17、ちょっとの寝坊が命取り
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これより第二章スタート!!(今回文字数少なめです)
朝日が差し込み、冷たい空気が私を眠りから目覚めさせる。
屋根のある場所で夜を明かしたのは実に数日ぶりだ。たったの数日なのにとても長いことのような気がしてならない。硬いマットレスにペラペラの掛け布団。窓からは隙間風が吹き込んでいて、部屋の広さはワンルームより狭いくらい。
掃除は本当に最低限、それでも今の私は何も気にならない。
こんな格安オンボロ宿もいまの私にとっては屋根のある部屋は何らスイートルームと変わらないからだ。
やはり現代人は室内で生活する生き物なのだとつくづく思い知った今日この頃。
「おい、起きろ。もう朝だぞ」
「…………」
布団を深く被さる私の上にリューがのしかかる。
「起きているのは分かっているぞ」
「…………」
目が覚めているのと、布団から起き上がるのは別問題だ。私はまだこの中でゆっくりしていたい。
「腹が空いた。何か作ってくれ」
「…………」
昨日人の分もあんだけ食べておいてもうお腹が空いたわけ?こっちはそれどころじゃないくらい疲れてるっていうのに……。
「そうか。分かった」
あれ、思ったよりあっさり。リューのことだからもう少ししつこいかと思ってたんだけど。まあ、分かってくれたならそれでいいわ。これでもう少し布団の中でゆっくりしてられる。
「ならばこうするまでだ」
リューが私の上でもぞもぞと動いているのが分かる。
「ん?……」
何故か鳥肌が立ち、妙な気配を感じた私はこっそりと布団から顔を出してそとを確認する。
「何やってんの、え、」
「あーーーーん」
リューはあの小柄な体からは想像できないほど口を大きく開けて、今にも私を飲み込もうとしている。
「まってまって!!起きるからー!!」
私は大急ぎで布団を吹き飛ばし起き上がる。
「起きればいいんでしょ。ほら、起きたわよ!」
「なんだ。起きたのか……」
リューは少し残念そうに口を閉じる。
「起きてこないからって食べないでよね」
「起きないお前が悪いのだ。食べられたくなければ早くメシを作れ」
あーあ、見た目はこんなに可愛げがあるのに言ってることはなにも可愛くない。
「作れって言われても無理よ」
「なぜ無理なのだ?」
昨日のこと無いのに覚えてないの?私の分まで勝手に食べたこと私は絶対に忘れないんだからね。
「どっかの誰かさんが昨日あんなに食べたから何も残ってないのよ。だから無理なの」
「ならば買いに行けばいい。この時間なら店もやっているだろ」
「お金もないのに買えるわけないでしょ。この宿だってインガスから借りたお金で泊まってるんだから」
「また借りればいいだろ」
「イヤよ。それは絶対に無いから」
あの人のことだから、頼めばきっと喜んで貸してくれるんだろうけど、できることならもうあの人に貸しは作りたくない。
「これ以上頼んだら、それこそ弟子にしてくれって言われても断れなくなるかも。そんな面倒ごとリューだってイヤでしょ?」
「一理あるか…。本当に人間とは面倒な生き物だな」
「そう。面倒なの。だから少しお腹が空いたくらい我慢して」
「それは無理だ」
早い。キッパリと言い切ったわね。
「でも確かに私もお腹は空いた」
「だろ?我も同じだ」
同じじゃないわよ。
「それに借りたお金も返さなきゃだし、そろそろマーケットさんのところ行ってみようか」
「マーケット?あー、あの商人のことか」
「そう。リューが倒したモンスターの換金そろそろ終わってるかも。そうしたらお金も肉もきっと一緒に手に入るわよ」
「それだ!!そうと決まれば早く行くぞ!!」
「分かったからちょっと引っ張らないでよ!私、この服しか持ってないんだから〜!」
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