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おばあちゃんの親切

「おばあちゃんの息子さんは、タクシーのおじさんですね」と、リサ。



「あー、うん。そうだ。孫はまあ、都会に出と。ここじゃ仕事ない。」


「淋しいかな」と、Naomi。




「なーも。煩いばっかでな。遠くの親戚より

近くの他人とかいうべな。あんたらが孫さと

思ってる。」と、おばあちゃんはにこにこ。




「ありがとうございます」と、めぐ。




おばあちゃんは手を振って。

「なもさ。孫なんて有難うなんて言わんもの。

当たり前だと思うのよ。そういうもんだべさ」親切ってな。と

おばあちゃんは言った。






「そんなものかもしれない。私達も。」と、れーみぃは言って。





「おばあちゃんのお孫さんって、どこに居るんですか?」と、リサが言うと。




おばあちゃんは、この県の県庁所在地で


県庁で働いている、と言った。




「偉いんだー」と、れーみぃが言うと




「なもさ。まだ若いっぺ。下っ端で

大変だとな」と、おばあちゃんは笑った。




さ、荷物積みなさい、と言って


ロビーから腰を上げた。



よっこらしょ、と。




「じゃ、あたしたちも」と、


送って有った荷物は、それぞれあるけど


結構な大荷物。でも、おばあちゃんの白いバンに詰まった。




軽自動車って結構荷物が乗るのだ。



「じゃ、工場までお願いします」と、リサ。




「あいよ」と、おばあちゃん。




Naomiは「KKRの料金は?」と、リサに聞くと。



「学校が払うって」と、リサ。




「ふーん、じゃ、もう少し泊まれば良かったか」と、れーみぃ。



「まあ、それでもいいけど、でもそれも

実習だから。経費を掛けずに経営するのも

成績のうち」と、リサ。




「なるほど」と、Naomi。




「いろいろあるのね」と、おばあちゃんは

運転席に乗ってドアをバン!と閉めた。



「Vanだけに」と、れーみぃは面白い。



「あはは」と、みんな笑ったけど



おばあちゃんは「なーにが、面白かね?」



と、にこにこ。




れーみぃは「Vanだからバンって」と言ったけど


おばあちゃんは「なんじゃろね」と(笑)


まあ、楽しければいいけ。若い人はいいね、朗らかで、と


おばあちゃんがエンジンを掛けた。





お見送りに、昨日の夜のコントを

楽しんくれたお二人も、にこにこ。



「また、いらしてくださいねー」と、楽しそう。


「芸人かな」



「どっちかというと、アイドルのほうが良かったが」



「変態アイドルも新しいかも」



「恥ずかしいなぁ、」




それぞれに、思い出しながら




エンジンはぽろぽろと、軽やかに音を立てて

昨日の海岸の道へと降りた。



海岸沿いは、少し涼しい曇り空。



「夏休みはこっちがいいね」と、めぐ。



「来年も来るの?」と、おばあちゃん。



「そこまで考えてなかったね」と、リサ。




「機関車の具合次第かな」と、Naomi。




「社長さんね、工場の。お昼頃来るらしいよ」と。おばあちゃん。




「有難うございます、お世話になってしまって」と、れーみぃ。



おばあちゃんは「なもさ。汽車こ走れば

おばあちゃんも嬉しいべさ。」と、おばあちゃん。



「あたしたち、お手伝いします。畠とか」と、リサ。



「あ、いやいや、それはいいんだー。

じーさまもおるでな。汽車こなおしてけへ」



と、おばあちゃんは、のーんびりクルマを

運転して、海岸沿いから昨日の駅まで。

海岸の、少し広い通りから、たんぼ道に入って

国鉄の線路に近い、真っすぐな畦道の向こういある工場に停まった。


周りはたんぼだけ。


岸壁からのレールが、ポプラの林を抜けて工場の正面に。


裏は、確かに国鉄に向けた引き込み線路の

ような感じが残っている。


草が生い茂っているけど。





工場の門扉は、開いていて。




鍵も掛かっていない。




「はい、着きました。」と、おばあちゃんが



そのまま入ったんで


リサは「鍵は?」



おばあちゃん「そんなん、このへん、掛けないべさ。悪い人いません、誰もきません。

近所だけだべ、来るの」




Naomiは「そんな感じかな」と


おじいちゃんが田舎の郵便局にいた時を思い出した。


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