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とある戦記その1  作者: ストローネ
ココロアル機械の犬
4/6

見えぬ敵

引き続きいきます。

先程より更にレーザーの数が増え、より不規則に、より精度を増してきている。


さっきはなんと此方に当たる時間を正確に計算したのだろう。正に'不可避'の砲撃をしてきた。


少女の急所ー頭、胸ーは必ず、

そして、それを避けた瞬間に、脚や腹、肘や膝といった関節などの

移動に重要な所に当たるようにしたのだ。


そもそもレーザーという、本来視認さえ難しいものだ。躊躇する暇などない。結果少女はこう避けた。


瞬間的に体をレーザーに対し平行にむける。そして、不可避のタイミングで腹を狙い撃たれたレーザーを既に吹き飛んだ左手で

防ぐ。


そして吹き飛ぶ左手。


ここは木が生い茂っている為レーザーが木を破壊する前方にしか進めない。横には回避できないのだ。


少女は涙目になりながらも走りつづける。


"もう何回目だろう"


6回目だ。左手を4回、躊躇した所為でお腹を1回、脚を1回。

それぞれ大切な恋愛運グッズごと

吹き飛んだ。とはいえ左手のものはとっくに吹き飛ばされているが。


そして焔が舞い上がり服やグッズと共に怪我も癒える。


体を吹き飛ばされるのはまだいい。痛いが直ぐに治る。治る上、

勇者という職業柄故に痛みには慣れている。


"痛くない、痛くない"


"なんども体がふっとぶって

そうそうできない体験だよなぁ"


ーしたくないけどー


服だって焔を体に変換する要領で直せる。見ての通り、彼女のお気に入りの服は直った。体と違う

為、お気に入りの様にある程度それを知っておくことが必要だが、

お気に入りでない以上吹き飛んで構わない為欠点ではない。


前提として、彼女の身体に怪我を負わせなければならない時点で殆どないことだ。彼女に怪我させられるのは同僚ぐらい。

まぁ訓練でよく怪我させられるが。


"ついでにグッズも"


次も各関節。


ーどうも、こっちに近づいてほしくないらしいー


そしてもう一つ気付く。


ー同時には3発が限界かー


ならば避けるのは簡単だ。少女は隙間を狙う。


"まず左足首と右肩ッ!"


先程の様に滑らかに身体をレーザーに垂直にし、


"そして次は…"


頭、首、腰にレーザーがきている。そしてその上にレーザーが三つ。先程ジャンプしたので新しく保険をかけたのだろうか。


ー今までなら負傷覚悟だが…ー


少女は軽くジャンプして腰を狙うレーザーを飛び越えるとそのままスライディング態勢にはいる。この間実に一秒弱である。


腰狙いと頭の上のレーザーは

頭と首を狙うレーザーより若干はやかったのだ。なるほどジャンプして早いレーザーに撃ち落とされればそのまま下の二発もあたる。


あくまで撃ち落とされればの話だが。ただ少女にとってノーダメージで避けられたことは嬉しかった。


"げぇむってやつらしいな"


前、都会セントラルパーク

の子どもが興じていた遊びににていることに気付く。あの時は画面の中で動く小さな人達に凄い興味を持った気がする。


『攻略法が分かったら簡単なんだけどねぇ』


"攻略法か、俺もみつけた"


少女は グッズは常に身につけておかなければ効能は無いと思い、それ故よく吹き飛ばされてしまう。


今回はそんな同僚もいない仕事だったので、恋愛運グッズが吹き飛ばされるなどないと思っていた。


まぁ結局吹き飛んでしまったが。


"だがもうそんな事はさせないッ‼"


笑みが深まる。


"恋愛運グッズは

まだまだあるのだからなッ‼"


ただ遅過ぎた攻略法の発見は

やっぱり遅過ぎたようで。


ーレーザーを撃って来ないだと?ー


そのまま走り続け遂に森を抜けた。これより上の標高では木は生息できないのだ。これでもう遮るものなく、自由に回避できる。


"しかし何故撃たない?"


可能性としては三つ。

待ち伏せして特大のレーザーを準備している。次にエネルギー切れ。人力マインドフォース以外ならありえる。これが最有力候補。最後に逃げ出した。これが一番面倒だ。また探し出さなければならない。


"斬り込むだけだ"


結局、 少女は考えることを放棄した。少女はレーザーの途切れた道をつきすすむ。

今回はちょっと多めに書いてみました。

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