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神様のミスで死んだので、神獣もふもふと異世界インターネットで快適スローライフ始めます! ~最強生活チートと1000万ポイントでポチりまくりです~  作者: 幸せのオムライス
1 森の生活と孤児院改革

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アップデートと旅立ちの決意 10

「こ、コトリ……これ、何……?」


 アンナが、おそるおそる、といった感じで尋ねてくる。


「これはね、『ご飯』っていうの。こっちは『お味噌汁』で、これが『だし巻き卵』。私の故郷の、朝ごはんの定番なんだよ」


 私がそう説明しても、子供たちはまだ半信半疑の顔だ。

 一番最初に動いたのは、意外にもリックだった。

 彼は、無言で箸(私が通販で買った子供用練習箸)を手に取ると、まず、だし巻き卵を一切れ、ぱくりと口に運んだ。

 その瞬間、リックの目が、かつてないほど大きく見開かれた。


「……!」


 言葉にならない、という顔で、彼はだし巻き卵を咀嚼している。

 その表情の変化を、他の子供たちは固唾を飲んで見守っている。


「……うまい」


 ようやく絞り出したような、その一言が、合図だった。


「「「いただきます!」」」


 子供たちは、我先にと、新しい料理に手を伸ばす。


「なんだこれ! 甘いのに、しょっぱい! ふわっふわだ!」

「この汁、昨日までのスープと全然違う! なんか、すごく落ち着く味がする!」

「この白いやつ、パンより柔らかくて、甘い!」


 食堂は、再び、驚きと感動の嵐に包まれた。

 特に、だし巻き卵の人気は絶大だった。

 ふわふわの食感と、だしの旨味、そして砂糖の優しい甘さ。

 それは、子供たちの味覚にとって、まさに未知との遭遇。


 初めて体験する「うま味」という概念に、彼らの脳は完全にショートしているようだった。

 エミリーも、小さな口で、一生懸命だし巻き卵を頬張っている。


 そして、お味噌汁を一口飲むと、ふぅ、と幸せそうなため息をついた。

 その姿を見て、アンナがまた泣きそうになっている。うん、君は本当にエミリーのことが大好きなんだね。


 マーサ院長も、一口、お味噌汁をすすると、その動きをぴたりと止めた。

 そして、目を閉じて、じっとその味を噛み締めているようだった。

 その表情は、どこか懐かしいような、それでいて初めての味に戸惑っているような、複雑な色を浮かべていた。


「……コトリ」


「はい」


「……あんたの故郷は、一体どんな国なんだい……?」


 その質問に、私はなんと答えればいいのか分からなかった。

 美味しいものが、たくさんある国ですよ。

 そう言って、私はただ、にっこりと微笑んだ。


 この日、ハルモニア孤児院に、新たな食文化の夜明けが訪れた。

 そして、それは、私の壮大な『異世界食文化革命』の、ほんの序章に過ぎなかったのだ。


 ◇


 衝撃の和食デビューから数日。

 孤児院の食卓は、もはや私の独壇場と化していた。


 朝は、だし巻き卵と味噌汁で始まる、日本の朝ごはん。

 昼は、コンソメスープとふわふわの白パン。


 そして夜は、私が【レシピサイト(専門版)】の動画を見て覚えた、様々な国の家庭料理が並ぶ。

 昨日は、トマトとハーブで煮込んだ『チキンのカチャトーラ風』。

 一昨日は、ひき肉とじゃがいもで作った『シェパーズパイもどき』。


 もちろん、材料は通販で買ったものと、市場で手に入る限られたものだけ。

 でも、調味料と、ちょっとした調理のコツさえあれば、料理は無限の可能性を秘めているのだ。


 子供たちは、毎日変わるメニューに、目を輝かせている。

 特に、エミリーの食欲は目に見えて旺盛になり、痩せていた頬も、少しだけふっくらとしてきた。


 その変化が、私にとっては何よりの報酬だった。

 まあ、人助けボーナスで、ちゃっかりポイントも稼がせてもらってるけどね!


 そして、私のビジネスプランも、着々と進行していた。

 夜な夜な厨房にこもり、試行錯誤の末に完成させた、一瓶だけの試作品。

 ルビー色に輝く『妖精の宝石ジャム』は、我ながら完璧な出来栄えだった。

次回の投稿は、2025/12/11 12:00-12:15頃の予定です。

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