表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
71/89

燃えない石

「これじゃ、燃えないね」と、Naomiは思います。



おばあちゃんが戻ってきました。



ぽんぽんぽん、と軽快に

煙を吐いて回るエンジンの軽自動車に乗って。



「あーにしてっかな。ああ、燃してんの。ゴミ?」



都会だとゴミなんて燃す事がないけどと

リサも思います。でも



そんな事を言うのは、おばあちゃんに失礼なので


言いません。リサも優しいキモチの子。



「機関車の石炭をね、燃してみたの」



おばあちゃんは何か思い出したように


「んだなー、ずっと燃してたんでねの。ストーブで」




ああそうか、とNaomiも思います。



スキーで山小屋に泊まった時も、そういえば


朝になっても囲炉裏は燃えたままで


灰を被して寝たんだっけ。春は。




「じゃ、ずっと燃えたままにしてたのかな」と、リサ。




国鉄の機関車はそうみたいだけど。




「まあ、今日は蒸気上げるのは無理ね」とNaomiは諦める。



計画的に考えるのが、良い整備士である。




れーみぃと、めぐが戻って来て



「あ、焚火だー。なんか焼こうよ、おいもとか」と、れーみぃ。




「それ以上太ってどうする」と、リサ。




「あ、ひっどー。傷つくな、えーん」と、れーみぃは楽しそう。




「ふんわりしてて可愛いよ」と、めぐ。




「ものは言いようだ」とNaomiは的確。




そう、同じ事を言っても



聞いた人が喜ぶような事を言うのも

お人柄。




「接客の心得でもあるね」と、リサは

国鉄職員が代々続いて来た家柄の娘らしい言葉。



接客、と言っても

御座なりではなくて



心使いをするのは



職員、と言うよりは人柄。




忙しいと言っても、尖った対応をしても

しなくても時間はあまり変わらない。




刺々しい態度で車掌が接すれば、乗客だって苛立つ。




それが、思わぬ事故を呼ぶ事もある。




発車時刻を過ぎたから、ドアを閉じる。



そんな時、言葉の掛けかたで

ドア挟み事故が起きたり、起きなかったり。



声の感じ、なのだ。



命令っぽく聞こえる言い方をすると、過敏な人は逆らいたくなるので




優しい口調で言うのが、国鉄流。



ドアスイッチを自分が持っているから従え、ではないのだと



リサのおじさん、車掌さんは

国鉄で

そんな風に教わったそうだ。



その事を、リサに話したりするのは



鉄道の仕事を好きだから。




そういう人が、国鉄を支えていた。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ