防護無線
「そうか」と、リサは何かに気がついた。
走り去る列車を見ていて。
「どうした?」と、Naomi。整備服のまま来ていたので
何か、歩き難そう。
「あの工場の列車って・・・・朝は遅かったんじゃないかな?」と、リサ。
めぐは、何か思い出したよう。「そういえば・・・・お昼前に出て行って
帰りが午後3時くらいだとか・・・鉄道写真を撮る人が、なにか」
Naomiは、表情が明るく「それじゃ、朝8時半に火を入れても間に合うな」
リサ「蒸気上がるかな?」
Naomiは、「3時間もあれば上がるんじゃないか?」
れーみぃは「そうすると、お客さんを呼んで乗せても1往復だけ、って事になるね」
めぐは、少し考えて「まあ、営利団体じゃないし。元々、あたしたちは
そこまで考えなくても・・・。」
リサ「そうだね。仮に数回往復したって運賃だけでは燃料代にもならないと思うな。
石炭はあの辺、掘れば出るって話だけど。」
Naomi「掘るったってなぁ」と、笑った。
めぐは「とりあえずは国鉄から貰う石炭で、なんとか・・・。」
れーみぃ「何れは国鉄さんに経営してもらうテーマパークになるのなら、
国鉄の利用者が増えるイベントだもんね。それでいいのかも」
遠くからでも見物客が来れば、それら全てが集客力なワケ。
れーみぃは、前かがみになって「あ、あたしのは掘らないで♪」
Naomiは「誰が掘るか!」と、スニーカーでお尻を、ちょんと、押す。
れーみぃは、転がって「ああん、後ろから前から、どうぞ♪」
リサ「誰か見てるとアレだから、起きれ、ほれ」
Naomi「変態汽車ぽっぽ、なんて言われるな」
めぐ「ははは」
Naomiは「それにしても、この引込み線って大丈夫そうだね。枕木とかレールとか」
草は、あらかた刈ってくれてあった。
もともと、寒い地方なので
そんなに草は伸びていない。
沿線のところどころに、ポプラの木が生えていて。
ひぐらしの声が、たかく。
かなかなかな・・・・と。
時折、国鉄の列車が通り過ぎる。
電化区間だから、食パンみたいな電車がとおって。
乗客が、線路脇のナロー・ゲージの線路に人がいるのを
珍しそうに見ている。
ヘルメット姿の工事士なら、ともかく。
若い女の子なので。
「線路を歩いてきたのは失敗だったな」と、リサ。
「出るか」と、Naomi。
「出るぞー」と、めぐ。
「いやーん、出さないでー。」と、れーみぃ。
リサは「れーみぃはともかく・・・めぐまでが。バイキンが移ったか」
めぐは「あ、パチンコの宣伝」
れーみぃ「チンコ?」
Naomiは「いーかげんにしろ!」と、後ろ頭をはたく。
「いたーい、なにすんのぉ」と、れーみぃ。(^^)。
「線路歩いちゃダメなの?」と、めぐ。
リサ「あそこは柵がないから、国鉄の列車が間違えて防護無線を入れたりすると
列車が緊急停止になる」
Naomi「そうはならなかったけど」
4人は、ナローの線路の脇にある小川の土手、畦道を歩きながら。
「それはそうと・・・駅の物資部に行ってもさ、お金ないね」と、リサ。
「ツケでいいじゃん」とれーみぃ。
Naomi「そんな・・・あ、局長さんの名刺か!」
めぐは「悪いよ、そんな」
れーみぃ「じゃ、あたしが体売る」
リサ「誰が買うんだよ」
れーみぃは、体をくねらせて「乙女の柔肌、い・か・が?」
Naomi「お肉は柔らかそうだな」
めぐ「脂肪だけだよ」
れーみぃは「あーん、お友達のめぐまでわたしをいじめるのー。」
めぐ「事実です」
れーみぃ「がーん」
リサ「オマエ自体が癌だろ」
Naomi「面白いなあ。」ははは、と笑う。




