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焼きそば

休日だ…、

それも土曜日だ…、

今日が終わっても明日も休みというのはとても気分が良い…、

普段ならな…、

「カケル〜!」

今はコイツに付き合わなきゃならないから休日は嫌いだが…、



ミロはこの家に慣れれば慣れるほど過激なイタズラをするようになった、

一番酷かったのは家の中に大量の虫を連れてきた事件だ…、

母さんはぶっ倒れるし、親父はさすがに驚いて逃げ出すしでとにかく大変だったんだよ…、

まあ、その時もコイツが怖がってるおしおきはしなかったんだがな…、


しかしミロは俺より数百年この世に住み着いているキャリアは長いはずなのになぜこんなにも脳ミソがちっちゃいんだ?

なんでこんなアホなイタズラをするんだ!?

本当にたまったもんじゃないぜ…、

これも悪霊に呪われた少年の運命ってやつか…




ところで今日はレンが家にやって来ていた…、

「お前最近よく俺んちに来るな…」

俺は横目でレンに話しかける、

「だってミロに会いたいんだもんっ!」

…つくづくオタクだなコイツ…、

「ねぇミロ、俺のコトお兄ちゃんって呼んでくれないかな?」

馬鹿だコイツ…、

「帰れよお前…」

「…お兄ちゃん…」

「お前はお前でそう呼ぶなっ!」

やってられん…、



俺はふと時計を見た、

1時ちょうどか…、

よく考えたらレンのヤツは朝から俺んちに来てたのかよ…、

まぁ良い…、

「おい二人とも、腹減ったか?」

俺は二人に呼びかける、

というのも一番空腹だったのは俺だったからだ、

「なんかあるのか?」

レンが聞く、

「さあ、親家にいないからな…」

俺は頭を掻いた、

「まぁとりあえず冷蔵庫あさってみるわ…」

俺は部屋を出ようとドアノブに手をかけた、

「俺も行くっ!」

ミロが駆け寄ってきた、

「ダメだ…、冷蔵庫見せるとお前何かとイタズラしようとするからな…」

俺はミロの頭をポンと叩いてやった、

「…だってさぁ…俺が生きてた時代にはあんなモンなかったんだもん…」

ミロは口を尖らせて俺を見た、

「とにかくレンと待ってろ…」

「…む〜」

…この声は反則だ…、

不覚にも可愛いと感じてしまった…、

仕方ないだろ?姿は女の子なんだからさ…、

そこで顔を赤らめニヤニヤしてるレンよりはずっとマシだと思うけどな…、

俺はため息を一つつき、部屋を出た、






俺は台所に立ち、冷蔵庫の中の食材をかき集めた、

あったのは…、

キャベツににんじんに豚肉か…、

どうするかな…、

野菜炒めだけじゃ腹の足しにならないしな…、

…お!

中華麺があるぞ…、

コイツはアレだなアレ、

そう…焼きそばだ!

俺はふふんと鼻唄を歌うとフライパンを手に取った、

「さて…」

俺はフライパンをとりあえずコンロに置き、

野菜と豚肉を切ることにした…、

包丁がキャベツをざく切りにするザクザクという音、にんじんに刃が入る感覚、豚肉の赤み、

すべてが心地良い…、

俺はぱっぱと食材を切り終わりフライパンに油をしき、固いものから順番に食材を入れていった、

ジューッという音が食欲をそそる、

最後にソースをかけた…、この香りが嫌いな人間なんていないだろう…、

俺は素早く焼きそばを完成させた…、






「出来たぞ〜!」

俺は部屋に入ると同時にそう言った、

「お…焼きそばか…お前の大好物だもんな…」

レンが呆れたようにそう言った、

「まぁ良いだろ?」

俺がレンに苦笑を見せたとき、すでにミロは焼きそばにがっついていた、

「こらミロ…いただきますは?」

ミロにまるで母親のようにそう言った、

「あ、ハイハイ、いただきま〜す」

気だるそうにミロは言う、

「まったく…」

レンはそんな俺たちをニコニコと見ていた、

しかしこの時俺は知らなかった、

このレンのニコニコが一気に消え失せることを…、 それもこの10秒後に…、

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