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神様のミスで死んだので、神獣もふもふと異世界インターネットで快適スローライフ始めます! ~最強生活チートと1000万ポイントでポチりまくりです~  作者: 幸せのオムライス
1 森の生活と孤児院改革

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ギルド登録と初めてのビジネス 11

「《洗浄》!」


 その瞬間、私の手から放たれた淡い光が、さざ波のように訓練場全体に広がっていく。

 光が、壁にこびりついた長年のカビや泥汚れに触れた途端、それらがまるで黒い絵の具が水に溶けるように、すーっと消えていく!


「お、おい、壁が……!」

「汚れが、落ちていくぞ!?」


 野次馬たちが、ざわめき始める。

 うんうん、リアクションありがとう! でも、私のショーは、まだ始まったばかりよ!


「ついでに、《乾燥》っと」


 次に唱えた魔法で、洗浄によってわずかに湿り気を帯びた空気が、一瞬でからりと乾いていく。

 じめっとした地下特有の、カビ臭い匂いが消え、代わりに爽やかな空気が満ちていくのが、肌で感じられる。

 そして、とどめの一撃。


「仕上げに、《整地》!」


 デコボコだった地面が、まるで見えない巨大なトンボで均されたかのように、すーっと平らになっていき、美しい更地へと生まれ変わる。


「……なんだ、こりゃ……」


 誰かが、呆然と呟いた。

 その場にいた全員が、言葉を失っていた。


 うんうん、わかるよ。

 きっと冒険者さんたちが今まで見てきた魔法は、敵を焼き尽くす炎の魔法や、岩をも切り裂く風の魔法だったはずだから。前世の異世界ファンタジー小説の知識だけど、神様の口振りからも、たぶんこの世界もきっとそんな感じだ。


 さきほどのエマさんの口振りからも、生活魔法は珍しいようだったから、彼らはきっと、こんな地味で、でも、とてつもなく便利な後片付け魔法なんて、見たことがなかったのだ。


(ふふん、どうです? これが生活魔法Lv.99の実力よ! 戦闘後の面倒な後片付け、全部一瞬で終わらせられますけど、何か?)


 内心でドヤ顔を決め込んでいると、ゴードンさんがハッとした顔で叫んだ。


「ま、待て! ゴーレムの残骸はどこへやった!?」


 そう、地面を整地したせいで、さっきコロが壊したゴーレムの木片が、土に埋もれて見えなくなってしまったのだ。


「ああ、それならご心配なく。フィナーレが残っていますので」


 私は、倒れてバラバラになった木製ゴーレムが埋まっているであろう場所の前に立つ。


「《修復》!」


 私が、その地面にそっと手をかざす。

 すると、信じられない光景が、みんなの目の前で繰り広げられた。

 土の中から、まるでホラー映画のワンシーンみたいに、木片がひとりでに浮かび上がってくる!

 それらが磁石に吸い寄せられるようにカチャカチャと集まり、さっきコロが砕いた関節部分が、パズルのピースがはまるようにピタッ!と元の形に。


 軋んでいたパーツには、見えない油でも差したみたいに、ぬるっと滑らかさが戻っていく。

 そして、ものの数秒で、木製ゴーレムは、傷一つない新品同様の姿で、再びその場に、シャキーン!と立ち上がったのだ。効果音をつけるなら、間違いなく『シャキーン!』だ。


「「「………………」」」


 完全なる、沈黙。


 それは、さっきの「なんだこれ!?」っていう驚きとは、質の違う沈黙だった。

 みんなの顔に書いてある。

「え、待って。これってつまり……」って。


 そう、そのまさかですよ、皆さん!

 野営の後片付け? 面倒な装備の手入れ?

 そして何より、戦闘でボロボロになった高価な剣や鎧の修理代!


 私のこの魔法があれば、そういう冒険者の悩みの9割は解決します!

 パーティの生存率が上がる? もちろん! でも、他にも大事なことがあるでしょう?


(そう! 何より『経費』が! 圧倒的に削減できるんですよ、皆さん!)


 私の脳内には、すでに『ヤマネコ工房・出張修理サービス、基本料金 銀貨5枚から!』なんていう、新しいビジネスプランが爆誕していた。

 この魔法が、ただの便利スキルじゃない。


 冒険者たちの懐事情を、そしてギルドの財政すら左右しかねない、とんでもない『金ヅル』であることに。

 その場にいた誰もが、瞬時に、そして痛いほどに、気づいてしまったのだ。


 その、欲望と計算が入り混じった重い沈黙を破ったのは、試験官であるゴードンさんだった。

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