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冒険稼業は筋力です!  作者: 鳴海 一葉
10/11

九話~魔力資源とマッスルコントロール~

前回のあらすじ


春だ!花見だ!入学式だ!?

私、ソレイユ!

今日からこの学園、私立剣鳴館学園に通うことになる新入生!

此処でどんな出逢いや出来事があるんだろう!

今から凄く楽しみなんだ!

運動も勉強も好きだから、どっちもトップとれるくらい頑張るぞ!

それに素敵な人と恋もしたいしおしゃれにも気を付けなきゃね!

その為には…この学園でも天下とるぞー!!!


私立剣鳴館学園…問題児達が集まるこの学園に、夢見る少女は何を見る!

次回!唸れ!轟け!烈火の咆哮!


※嘘です

「私、魔法…使え…ないの?」


衝撃の事実にがっくりと項垂れる私。

そんな私を放っておいてケットシーの二人はなにやら議論しているようだ。


「これだけの力をもっていながら、レベルが1しかないと言うのは…どういうことなんでしょうか?」


「わからん…だが、仮説は立てられる。

それに、古文書に似たようなことが書いてあった気がするな。アレは何処にやったんだか…?」


「仮説ですか?」


「ああ、確か古文書には《神を認識しない者に神は慈悲を与えず》という内容だったはずだ。

この慈悲というのが何を指すのか不明だったが、レベルと言うことであれば一つの仮説が立つ。」


ルーウェンさんは、一度話を切ると未だ項垂れる私に聞きたいことがあると言った。

「はい…なんでしょう…?」


「お前さん、神を信じたことはあるか?」


えっと…聞かれてる意図がわからないが…とりあえず答える私

「いいえ、私が信じているのは筋肉です!」

そう言い切り、腕を頭の後ろで組み右足を少し前に出し筋肉を強調する。

そして、収縮させていた筋肉を解放する。

全身の筋肉が怒張し、服を内側から押し上げる。

きっと、わかる者が見れば《アブドミナル・アンド・サイ》というポージングだとわかっただろう。

筋肉を解放した私の腕や足は、収縮していたときの3倍の太さになっている。

首や背中の筋肉も太さを取り戻し、服が張り裂けそうだ。


「「ナニソレ!?」」


二人が同時に驚愕と言った表情で叫ぶ。

きっと、このポージングを見たことがないのだろう。

「筋肉が美しく見えるポーズです!」


「いえ、そうじゃなくて、体型変わりすぎじゃありません!?」

「お、おま…っ!なんだ、その筋肉!?さっきまで普通の…普通?うん、一般的な成人女性の体型だったろうが!?」


ん?

二人は出来ないのだろうか?

「マッスルコントロールって誰でもできるんじゃないんですか?」

※マッスルコントロールとは筋肉を自由自在に操る能力の事。


そう言うと、篭手も含めた全員に叫ばれてしまった

「「「できねぇよ!!!」」」


なんと!?

「おかしいですねぇ…私の村では全員出来たんですが…」


即座に篭手も含めて再度叫ばれる

「「「村ぐるみでおかしい!!!」」」


ビリッ!と嫌な音が聞こえる。

「あ、服が破けそうなんでポーズやめますね?フッヌ!」

全身の筋肉に力を込め、収縮していくと10秒程で元の体型に戻った。

普段は収縮していないと、着れる服が限られてしまうからだ。

それに、普段から収縮していると筋トレになるし。


『もうやだこいつ!本当に人間かよ!!!』

篭手からなにやら涙混じりの声が聞こえた気がするけど、きっと気のせいだろう。


「それで、何の話でしたっけ?」


「あ、あぁ…その、筋肉…じゃなくて、神を信じたことは無いんだな?」


「無いですね、お爺ちゃんからは何かにつけて《最後に頼れるのは自分だけだ、鍛え、磨き上げ、身につけた物だけは最後まで裏切らない》と教えられてたせいだと思います。」


「やっぱりか…アイツの言いそうなことだ。」

軽く溜息をつき、そう言った顔を懐かしむように笑っていた。


「師匠どういうことです?」


「馬鹿弟子、能力がレベルアップの時以外にも上がるのを知っているか?」


「いえ、初耳です。」


「そうか、まあいい。

実は能力が上がるのには二種類ある。

一つめは、レベルアップだ。これが一般的だな。

二つ目は、日々の鍛錬による上昇というのがある。

これは日々鍛錬を続ける事で身につく身のこなしや筋力、技術等が能力値に反映されることだ。

レベルアップに比べると微々たる物だが、レベルの上がらなくなってきた者などは皆やっている。」


「そんなものがあったんですか…でもそれがさっきの質問と関係あるんですか?」


「ある…と思う。

モンスターを狩ると経験値と呼ばれる物が体に取り込まれるのは知っているな?

この言葉自体は転生者が作った言葉だが、本質は純粋な魔力資源だ。

生物はその魔力資源を取り込み、己の物にすることでレベルアップという神の慈悲を発動すると考えられる。

では、慈悲を受けられない者はどうだろうか?

考えてみろ、馬鹿弟子。」


ポヤンさんに問われた事だけど私も考えてみる。

魔力資源…というのを意識したことはないけど、モンスターを倒した後は筋肉の仕上がりが良かったような気が…する?

そんな事を考えていると、ポヤンさんも考えが纏まったようだ。


「レベルが上がらないと言うことは、魔力資源は別のことに…使われる?

鍛錬による上昇量が変わってくるんですね?」


「ああ、仮説としては有力だと思うが…体験したわけではないからな…なんとも言えん。」


そう言ってこちらを見るルーウェンさんに、私も自分の感じたことを伝える。

「多分、あってると思います。

狩りの後の鍛錬は筋肉の仕上がりが良かった気がしますから。」


『判断基準は筋肉なのか…』

篭手が呆れたような声で言うが、気にしない。


マッスルコントロールは本当にある技術ですが、こんなデタラメなモノではありません。

フィクションです。


アブドミナル・アンド・サイが何かわからない方は検索してみてください☆

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