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石炭の炎
少しづつ、木炭に
炎が移り始めると
結構、静かに燃えている。
「もっと激しく燃えるかと思った」
映画で見た。蒸気機関車の炎は
オレンジ色と言うより、黄色に近い炎だったと
Naomiも思う。
機関車の火床は、石炭を網のような所に乗せて
風を送っているから、激しく燃えるので
普通に燃やしても、赤々と点るだけなのだ。
その風を作っているのは、蒸気機関車を
動かす蒸気なので
まずは、ボイラーでお湯を沸かす。
「とは言っても、暇掛かるね、これ」と、リサも
前時代的な時間の流れに、ゆったりと
したキモチになる。
急いでも大差ないのだ。
長い人生。
木炭が燃えて、それを石炭がらに移す。
なかなか、石炭は燃えない。
「こんなに燃えないとは、ね」
木炭とは違って、化石のようなものだから
燃えにくいのだろう。
それで、燃えはじめたら長く続く。
時間単位が違うな、と言う実感。
「オペラやクラシックの交響曲みたいに
時間単位が長かった時代のものだね」と、Naomi。




