ちょうちょ
ブレーキか。めぐはちょっと見回すと、無さそう。
「レールブレーキはあるね。」と、Naomi。
トロッコなので、まあ、停まっていればいいんだろう。
さて、行きますか、と
リサはトロッコを押し始めた。
ハンドルが上下する。
「これを押さえても停まるね」と、れーみぃ。
「いいから降りろよ、重いから」と、リサ。
「はは、ごめんごめん」と、れーみぃは
飛び降りようとして。
「結構高いね。怖い」と。
トロッコを停めてもらった。
「普段、ホームがあるから気にしなかったけど。
結構車輪って大きいんだね。」と。
そりゃそうだよ、とリサは
時々、機関車に乗せて貰っていたから。
そんな風にも思う。
「しかし、枕木を点検するって言っても、数、凄いよね。」と、リサ。
「うん」と、Naomi。
「とりあえずさ、トロッコを転がしてみて、4人で乗って傾かなければ」
「お、いいねそれ」
と、遊びにはすぐに同調する。
工場を出ると、田んぼの畦道みたいな所をずーっと進む。
それで、国道が見えるあたりから
カーブして、そこに大きなポプラの木。
海に、緩くカーブしていって。
コンクリートの岸壁にレールが敷かれ、そこで終わり。2kmくらいか。
その、工場側からトロッコを押して、リサたちは
走りだす。
車輪の響きは、ごとごと。
「結構揺れるね。」
「そーだねぇ。」
と、揺れるトロッコの勢いがついたあたりで、4人は飛び乗る。
でも、上手く乗れない。
「危ないよ。」と、リサはトロッコのハンドルを押さえようとしたが
勢いがついていて、ハンドルを押し戻される。
「ん」と、Naomiはトロッコに飛び乗って
レールブレーキのハンドルをぐるぐる。
暫く回し、停まる。
めぐとれーみぃは、トロッコに乗れずに(笑)
工場から出たところで、歩いてた。
「やっぱ、押した方が良さそうだね。それか、ハンドルを
ゆっくり押して進むか。」と、リサ。
「飛び乗りはよそうね。」
と、Naomi。
それで、めぐとれーみぃはトロッコに乗せて
Naomiがハンドル側。リサがブレーキ側に立って
少し押す。
動いた所で、トロッコに乗り
ハンドルを押す。
「これで行ってみよう。」と、リサ。
田んぼの畦道みたいな所。
7月の青い空は、爽やか。風は冷たい。
気温、22℃。
蝉の声もしない。
「秋みたい」とめぐ。
「さーいくぞ!。」
と、リサはトロッコの前側で、リサは後ろ側。
数歩押すと、結構動くのは
レールがあるから。
滑りがいいのだ。
がたがた、と。結構揺れるけど、リサはハンドルを押す。
「誰か押してよ、反対側。シーソーなんだから」と、リサ。
「そっか」と、れーみぃが
立ち上がる。
トロッコががたがた揺れるので、ハンドルにしがみついて。
減速。
「おっととと。」と、Naomiはブレーキを回した。
ネジ式なので、ゆっくりしか利かない。
「ゆっくり、ゆっくり」
風が頬を撫でて、結構寒いくらいなのは、北海岸だから。
ゆーっくり、ゆーっくり。
そのぐらいでハンドルを押すと、丁度いい。
結構、がたがた揺れる。
「大丈夫かなぁ」リサ。
「機関車乗せて?」とNaomi。
「そう。」リサは心配そう。
めぐは「5tの機関車だと、レールが沈むから落ち着くと思う。
今は枕木も浮いてる筈」と、理系っぽく考える。
リサは「なるほど。列車通過するとき見てると
レール、沈むものね。」と。
Naomiは「日本の瀬戸大橋ね。吊橋の。あれなんか
列車が通ると5m沈むくらいだし。」
れーみぃは「へーぇ。5m。見て判るかな」
めぐ「判るんじゃない、遠くから見ても。それだけ沈めば。」
リサ「電車で一番前見てると、撓んでるのが判るって。」
へーぇ。と言う間に岸壁まで着いた。
「あっけないね」と、リサ。
「そりゃ、2kmだもん」Naomi。
「まあ、旅客で走らせるとなると、ゆっくりだろうし。」と、れーみぃ。
「どして?」と、めぐ。
れーみぃは「鉄道の法律でね、ブレーキ掛けてから600mで停まらないといけないし
ここ、レールの回りが囲われてないから、法律的には軌道、になると思う。
15km/hくらいじゃないかしら。制限速度。徐行って事ね。
もっとも、戻る時は推進運転だから、それでも早いくらいじゃない?
客車押したら見えないよ、機関車から。」
リサは「なるほどー。そうだね。確かに。」
れーみぃは「免許試験に出たでしょ」
リサ「んー、だって、鉄道学校だから、無試験だし。」
れーみぃは「なーははは。大丈夫かな国鉄。こんなの雇って。」
リサは「こんなのって何だよ!」と、れーみぃを叩く真似。
れーみぃは「ちょーちょー♪ちょーちょー♪」
Naomiは「ついに来たか」
めぐ「それ、全員集合でしょ」




