ああ、懐かしい。でもなぜだろうだって私は・・・
筆が載ったので投稿します。
皆さんはこんな気持ち、なったことあります?
冥・まさにその一言だ。真っ暗だ。でも何故だろう?変な気分ではない。寧ろなんだろう・・・暖かい。冥のに・・・暖かい。いや冥のか?いや!違う!昏のだ!微睡といえばいいのか、ああそして、良い気分なのには違いない。
「・・・ま。」、「おい、・・・ま。」
なんだろうか、わからない。でもなんだろうか?
「おい!・・・」、「・・・風邪になるぞ!」
「ふふ、君は本当に・・」、「ちがいます。心配なだけです。」
懐かしい。気分だ、何故だろう?何処かで・・・こんなことが・・・
それに・・・この声・・・ああ、いい気分だ。久しぶりだなこんな暖かいのは。
「いい加減・起きんかー!!」
バシッン!! 誰かが座卓を叩いたのだろう。あたり一面に広がる。
そう。波のように、波紋と表現するべきか。
ガタ! 体が動いた。おそらく反射なのだろう。未だ昏・・・あれ、でもこの声は?え。でもそのようなことは無い筈だ。だってあの方は・・・
「鉄さん。それぐらいで。ね。」
「だめです。敏さん。未だこいつ虚ろですよ。」「健康管理もできん奴が合格できますか?」
“合格”・・・何に?私はもう・・・あの時にあの場所で、そう。巣鴨で・・・
「東ー!寝るならちゃんと布団で寝ろ!」
体中を揺さぶられた。落ちた。眼鏡だ、意識が戻るでも見えない。メガネ・メガネ・・・視界がぼやける。あれ?でもこの輪郭は・・・いや。そんな。だって、だって。
私は慌てて掛けなおす。そんな筈はないからだ。
「マッタク、やっと起きたか。」眼鏡で頬を赤くした人物が。
「東君、勉強も大切ですけど、疲れたら仮眠も大切ですよ。」ニコニコした長身の人物が、そこにはいた。居るはずがない二人がいた。
頬を何かが伝う。感情が“爆発”するといえばよいのか。胸が一杯になる。苦しくではない、こんな気持ち・・・幾年ぶりであろうか!
そう。そこには本来居ないはずの二人が居たのだ!しかも同時に。「作戦の鬼」と「将来の陸軍大臣」と評された二人が。
・・・時は明治四十四年、私が二度、陸軍大学校に落ち、大帝陛下が崩御される年であった。
今回は三人の人物が出てきました。一人はお判りの方多いと思います。
残りの二人は・・・次回説明できればと思います。
今宵の地獄はここまでにしとう存じ上げます。