表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
13/89

燃える炎

「お風呂あがりは」と、Naomiが言うと

「ビールでしょ」と、れーみぃ。


「違うって」と、リサ。「未成年でしょ。」



「牛乳」めぐ。


「わ。定番だよね。腰に手を当て」と、れーみぃ。


「どこで聞いてくるの、それ」リサ。



「んー、なんだろ。まあ、でも銭湯っていかないなー。」と、れーみぃ。


「うん。寮もお風呂あるし。」と、めぐ。



「そっか。お風呂の心配もあるな。」と、リサ。



「温泉あるんじゃない?」と、Naomi。



「ありそうだね。古い工場って大体あるね。」と、リサ。


国鉄を思い浮かべている。


どこの駅にもお風呂があるのは、蒸気機関車が暑いし

汚れるから。


それは郵便局も同じで、配達の人は

バイクで走るから

汚れるし、汗かく。


そのまま帰らせるのもかわいそうだから、って


大きな工場には大抵あった。お風呂。


なくてもシャワーくらいはあるのが普通。



「ま、それも水道か井戸を確かめてから、だね。」と、リサ。



「工場の鍵は?」Naomi。


「それは、学校から預かってる。荷物の中。


「機関車のは?」めぐ。



「ないみたい」と、リサ。



「えー?ないのぉ」と、れーみぃ。




「ないんじゃない?蒸気機関車って、盗めるもんでもないし」と、リサ。


リサが幼い頃、おじいちゃんはまだ東北にいたから


おぼろげな記憶では、機関車の運転台に乗せてもらった時は

鍵が無かったような気がする。



夜行寝台特急電車の運転席に乗せて貰った時は

普通電車と同じところに鍵があって、なーんだ、と

リサは少しがっかりした記憶がある。



普通と同じなんて。


車掌さんが持ってる扉の鍵と一緒で、どれでも電車なら合うらしい。



それは、一人前になった証に


先輩運転士から貰うもの、らしくて


結構、重要なものだとか。



「でも、5tの機関車だし、線路も2kmくらいだし。」と、リサ。



「トラックとかで運ぶにしても、無理か。5tじゃ。線路つながってないしね、どこにも。」と

Naomi。



「つながるわけないのね。ナローだから。」と、リサ。



「ナローって、狭いの?」と、めぐは英語を翻訳して。



「そうそう、610mmしかないの。線路幅。だから

国鉄につながってたって、どうにもならないわけ。つなぎようがないんだけど。」と

リサ。



「国鉄は?」めぐ。



リサは「1063。授業聞いてたかーぁ。」と。



「なんで狭いの?」とれーみぃ。



「小さくて済むから、そんなに荷物運ばないなら、それでいいの。」と、リサ。




「うん。まあ、枕木とかレールとかも国鉄流用って訳にもいかないから

かえって高くつくかもね。設備は。」と、Naomi。



「機関車は?」めぐ。



「それが一番大きいね。小さいぶん、燃料もいらないから

新車作るならその方がいい。」と、リサ。




「お風呂で話してると風邪引くかもね。涼しいし。」とNaomi。



そろそろ夕方。海に夕陽、と思いきや


夕陽は陸地側。


「まあ、季節の都合か。」と、リサ。



「さ、ご飯ご飯」と、れーみぃ。


「よく食うなぁ。だから太るんだよ。」と、Naomi。


「ひっどーい。オトメ、傷つく。えーん。」と、れーみぃは

泣きまね。



「変態オトメか。」と、リサ(笑)


「リサまでそんな、あーん。」と、れーみぃは

確かにぽよぽよだけど。



可愛らしい、それが、かえって。



「かわいくていいじゃない。」と、めぐ。



「ありがとめぐ。やっぱ、お友達。」と、れーみぃは

唇を突き出してKissしようと。


「それはいや」と、めぐは手のひらでさえぎる。



「あーん、めぐもいじめるーぅ、しつじさーん。」と、れーみぃ。


「めーぇ。」と、めぐは羊のまね。


「姉妹漫才かい、君ら」リサは半分呆れ(笑)。



「でもさ、燃料はどうするんだっけ。」と、リサ。



「それは学校がなんとかしてくれるんじゃない?お金もないし。」と、Naomi。


「小さい機関車だから、マキで何とかなるんじゃない?」と、れーみぃ。



「蒸気上がらないよ、きっと。」と、リサは少し記憶を思い出して。



おじいちゃんの乗っていた国鉄の蒸気機関車は、13kg/cm2くらいだったと

メーターの数字を見て思い出す。


そんなところをよく覚えているのは、子供だから

集中力があるのだろう。



見て判るのは数字くらいだから。


かまどのような焚き口の上にパイプがあり、その中の大きなメーターを

見て、そう思ったのだった。






焚き口は、ペダルを踏むと

左右に開く。


開き扉みたいに、手で上にレバーを上げるタイプもあった。


凄い勢いで燃える石炭は

幼い心には怖かった。


落ちたらどうしよう。


そんな風に感じて、近づけなかったのを覚えている。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ