027【ミオロスモノ】
〖神暦 3240年 4月8日〗
日記の筆者『イズ』
場所「飛空艇内」
[監視之眼]
これは、テオの姉、エリザベスが保有している能力の名だ。
その力を用いれば、私が輝天使化しても勝つことは難しいだろう。
彼女の能力は、面で殴るタイプではなく、点で、何百と刺すタイプだ。
そして、彼女を中心に、半径15㎞内のことは、大体把握できるようだ。
また、視界に入った者の記憶を一部読み取れるらしい。
ミオロスモノの名をかたる程の力はあるということだ。
おっそろしー
「ちょ、エリーさん、早く戻ってきて…」
一人の男性が扉を開いた。
エリー…エリザベスの略か?
「解ったわ。 …じゃ、また後で会おうぞ。」
そう言い残し、エリザベスは扉の奥へ消えていった。
はぁ、やっと行ってくれた~
私は心の中で言い、窓際のソファーに身を投げた。
「でさぁ」
テオが口を開く。
「世界に心があるのって本当?」
テオが尋ねる。
「ホントだよ。」
私は答える。
「誰が見つけたの?」
誰が見つけたのか。
…一番されたくなかった。質問だな。
「う~ん…また今度教えるよ。」
私がそう言うと、テオは何か理解したように「わかった」と言った。
「けどさぁ…その[世界への請願]? めっちゃあっさり成功してたね。」
「まぁ、私、あの魔法昔練習しまくったからね。…普通の人は人生で2回以上放つと魔力不足で死ぬけど。」
「えぇぇ? 死? 死ぬの?」
「常人は、ね。」
「つまり、イズは天才だと…」
「そういうことね。」
「自分で言うんだ…」
このような他愛ない話をしていると、時間はあっという間に過ぎた。
数分後
「テオよ~ ついたのじゃ。」
エリザベスの声が聞こえた。
「あ、お姉ちゃん…どこに?」
「バター高原飛空場じゃ。ともかく部屋から出て、下に降りてこーい。」
…耳から聞こええていると錯覚していたが、これ一種のテレパシーだな…
しかも、魔力の魔素が私の魔力探知にあまり引っかからない。
「イズ、行こう。」
テオが言い、椅子から立ち上がる。
「オッケー、じゃ、行こうか。」
私は答える。
数秒後
何やらガヤガヤしている。
私は、エリザベス飛空艇のハッチから、階段っぽい梯子で降りる。
ふと、振り返ると、そこにはつや消しの、黒塗りの飛行機、(?)があった。
さっきまで乗っていたものだ。
物凄く大きい。
そして、それが他に二、三機あるのが見える。
これが赤き天眼の力…?
まさか、これ、兵器積んでるわけじゃなかろうな…
私は怖いことを想像しつつも、その飛行機の精工な作りに感心する。
まず、魔力、空気、水、などの物がちょうど美しい軌道を描き通り過ぎていけるような、流線型のボディーに、翼が2つ、それは空気の抵抗をあえて利用し、体を上に持ち上げるという仕組みだ。
「さっさと降りんか。」
下で、エリザベスが手招きをした。
「あ、は~い。」
テオが返事をし、私はそれについていく。
飛行場のターミナルの椅子に座り、エリザベスが状況を説明してくれた。
あのテロは、乗っていた政治家を狙ったものだったらしい。
強盗と見せかけて、人の近づかない、「雨の森」に行かせ(救助されにくいため。)、二人、(強盗野郎)は逃げ、そこで船を、爆発させて終了。
という計画だったらしい。
が、キャサリン先生のお陰でこの計画がオシャカになったというわけだ。
…さっき、キャサリン先生には挨拶をして来た。
「やっぱり! イザベラさんじゃない! 立派になったわね」と、言ってくれた。
CAに転職した理由は、「実はね、病気…まぁ、一種の呪いのせいで、魔力が減っちゃって、だから魔法教師を辞めて憧れていたCAになったの」とのことだ。
私たち妖精は時間を持て余しているので、CAになるための勉強などには、時間をかけれたらしい。
「お兄ちゃーん!!」
すると、どこからか、少女の声が聞こえた。




