ブラックチョコレートをあなたに
掲載日:2022/12/22
ひとり座る公園のベンチ
青空に浮かぶ時計台の針が
私の心の中に響く音
耳を澄ませば聴こえるはずなのに
たくさんの人の呼吸する音に搔き消される
どこまでも続く果てしない空
鳥たちは行く
誰しもが置いてきぼりにされずに連れて行かれる
私は遠い日のキャンバスに浮かぶ白い砂浜ばかり夢見てる
あの海の向こうから
誰かがやって来ないかなって
後ろからの風
ふと誰かを感じて
青空が広がる
入道雲だなんて季節はずれで
どうかしてるって
押し込めたように低い空
鳥たちが飛ぶ
雲の向こうさえ遮って
小さくなる
おいていかないでほしい
私はなぜ、生まれて来たの?
なぜ
なぜ──?
空は答えてくれない
風が吹くだけ
私をどこかへ、つれてってよ……
呼吸するたび
口唇をすべらす空気
私の中にある命取り出して
ベッドの上で
長い髪の毛と私の身体が広がってゆく──
誰かあたためてよ……
肌をすべらす滑らかな空気
私の吐息
暗闇に紛れ込んだあなたが
私をつれていく──……




