点検
Naomiは、とりあえず機関車のシリンダカバーを
開いて
機械部分に錆などが無いかを見てみたが
使い込まれたものではあったが
摩耗も少なく、オイル管理が良かった事を
偲ばせた。
蒸気機関車は、オイルを指しても
蒸気が流してしまうので
かなり気を使わないと、金属部分が
擦り減ってしまうし
平軸受けが普通。
この機関車も、クランクピンを
直した形跡があったが
弁装置も、使えそうだった。
左右のシリンダも、まだ大丈夫そう。
煙室の清掃や、チューブ突きも大丈夫そう。
蒸気ドームや、制御バルブ類、ブレーキ点検をすれば、試運転しても大丈夫そうだ。
社長さんは、機関車に
近づく。
5tの小さな機関車だが、元々は
762mm用らしく、足回りの割に
車体が大きい。
ライトも番号もない。
「使えそうだとおもいます」と、社長さんは
屈んで、グリースが錆止めに塗られたロッド類に触れた。
「ずっと、頑張ってくれたんだね」
壊れた時も、新しい機関車を買わずに直して使ったのは
この国で最後に残った610mmの実用機関車という理由もあって。
現役当時から、保存鉄道的に
見られていたこともある。
「いやー。結構草が生えてるね」と、
草刈チームが戻ってきた。
れーみぃは「草刈正雄」と言って
「誰それ」とNaomiに遊ばれたり。
「民代さんでしょ」と、めぐに言われたり。
社長さんは、ギャグが判ったらしく
笑っていたけれど。
引き込み線路は、ちょっとした林になっている
ポプラ並木の脇を通るが
結構、草が生えていて線路がまだ見えないとのこと。
「まあ、のんびりやろう」と、おじさんは言った。
「私達、やりますから。」と言って
おじさんを見ると「枕木を見といたけどね。
そこそこ使えそうだよ」
何と言っても機関車ですら5tである。
4tトラックでだいたい8r位だから
その半分くらいの重さだ。
「そこそこ使えるかもね」と、
若者も、そう言った。
ただ、枕木とレールを全部点検しないと
走り出してから直すのでは、遅い。
そんな風にリサは思う。




