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Pain of Elusion  作者: 凡。
1/2

Where are you?

現実と幻想のはざま。夢みたいな感覚。

翔太(しょうた)、おはよう。』

花楽(かぐら)、今日は何する?』


スマホに表示されるメッセージを見ながら、ベッドに横になる。


『今日はって、いつものスマホゲーするんじゃないの?』

『いや、ちょっと違うんだよな~。』


ニヤッとしたイヌのスタンプが送られてくる。


『今日はコレな。前に、花楽にクローズドベータ登録して貰ったろ。』


メッセージと一緒に翔太から動画のURLが送られてくる。

あぁ、そういえば前に家にパソコンあるか聞かれて、登録したな。


『何だっけ、ペインなんとか。』

『|Pain of Elusionペイン・オブ・エルージョン

 VRなんだけど、そっちにもスーツとゴーグル届いた?』

『来てる、来てる。何か説明書読んだら、色々と恥ずかしい事書いてあるんだけど、大丈夫なの?これ。』

『実際の感覚に近くするために、ってやつ?』

『そう。』


そうなのだ。このVRゲームは、顔だけ出せる全身を包む黒いスーツを着た上でゴーグルを装着して遊ぶゲームらしい。しかも、実際の感覚に極限まで連動させる場合は、全裸でコレを着ないといけない。


『最初は別に気にしなくていいんじゃね?慣れたら全裸の方がイイと思うけど。』

『俺は全裸は無理かも……。』


部屋のカーテンを閉めて、ドアにも ”入るな!” と書いた。

今日と明日は学校も休みだし、親にも朝まで入るなって言った。


『翔太、これ食事とかトイレんときどうするの?』

『あー大丈夫。ゴーグル外せば自動的にログアウトするし、そのスーツにもチャックあるよ。アッチだったら、脱がないとだけど。じゃ、先にインしてるから。』


仕方がないので、俺も下着姿の上にスーツを着て、ゴーグルをつける。翔太の話だと、ベッドで横になった状態の方がいいって言ってた。寝そう。


ゴーグルに文字が表示される。


『Pain of Elusion クローズドβの世界へようこそ。起動しますか?』


Yesだ。すると、ゴーグルの視界から天井が消えていく。体の感覚も変わっていく。


『起動シーケンス開始します。スーツより生体情報をモニター・形成し、それにより体型を設定します。こちらは正式サービス時には変更可能になる予定です。引き続き起動シーケンスを続行します……。』


暫くすると、少し風を感じたような気がした。


『あなたの名前を決めてください。これはゲーム中で使われる名前であり、本名・地名・個人情報を含まないものにすることを推奨します。』

「じゃ、俺の名前は、ロディにする。」

『”ロディ”ですね、登録しました。』


名前を言った途端、風が強くなり浮遊感が増した。


『ようこそ、Pain of Elusion の世界へ。

 何かご不明点があれば、冒険者協会へお越しください。では。』


ブツッと声が聞こえなくなったかと思ったら、周囲一面が青くなる。というか、落下している。どうやら、空に放り出されたみたいだ。風は気持ちいい。それどころではないけど。


「あ、きたきた。あれかな?」


空を見上げて落下予測地点へ走り出す青年。


「いきなりコレは無いんじゃないかー!?」


叫びながら、空を落下していく俺。


『じゃ、頑張ってくださいね。』

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