!?なんて言った?」
「いえ、何でもありません」
「そうか。気のせいだったか」
今回は本当に聞こえていないようだった。
(プルルル~~~♪)
「電話だ。なんだろ?.....政府のお偉いさんからだ。はいもしもし 、月影です。はい。はい。少し探してみます。はい。後日かけ直します。すいません、よろしくお願いします」
電話を切ると何かを探し始めた。
「幻都、何を探しているのですか?」
「.....対抗薬」
俺は青ざめた顔でそう答る。
「まさか、対抗薬のデータを消してしまっていたのですか?」
「いや、消してない.....だって、作ってないもの。ははっ」
そうだ。よく考えれば作ってないじゃないか。
「いや、全く笑えないですよ。」
事態は深刻だった。一度作っていたのなら、少し思い出せば作ることができるが、一から作るのは膨大な時間と苦労がかかるからだ。
「国のお偉いさん。しっかりしてよ.....」
責任転換をすることにした。
感想やアドバイスを頂けると幸いです。