もしもこの世が四十八時間だったら、私はどのように過ごすだろう
帰宅した娘がポツリと呟いた。
「もしも一日が四十八時間あったら、どう過ごす?」
誰もが一度は想像してみる世界である。特に忙しい日々に。
娘は受験期、真っ只中。塾と自主勉に時間をとられ、自分時間がほぼない状態。
とうとう現実逃避をしないとやってられなくなったらしい。
「それは……睡眠時間が十五時間いるとか、そんなんではないよな?」
記者になった私の質疑に、官房長官の娘は応答した。
「睡眠時間は一般的な七時間で、学校も現況を維持、今の世界と同じ概念や。ただただ自分時間が増える感じや」
実際は二十四時間の世界なのに……。
本気のヤツや……と思った。
「そうなると……ドラマの24が48になるってことか……」
「AKBみたいやなぁ……」
「四十八時間もあったら、あんま焦らんな。ジャック・バウアーもこれ食べてからにしよかってなりそうやな」
「なんやダラダラして、最終的にできひんかったわ~ってなりそうやなぁ」
「時間があってもあかんな~……ってジャック・バウアーが呟いて終わるラストシーンになりそうやな」
結局、娘の回答は『九時間ぐっすり寝て、後は自分時間に当てる』という至って普通のものだった。
他の家族の回答は、『六回食べないといけないところを四回に変える』という、不思議な回答をされた。
皆さん、忙しい時に考えたことありますよね?
読んでくださって、ありがとうございました。
四十八時間もあったら、ダラダラして終わる気がします。こうして今も、なんの知識にもならん嗜好品のエッセイを書いて、いたずらに時間を潰しています。こうして、私の人生は終わる気がします。早く、ダメ人間から真人間に戻りたいです。




