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魔女の神様

作者: Irene


「あれ?」


それはある日の昼下がりの事、

薬草採取の途中に衰弱した子供が倒れているのを見つけた私(職業:魔女)。


「このままほっといてもいいけど………」


とりあえず家に運んでから決めるか………

ここで死なれたら貴重な薬草がけがれるし。


「うわ、かっる?!」


小柄な私でも片手で俵担ぎできるってどうよ?

うーん………家に帰ったらとりあえず栄養たっぷりのスープ作って………

徐々に胃がもどるように栄養つけて………

ああ!リハビリ運動もさせなきゃ!

でも運動はあんまりわかんないんだよなあ………

そうだ!森の奥にある狼獣人達に鍛えてもらおう!

昔(300年くらい前)に人間と交流があったって言ってたし、加減しながら教えてくれるよね。

まあ、でもとりあえずは体力戻ってからでいいか。

魔法の素質があったら弟子にするのもいいかも知れない………

だめだったらにもつもちでもいいよね。

この前の魔女集会で皆、弟子なり世話係なり持ってたんだよねえ。

なんだかんだで幸せそうだったし………

うん、そうしよう!私も最近寂し…じゃなくて一人でつまんな…でもなくって!

そう!一人前の魔女なんだし?今時一人ぼっちとか時代遅れだし?

うん、同居人ができてもいいよね!


と、いうわけで………将来の荷物持ちゲットだぜ!


「さて、と。家にとうちゃーっく!『ギリサ  スピーティ!』」


ブオン………カチャリ。


「やー鍵がいらないっていいね!手が塞がっててもドアが開けられる!

あ、後でこの子の声も認識させなきゃ………」


ぐうううきゅるるるるる~


「ふは!お腹すいてるんだね~待っててー今から何か作るからね~」


さーってと!腹ペコさんにはなんのスープにしようかな?

薬草茶を作るのは絶対として………

あ、この間シルフにもらったバシリックポルトーがあったな、それを入れてだそうっと。

えーっとあ、昨日コカトリス狩ったんだっけ?

バジリスクの卵もあるし………

よし!コカトリスの卵スープにしよーっと!


「それでは魔女ちゃんのクッキング~!


まずは捌いたコカトリスから胸肉とってー

そんで鍋で茹でる!

あ、っと塩コショウも忘れずに入れてっと………

茹で上がったら一旦お肉を出して~

お肉のないゆで汁にジャポニア米を一合足らず入れて、っと。

米が柔らかくなったらお水をゆで汁がぬるくなる程度に入れる。


最初の頃お水入れすぎたりして失敗してたんだよね~懐かしいなあ………(遠い目)


さてと、これが終わったら一旦火を消して置いておいて、

バジリスクの卵2個をボウル(耐熱用)で泡立て器で泡立てる。


この時は魔術じゃなくて自分でやらなきゃ飛び散るのよね~

………あの惨状は二度と嫌だ………


泡がいっぱい出たらレモン汁を150ccくらい入れる!

うーんでも子供だからなあ………

酸っぱすぎるのもダメだよねえ?

とりあえず100cc位にするか、それなら卵臭くもないし!

そしてまたかき混ぜる!


腕が痛いけどしょうがない!!全ては美味しいご飯(後きれいなキッチン)のため!!

さて、ここからは魔術も使う!


卵とレモン汁を入れたこのボウルにちょっとずつ最初の湯で汁を入れながら泡立て器で泡立てる。


いっくよーん、『エアロ』! 


全部じゃなくてある程度っと………お鍋半分くらいでいいか。

この時茹で汁熱いと卵が固まっちゃうんだよね~

で、分解して目も当てられない状態に………

ワタシハナニモオモイダシテナイ、ウン

これくらいでいいかな?

うん、ちょうどお鍋の半分位がボウルに入ったね。

で、今度は逆の作業!

ボウルの中身をまたちょっとずつお鍋の中に入れる、この時はお鍋の方を泡立て器で混ぜる。


と、いうわけでまたまた『エアロ』!


ふふふ~この一手間でよりクリーミーなスープになるのだよ!

そして入れきったらひと煮立ちして~


食べる前にコカトリスを一口大にしたのを入れてでっきあっがり~!!


どうだ坊や!!いい匂いでしょ~!!」


「?!」


「作り始めた頃から意識戻ってたよね~?

で、なーんか警戒してたから説明しつつ作ったよ~?

おかしなもの入れてないってわかるでしょ~?」


「コカトリスとかバジリスクとかは普通の食材と言えるのか?」


「普通だよ?」


「………」


「さあ、坊やおたべ~」


「坊やとは我のことか?」


「ほかに誰かいる?」


「我は坊やでは………」


「だってエルフだとしてもその外見は私より下でしょ?600はいってないよその外見、人間だったら10歳くらい?」


「………」


「ほーら、考え込んでないで食べな~お腹空いてるのはわかってるんだから!後食べれそうならお肉もおたべ~」


「………馳走になる。」


「で、君行くとこある?ないなら家に住む気ない?ちょうど弟子兼荷物持ちが欲しかったの。」


「弟子?」


「うん、そう。私魔女だから。」


「しばらく我の仕事はぜずとも大丈夫だ、むしろ働きすぎだと言われたところだ。なので世話になる。」


「へーおうちの仕事手伝ってたんだーでも働きすぎって………」


「400年くらい仕事に没頭してたら寝食をわすれていただけだ、気にするな」


「それダメだから?!よく死ななかったよね?!」


「流石にしばらく机から動いてないと気づいてな、散歩をしようとここに来たら目の前が真っ暗になった。

そして気が付いたらそなたの気配がしたのだ。」


「とりあえず君は自己管理を覚えようか。」


「?うむ、わかったそなたの言うとうりにする。」


「まずは私のことを師匠と呼ぶこと!」


「………魔女殿ではダメか?」


「う………」


何その子犬みたいな目?!いや、こういうのは最初が肝心!ここはびしっと師弟関係を………


「………」


「だ………ダメじゃない………」


負けた………orz


「では魔女殿これからもよろしくお願いする!!」


「おーとりあえずいっぱいご飯食べて体鍛えてね~」


「あい分かった!」


まあ、いっか~

仕事はしばらく抜けても大丈夫って言ってたし………

長寿種族っぽいし、しばらく退屈しないで済みそうだ………


「魔女殿!このスープは美味だな!!」


「あ〜ほらほっぺについてる………慌てないでもまだあるから………」


「うむ!!」


うん、家に帰るその時まで宜しくね?坊や。




~数百年後~




「なああんて!ぼのぼの思ってた私を殴りたい!!」


「どうした魔女殿?」


「あんたのことよ!!エルフとかそんなんだと思ったら神ってどういうことよおおお?!」


「我は一度もエルフだと言ってはいなかったが?」


「うん、そうだね?!でも一応言って欲しかったな?!流石に創造主相手に生意気な口聴きたくなかったよ?!」


そう、坊やはこの世界の創造主だったっていう………

それを知った時の私の驚きを誰か察して!!!

しかもそれに気づいて敬語使って喋ろうとしたら………

すっっごく悲しそうな顔でこっち見るんだもの!

それまでどうりに話すしかないじゃない!

今では仕事するとき以外我が家に入り浸ってるし………


「そうは言っても我は他に比べてまだ新米でな。そこまでは偉くはない。」


「神々の世界ではそうでしょうよ!!でもこっちでは坊やがトップなの自覚して?!」


「それでも我は魔女殿の弟子だ。それは変えぬ。

で、今日は何を作ってくれるのだ?」


「ああ、もう!今日は初めて会った時にも作ったコカトリスのスープよ!とっととテーブルのセットして頂戴!」


「了解した。」


とまあそんな感じで………

今日も私の神様は私の家にいるのであった。



「相変わらず美味である。」


「だからほっぺたに付けるのやめなさいってば………」

#魔女集会で会いましょう

と、いうツイッターのタグにちょろっと書いたものを短編にしました!


感想よろしくお願いします(ぺこり)

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