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鉄道管理局

「でもさ、心って言ってもねぇ。

なんでそんなに頑張るんだろ」と、れーみぃ。



リサは「それ、普通よ。今はね。

社会って、普段は意識しないのが。


でもさ、本当は、鉄道があって、物が運ばれて食べ物が楽に買える。その為に事故があっちゃいけない。たまたま、その役が好きな人が

その仕事をすればいいの」と、リサは


おじいちゃんに聞いた話をした。




さっき、局長さんが言っていた

他の国の大事故の話。


「懲罰管理は遺憾が、しかし、運転中に

余計な事を考える奴も遺憾。そういう奴は向いていない。」





れーみぃは「うーん、そうなんだ」



Naomiは「まあ、れーみぃは法務とか企画でしょう。そっちはいいのよ、リサのは運転の話。失敗できない仕事だから」と。


リサのおじいちゃんも、まあ、郵便は

そんなでもないけど、でも

配達が届かなかったりすれば、ひょっとすると

人の人生が変わる事もある、と。



合格通知とか、大切な書類とか。




「なるほどー。わたしは無理かもね、運転士」と、れーみぃ。




「うん、でも、向いてる事をすればいいのよ。

法務なんて大変だから。事故なんかあったら」


と、リサ




「ひぇー」と、れーみぃは笑う。



「やっぱ駅員にしよかな」と、れーみぃ。




「駅員だって、お客様対応だから。

大変よー。怒りっぽい人もいるし。

運休になれば怒鳴られるし」と、リサは

おじさんが寝台列車の車掌なので。よく聞く話をした。




「やっぱ、企画かな」れーみぃ。




めぐは「それいいね。似合うよきっと。」 と



いいながら、席を立ってお部屋に行こうとして


まーだ、お酒を飲んでるさっきの局長さんたちに気がついて。


めぐは「お先に失礼します」と、挨拶。



局長さんは、4人に手招き。



立って、ご紹介。




「あー、この子達は、活性白土のなろーSLの

廃線復興でな、鉄道学校の夏休みに来た4人だ。

みなさん、宜しく手伝ってあげて。」と。



よく見れば、みんな日焼けして楽しそうに

している鉄道職員たち。



各々「卒業したら来いよー」


「お嫁さんにね」



「それはセクハラ」




「ははは」




「線路はまかしとけ!」



「架線は、あ、ないのか(笑)」



「機関車見てやるよ」




「工具持ってってやるよ」




「石炭とか、脂もあるぞ」




「ペンキ塗ってやるよ」






みんな、鉄道が好きな人達だ。




「みんな、非番でな」と、言う指令さん。




非番を合わせて、こんな風に

慰安会だそうだ。



中には明け番の人もいる、とのこと。




「お世話になります。私は機関車志望、リサです」

と、言った。



女の子の電車運転士はいるが

機関車は珍しいので



中のひとりが「ああ、俺んとこなら。

再来年だな。待ってる」と行って


局長が、おじいちゃんの事を言うと



「なんか、似てると思った」と。その運転士。


「SLはあるの?経験」と、聞かれて

リサは「いえ」と、だけ応えると



その運転士は「まあ、俺も学校で乗っただけだな。現場はもう殆ど無かったし」



「なーんだ」「おいおい」と

みんなから笑顔。



「窯の管理が大変だけどな」と、だけ。




「窯ですか」と、リサ。


機関車乗りは「ああ、石炭って燃焼温度高いから

鉄板が穴開いちゃうんだよ。それで、投炭し続けないと熔ける訳、火床って言って、石炭の乗る所。まあ、あの小さなSLだったら燃え殻でも

動きそうだね」と、機関車乗り。



「見たことあるんですか?」と、Naomi。



機関車乗りは「ああ、本線から見えるから。しばらくは。あれ、線路伸ばして国鉄に乗り入れれば?観光客来るよ、きっと」と、機関車乗りは

面白い提案をした。




「それ、楽しそう」と、れーみぃ。




「昔は引き込み線路もあったな、確か」と、

がっちりした体格のお父さんふう。



「あ、保線担当。宜しく。線路見てやるよ、非番の時」と、黄色いヘルメットが似合いそうな

彼は、作業着。だけど洗ってある。


仕事帰りじゃなさそうだ。



これしかないんだよ、と笑うが


本当は、その服が好きらしい。




日本のエンジニア、本田宗一郎は

天皇陛下に会う時も、作業着で行こうとして

止められたと言う逸話があるが


「作業着は、技術者の正装だ」


彼も、その格好に誇りを持っている。



「作業着は、保線屋の正装だ」と

思っているらしい。



確かに、出社も新年会も

そういえばこれで済む(笑)。




「Naomiです、機械職場志望です、宜しくお願い致します」と、言うと

またまたどよめきが起こる。



「SLはしんどいぞー。金属加工が要るし。

まあ、あのかわいいのなら」と、短髪の

いかにも工業系っぽい丸顔の青年は、笑顔で

そう言った。




その隣の白髪のおじさん「ああ、俺は国鉄の

本線機関車を整備しとったから。見てやるよ。来年定年なんだ。」と、四角い顔で笑う


じいさん、再就職先かい、と

誰かに言われて、楽しそうに笑った。


「めぐです。えーと、駅員志望で、理系です」と、言うと、指令が


「大人しそうなお嬢さんだね。駅員はしんどいから旅行センターあたりの方が。それか

鉄道綜研」と、笑った。



めぐは、笑っていたけど

なんとなく、現場じゃダメなのかな、なんて

思ったりもした。


その雰囲気を察し、局長は



「ああ、駅って怖い人も来るからね。

おとなしいお嬢さんは、もう少し慣れてからの方が」と、言ったり。



「ばばあになってからでいいよー」と、さっきの機関車乗りは。ふざける。


ばかやろ、と、誰かが言った。


みんな、笑った。



「あ、他のお嬢さん方は、専門職場だから。

接客しないので、国鉄で守ってやれるけどね。

接客って直接外、だから。

怖い事もあるんだ」と、局長は言った。



「怖い事.....」と、めぐは、想像するけど

よく解らない。お化け屋敷みたいなものかな、とか。


「うん、まあ、そういう世界は知らんでいいんだ。守るのは男の仕事さ、そうだろう、なあ!」と、機関車乗りは言う。


全員で「確認、よーし!」



「なんか、指差し呼称だね」と、リサは言った。


「うん、流石は運転志望だ、その通り」と、

指令は言った。




「でも、守られるのってなんとなくあれかも」とリサが言うと


「いいんだ。本当は女の方が強くても

そうしたいんだよ、男ってのは。まあ、鉄道を守るのもそうだし、安全を守るのもそうだ。

」と、局長は言った。




お父さんもそうなのかな、なんてめぐは思う。


遠くに来てしまって、心配してるかな、なんて

ちょっと申し訳なく思ったりもして。


お父さんの本当の希望は、なんだろう?

なんて、思ったりもした、めぐだった。


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