第15話 解せぬ.....
あれから幻都の体には変わった変化はなかった。
「やっぱり体の復活に関係してるのか?試してみるか.....」
そして、幻都は包丁で手の指を切り落とした。すると、指が生えてきた。(痛みには慣れてしまったが、復活するのには一向に慣れない。)しかし、それだけだった。もう一度行ったが何も起きなかった。
「やっぱり、もっと切らないとダメかな。チェーンソーで試すか.....は~」
そして、俺はチェーンソーで自分の腕を切り落とした。するとやっぱり、腕が生えてきた。しかしやっぱり、何も起きなかった。もう一度行ったがやっぱり何も起こらなかった。
そんな俺を見守る一つの影が.....
「幻都.....そっちに目覚めてしまったのですね.....」
「えっ!?響さん?別にそっちに目覚めた訳じゃないからな。この前の頭痛の原因を調べていただけだから。理由を知りたいだけだから!!もし、目覚めてたのだとしてもおまえのせいだからな!!」
「最後にそんなこと言っているのでやっぱり.....ごめんなさい.....後悔はしていませんが、反省もしていません。そんなに切られたいのでしたら、切ってあげますよ♪何度でも」
やっぱり、響さんはサイコパスだったようだ。
「いや、本当に違うのでやめていただきたいです。」
「そうだったのですか.....」
「何で残念そうにしてるんだよ.....怖いよ!!」
「それで、理由はわかったのですか?」
こいつ!!話を変えやがった!!
「見てたならわかるよね?わからなかったんだよ!!響はどうしてだと思う?」
「どうして私にそれがわかると思ったのですか?わからないですよ!!」
そうだった。響は文系だったな.....わからないか.....仕方がないね!!
「ごめんね」
「許してあげますよ。ところで、どうして自分で試していたのですか?」
どうして上から目線.....
「どうして自分で試していたか?そんなことは、決まっているじゃないか。
まず、試す人がいないだろう。あと、いたとしても頼むためのお金がない。また、お金があったとしても自分でできるのにお金がもったいないじゃん!!」
「.....貧乏症.....」
「えっ!?なんて言った?」
「いえ、何も言って無いです。」
実は聞こえていたがあえて言わなかった。だって、それを言うと認めるみたいになるから.....相手は、響だから.....押し切られて負ける。
結局、何の成果も得ることなく、ただ痛いだけという実験は幕を閉じたのであった。
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