23、アイドル行方不明
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(今回文字数少なめです)
「ふぃふぃいかげん、ふぁなせっ!!(いい加減はなせっ!!)」
「いったっ!」
リューは私の手を無理矢理弾き飛ばす。
「ちょっと何すんのよ!」
「それはこっちの台詞だ。どういうつもりだ!?」
「その言葉そのまんま返してあげるわ。面倒事に巻き込まれたくないんでしょ?なのになんで余計なことすんのよ!」
「お前こそ同じ料理人として悔しくないのか?せっかく力の差を見せつけられるチャンスだったのだぞ」
「別に私は料理人じゃないし、それに勝負とか私は興味無い」
スミレは興味なさげにそっぽを向く。
「じゃあお前は一体何がしたいのだ」
「知らないわよ!今の私はアイドルでも無いんだから……」
アイドルでもなければ料理人でもない。今の私は一体何者なのか、自分でも行方不明だ。
「今のお前は我の眷属で料理番だ。我に従って料理を作っていればそれでいいのだ」
「そうね。でも、それは本当に私のやりたいことじゃない…」
「お前のやりたいこと、それがアイドルとやらか?」
「…」
僅かな沈黙の間を埋めるように鈴のような音色が微かに聞こえる。
「(ん?…)もういい。ひとまずお前はここで待っていろ」
「何よいきなり?」
「少し気になる気配を感じてな…。直ぐに戻る。お前はあの食堂があの店に勝てる方法でも考えていろ」
「ちょっと!?」
私の答えを聞かずにリューはそのままどこかへ飛び立っていく。
「もう勝手なんだから……」
もしかしたら私があんなことを言ったから拗ねたのかも。
「ちょっと言い過ぎたかな……」
まぁ、リューのことだから平気な顔してその内戻ってくるでしょ。迷っていても仕方ない。とにかく今はリューの言った通りワイルドキャットがあの店に勝てる方法を考えないと。どうせ暇だしね。
今日行って分かったのは、この世界のお客にとって大事なのは味ではないということだ。普通は味がいいお店に人が集まるものだが、この世界ではそうじゃないみたい。
恐らくこの世界の人々が店に求める条件は味より見た目。口コミや評価の高い方が最優先なのだ。結構極端ではあるがそういうのは日本でもよくある話だから気持ちは分かる。
だけどこの世界では私が思っているよりその考えが根強く浸透しているみたいだ。味はいいけど街の外れにある汚くて廃れた店より、味なんかより建物や料理の見た目が美しくて、外にまで行列が連なってる店の方が魅力的に映るのだろう。
このままでは私が美味しい親子丼のレシピを提供したところであの店の状況は何も変わらない。
「何か無いのかしら。例えば、見た目重視の客の気持ちを一瞬でメロメロにしちゃうようなインパクトのある方法とかさ…」
しかしそう思いつく訳はなく、独り言をぶつぶつと呟きながら、何かアイデアを求めて近くを散策していると、突然背後から袋のようなものを被される。
「きゃっ!…なんなの!?」
私は慌てて逃げようとするが、何者かが力一杯私の手を掴み引き寄せる。
「誰か!!助け、うっ!……」
助けを呼ぼうと必死に叫ぶが、全身に痺れるような感覚が襲い、そのままスミレは気を失ってしまった。
「連れていけ」
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