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竜王様の料理番〜国民的アイドルの私がドラゴンの生贄になったので逆に胃袋を掴んで沼に落としてやりました〜  作者: 春風邪 日陰
第1章 国民的アイドルが異世界転生!私はただセンターになりたかっただけなのに…
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3、そうだ、買い物に行こう

閲覧感謝です!


 それから、数日が経った。


「おい、すみにゃん」


「やめて。ファンでもないアナタにそう呼ばれたくない。普段はスミレでいいって言ってるでしょ」


「ならばスミレ。今日の食事はなんだ?我はまたカレーでもよいのだが」


「そうね……」


 余程、私の作ったカレーを気に入ったらしくこの数日はカレーばかり食べている。朝昼晩、ずっとカレー。いい加減うんざりしてきた。

 おかけで私が食べられる事も無いのだが、そんな偏った食事ばっかしているわけにはいかない。

 同じものばっかり食べさせて、竜王に飽きられでもしたら次食べられるのは私だ。


 それに問題はそれだけではない。


「どうした?」


「悪いんだけど、もうカレーは作れないかも」


「なんだと!?何故だ!」


「ルーが無くなったのよ……」


 寧ろ、あんなハイペースで作ってよく今日まで持っていたくらいだ。業務量のカレールーを用意してくれた元の持ち主には感謝しかない。


「ではどうするのだ!あの味を覚えてしまった我にカレーを我慢しろと言うのか!」


「仕方ないでしょ。無い物は無いんだから我慢してよ」


 ルーが無くても幾つかなのスパイスがあれば一から作ることもできるけど、美味しく作るのは中々簡単ではない。

 それにこの森の中でスパイスを一から調達するのは現実的では無いしまず無理だ。


「嫌だ。腹が空いた。カレーが無理なら、それに代わる何かを食わせろ」


「それも無理」


「だからなんでだ!」


「見なさいよ。あれだけ嫌いだって言ってた野菜も無くなっちゃったのよ!」


 あれだけの量が山積みにされていたというのに、今ではすっからかん。これじゃカレーどころの騒ぎではない。


 こうなったらやることは決まってる。


「リュー」


「…食事の代わりに自らを差し出すか?」


「なわけないでしょ」


「だったらどうするつもりだ?」


「買い物行くわよ」


 ◇◇◇◇◇◇


 ということで食料調達のため、私達は森を抜け街へと向かっている。


 手荷物も無いから手ぶらで肩に小さなドラゴンを乗せながらね。


「にしても驚いたわ。まさかリューが、こんなにかわいくなるなんて〜!!」


「よせ、あまり顔を近づけるでない!」


 さっきまであれほど巨大だったリューの姿が今ではこんなにかわいく小さくなっている。

 キリッとした鋭い目つきもこの姿じゃ愛くるしいだけだ。


「いいじゃない。減る物じゃないんだし」


「そういう問題ではない。我は竜王なのだぞ。少しは礼儀というものを弁えろ」


「固いこと言わないで。私とリューの仲じゃない」


 私はリューの体を執拗になでなで、頬をすりすりしつづける。


「や、やめんか。くすぐったいぞ!」


 こうやっていると、子供の頃に飼っていた子犬のアルフレッドのことを思い出す。体は小さいのに逞しくて、何か物音が聞こえると1番に駆けつけてくれた。

 リューはアルフレッドのようにモコモコではないけれどこうやって触っているとなんだかホッとする気がする。


「ねぇ、こんなにかわいくなれるならなんで最初からしなかったのよ」


「この姿は我の奥の手のようなものだ」


「奥の手?」


「本来なら、お前を喰らって我は再び長い眠りについているはずだった。しかしそれが叶わなかった故、あの姿のままではやがて体力を使い果たしてしまう。これはそれを防ぐための仮の姿なのだ」


「じゃあ私のせいでその姿になってるんだ」


「そういうことだ。少しは反省したか?」


「全然。寧ろ、自分で自分を褒めてあげたいくらい」


「なんだと!?」


 私を食べようとした奴にそんなこと思うわけがない。自業自得よ。それにこっちの姿の方が私は好きだ。


「てか、流石に疲れたわ。まだ歩くわけ?」


「まだ2時間程度で弱音を吐くでない」


 2時間だけって、2時間も歩いたのよ。それって結構なもんでしょ。

 普段から公共交通機関を足のように使っている現代人からしたら頑張ったほう。褒めてくれたっていいんだからね。


「あ、そうだ!リューがまた大きくなって私を街まで連れてってよ。それなら簡単でしょ?」


 私って頭いい。なんでこんな簡単なこと直ぐに思いつかなかったんだろう。


「断る」


「これはリューの為の買い物なの。ちょっとくらい融通きかせてよ」


「無理だ。故に断る」


「ケチ。なんで無理なんですか竜王様?」


 私は改めて丁寧な口調で問いかける。


「一度この姿になると暫くはは元の姿には戻れんのだ」


「そういうのは先に言ってよ!」


「言われなかったから言わなかっただけである」


「もうっ……」


 なんで男っていつもこうなのかしら。報連相くらいちゃんとやりなさいよ。


「だが安心しろ。近道は通っている」


「近道ね……あれ、この道見たことあるかも?」


 そういえばこの道、私がリューに連れてこられた時に通った道だ。


「ここからならあの村までもうすぐなんじゃない!?」


「そうだな。村までならあと少しだ」


「やった!これで休める!」


「残念だが村には寄らんぞ」


「え!?」


 急に疲れが酷くなってきた。


「ど、どうして……?」


「あの村の民はお前を死んでいると思っておるのだぞ。なのに現れてみろ」


「そうかもしれないけどさ……」


「それに、我が生贄を活かしたと知れれば民の信頼を失うことになるかもしれんからな」


 結局自分のためかい。


「もう限界。少し休ませて…」


 疲労困憊の私はその場に腰を下ろし一息つく。


「休んでる場合か。さっさと、ん?……」


 リューは何かを察したのか、辺りをキョロキョロと見回す。


「どうしたのよ急に?」


「この気配…久しぶりだな」


「久しぶりって何が?」


「来るぞ」


「だから何が!?……きゃーーっ!!」


 突如として目の前に現れたのは見たこと無いほど大きな熊、鳥、蛇、猪のようなモンスターの集団だった。

ここまで閲覧頂き誠にありがとうございます。


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