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オイル

「おばあちゃん、どこ行ったのかなぁ」と、めぐは

遠くを見ていると。


おばあちゃんの車が、のーんびり

揺れながら。


煙を吐いて。


「SLみたい」と、めぐ。


Naomiは「オイル食ってるんじゃないかなぁ。ミッションの。」


なにそれ、と言うめぐを横目に、れーみぃは


「オイルって食うの?飲むんじゃなくて?」と。


Naomiは「飲むか?」と

エンジンナッパに入ったオイルを、れーみぃの顔にかざした。


「美味しくなさそ」と笑うれーみぃ。


おばあちゃんは、車を停めて。ばん!とドアを閉めた。


Vanだからばん!と


めぐはまた思い出し笑い。


くすくす。


「なにが面白いんかのぉ」と、おばあちゃんはのんびり。

四角い顔で。


「おーにぎり、作ってきたはんで、食べてけへ。」




「このおにぎりさ」めぐ。



なに?と、れーみぃ。


「うちのは、三角かな」と、食べ物に興味(笑)



れーみぃ「うちのは、丸くなかったけど、俵が多いかな。白ごまとか。

お稲荷さんみたいなの」


Naomiは「うちは三角かな、でも大きいな。もう少し。」と

たぶん、郵便局の食堂にあるものに似ている形を思い出した。

それぞれに、いろいろ記憶がある。




いやいや、これはご馳走と社長さんも、楽しそう。


山菜の煮物とか、筍のお浸し。

ひじきの煮たもの。きのこのおつゆ。


おにぎりは、まんまるで大きくて、海苔が巻いてある。

ほどよく湿っている。



「あ、このおにぎり、祖父が好きなの」と、リサ。


おばあちゃんは「あー、こっちの人?」と


リサは「はい。国鉄なので、あちこち転勤で。」


社長さんは「鉄道が好きな人はいいねぇ。」



工務部の青年は「はい。それだけは楽しみ。」


おじいさん工務部さんは「いろいろ行ったけな。まあ、所帯持ちはあんまりない」



社長さんは「松沢くんもそういう人生もあったかな」と。


たまたま、ナローSLの担当だったので

それと共に人生を終えたが。


リサは「もう少し、文化事業の決定が早ければ。」



或いは、生きる希望が持てたかもしれない。


そう、云いたいのだろうけれども。


社長さんは「はい。そのお気持だけで満足だと思います、彼も。

私も嬉しい。ここのレールが残るだけでも。松沢くんのような

SL好きの来る所が、少なくともひとつ残る。」





「山菜を名物にするのも面白いかな」と、めぐ。


れーみぃは「ここをホテルにするなら、お土産とかね。調理師免状も要るし。」


めぐは「あ、あたしやろうかな」


リサは「留年するんですか?もう」



めぐは「そっか、」と、笑った。


鉄道学校は、概ね卒業後は国鉄に入る。

付属高校のようなものだから。


ただ、ここが出来れば別かもしれない。


国としても初めて、もちろん、学校も。国鉄としても。


学生の感覚でSL再生。


とりあえずは走るところまで。



「ああ、でも国鉄に就職してさ、うちの駅に来れば

時間のある時に続きできるね。」と、青年。



おじいさんは「まあ、再来年だね。それ。このお嬢さん方は

とりあえず9月までだから、今年は。今、7月の初めだから

二ヶ月かな、いや、3ヶ月か。その間に直せばいい。」と。



スケジュールはそれ程でもない。



「間に合わなくても、俺たちが続けるよ。」と、青年。



「そんなにしてると、国鉄は暇だって云われるから、こっそりな。」と

おじいちゃんは笑った。


そうですね、とみんな笑った。


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