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神様のミスで死んだので、神獣もふもふと異世界インターネットで快適スローライフ始めます! ~最強生活チートと1000万ポイントでポチりまくりです~  作者: 幸せのオムライス
2 ヤマネコ商会、爆誕!

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商人、はじめます 10

  以前なら「目立ちすぎるかも」と躊躇したかもしれない。

  でも今は、商業ギルドのギルドマスターのバルガスさんという強力な後ろ盾がいる。

  「これは東の国の特別な包装です」と言い張れば、むしろそれがブランド価値になるはずだ。


(どうせなら、送料無料にするためにも、まとめ買いしておくのが賢い経営者よね!)


  業務用サテンリボンを4色、クラフト袋を2パック、タグを1パック、カートに追加していく。

  合計1,600ポイント。

  よし、これで送料無料ライン(1,500P)もクリアだ! 完璧!


  ポチッとな。


『ご購入ありがとうございます。配送を開始します』


  そのメッセージが表示されるのとほぼ同時に、目の前の空間が、ぐにゃりと歪んだ。

  もはや見慣れた空間の歪みから、小さな段ボール箱が一つ、ぽんっ、と出現する。


「相変わらず、恐ろしいほどの配送スピード……大好き!」


  私は手早く箱を開封し、中身を確認する。

  艶やかな光沢を放つサテンリボン、パリッとした質感のクラフト袋、そして綺麗な厚紙のタグ。

  どれも、市場で売っているものとは、天と地ほどの品質差だ。


(ふふふ……瓶は現地のものを使うけど、このラッピング資材があれば、商品の高級感は格段に上がるはずよ)


  これなら、もしバルガスさんに問われても、こう言えばいい。「これは、私の故郷である東の国から、特別に取り寄せた試作品です。もし評判が良ければ、今後、バルガスさんのギルドを通じて、正式に輸入することも検討したいのですが……いかがでしょう?」


(完璧なカバーストーリーだわ! 逆に、新しいビジネスチャンスを匂わせることで、相手の興味を逸らす高等戦術よ!)


  私は、一人ほくそ笑む。

  強力な後ろ盾を得たことで、私のビジネスの選択肢は、確実に広がっていた。

  さあ、これで戦略は固まった。

  あとは、この素晴らしい商品を、どこで作るか、だ。


(さすがに、宿屋の部屋でクッキーを焼いたり、お茶を煮出したりするのは無理があるわよね……女将さんに怒られちゃう)


  私は、四次元バッグの中から、孤児院の厨房で試作した、たった一つの『妖精の宝石ジャム』の小瓶を、そっと取り出す。

  そして、意を決して、一階のカウンターにいる女将さんの元へと向かうのだった。


 ◇


 カランコロン、と。

 私が階段を降りていくと、ちょうどカウンターの拭き掃除をしていた女将さんが、顔を上げてにこやかに微笑んでくれた。


「あら、コトリちゃん。どうしたのかしら? もうお腹が空いちゃった?」


「いえ、そうじゃなくて……女将さん、お願いがあるんです」


 私は、カウンターの前に立つと、背筋を伸ばし、できるだけ真剣な表情を作る。

 そして、手に持っていた小さなガラス瓶を、そっとカウンターの上に置いた。


「これ、私が作ったものなんですけど、少しだけ、味見していただけませんか?」


「まあ、お手製なの? なのかしら、これは……蜜?」


 女将さんは、興味深そうに小瓶を手に取る。

 瓶の中で、夕陽の光を浴びたジャムが、ルビーのようにキラキラと輝いている。


「『ジャム』っていう食べ物です。パンにつけて食べると、とっても美味しいんですよ」


 私は、四次元バッグから昨日市場で買っておいたパンの残りと、自前のスプーンを取り出した。

 そして、パンを一口大にちぎり、ジャムを少しだけすくって乗せると、女将さんに差し出した。

 女将さんは、「ありがとう」と言って、それを受け取ると、ぱくり、と一口。


 その瞬間、彼女の動きが、ぴたり、と止まった。

 そして、その優しい目が、驚きで大きく見開かれる。


(ふっふっふ……かかったわね……!)


 私のジャムの、悪魔的な美味しさの前には、人生経験豊富な宿屋の女将さんといえども、無力なのだ!

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