執筆再開
戸塚ブレットの休業日の朝、わたしはいつもより遅い朝を迎える。
一糸纏わぬ姿なのは、昨晩は夜通しでハッスルしたからに他ならない。
お腹の中にまだヨハネの熱を残す肢体は我ながら艶やかではあるが、さすがに汗ばんでいるので、わたしはシャワーで体を洗い流す。身を清めて服を着ると、わたしはお寝坊さんなヨハネを横目に筆を執った。
まあ、筆と言ってもノートパソコンなのだが。
今日日執筆するのに手書きにこだわる理由もないだろう。
「さて、今日は何時の話を書き出そうかな」
わたしはジャポネでの三年間で、どの話を語るべきかと思考を巡らせた。
場違いなヒットマンを相手に大立ち回りをした話やら、機械文明国家にカチコミをした話やら。
話題はそれなりにあるものだが、まずは向こうでのわたしの人間関係を説明するのが良いかもしれない。
そうなればやはり彼女のことは欠かせないだろう。
幸か不幸かフェイトちゃんとは瓜二つの顔をした、あの金髪娘の話は。
「は~ホント、悪い子じゃないからタチが悪いのよね」
書き出す前に彼女のことを考えると、どうも嫌な思い出ばかりが先に来てしまった。
嫌と言うよりもヨハネに色目を使う彼女が鬱陶しかったと言うべきだが。
年齢的には同年代だったが、彼女は何処か妹属性なものを持っていた。
実際兄がいるそうなのでれっきとした妹キャラではあったが、わたしから見ても手のかかる妹のように彼女とは接していた。
今回はそんな彼女、マリーちゃんの話を中心に纏めていこう。