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天国に届くように

そんな風にれーみぃが思っていると、自動車が一台。

白い、小型の自動車だけども

気品のあるデザインで、大切に乗られている機械。

そんな印象の車から、降りてこられたのは

結構なお年の紳士だった。

夏だというのに、ちゃんとネクタイをして来る

それで、何か、偉い方かなと思ったりした、れーみぃだったが



おばあちゃんは「ああ、来たの」


「工場のね、元の社長さん。」と。


「はじめまして、鉄道学校の皆さんですね。

このたびは文化事業と言う事で、このSLを使ってくれるそうで。

松沢くんも天国で喜んでいるでしょう。」


山田さんと言う、その社長さんのお話では


会社に負債があった訳ではなく、元々大きな化学工場の

一部門が子会社として独立したので


本社の意向で閉鎖になっただけ、と言う事だった。


機関車担当の松沢さんは、本当に機械を愛してくれていて

そのおかげで、ずっとSLは生きてこられたとの事。


「故障をしても、地域に愛されたSLなので、残して起きたい気風はあって

市役所からもお話があったのですけれども、市の予算では

余裕がないと言う事で。博物館を作るつもりらしいです。」



と、社長さん。




Naomiは「それで、国鉄さんと学校が保存鉄道を考えたと。」



社長さんは、そうかもしれないとの事。


文化事業として、教育の一環ならば費用も捻出出来るのだろう。



「ものづくり回帰は、国を挙げての傾向ですね。」とめぐは言った。




そう、学習をしても理論は身に付くが

実際のモノを見て、それを応用して作るのは経験だ。


鉄道学校でもそうで、中学校で優秀だった子ほど


機械加工や、運転実習などがニガテで

本を買ってきて読んでいたりしていた。



リサから見ると「本物を動かすのに、なんで?字を見て覚えるんだろう。」



本物=>誰か使った事のある人が文字にする=>読む=>文字から想像して

=>本物



より


本物=>触って考える


方が簡単だとリサは思ったりしていた。


実際そうで、旋盤実習で、円柱の中心を出す作業などは

そういう子ほど出来なくて、学校の成績よりも

勘のいい子が上手く出来たりした。



旋盤のダイヤルで削り代を設定するのだけど


勉強が得意な子程、現物を見ずに


計算機で数値を出し、計算ミスのまま

余計に削ろうとして、刃先を痛めたり。


それなど、刃先を当てる前に見れば


削りすぎになるとわかるのだが。


数値しかみていないので、わからないのだ。





そういう事で、ものづくり回帰が

この国だけでなく、世界のあちこちで行われていた。




元々、学問とものづくりは違う。


学者に機関車が動かせないのと同じで


鉄道員に向いた人。

郵便配達に向いた人。


学者。


どれが尊いというものでもないのだ。


そんなことを、思うリサだった。




「機関車、状態いいですね。」Naomi。



社長さんは「はい、松沢くんは天国に行く前の日まで、機関車のところに来て

オイルを差したり、グリースを塗ったりしてました。自分の運命を知っていたのかもしれません。」



「工場の敷地も、線路の敷地も特に、抵当にはなっていないはずですから

所有権は今は国、になっているかと思います。」と、社長。


それか、文化事業に無償貸与になっているかと

れーみぃは思った。


それだと、免税になる。



普通、地面があったり建物があると

固定資産税と言う、ヘンなものを取られるから

持ってるだけでお金が掛かるので


売ってしまう事が多い。



そうすると、ここのように


貴重な木造建築や、機関車などが

捨てられてしまう事も多い。





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