その四:憧れの作家さん
最近、過敏性腸症候群のせいで体調がいまいちなので、気晴らしにエッセイに走ってみた。
だが、大腸にガスがたまって脇腹が痛くなったり、貰った薬が効きすぎてピーゴロしているときに、食べ物を思い浮かべるのは切ない。
そんな訳で、憧れの作家さんについてでも書いてみようかと思う。
私の好きな作家さんは、宮部みゆきさんをはじめ、色々いるが、こんな作品を書いてみたいなと思うのは、香月日輪さんである。
代表作は、『地獄堂霊界通信』、『妖怪アパートの幽雅な日常』シリーズだ。
因みに、両シリーズとも、何年か前に漫画化したらしい。
見てないけど。
何故かと言えば、私は、漫画やアニメと原作との違いが気になる派だから。
アニメ好きを否定する気はないが、どうにも原作は原作、アニメはアニメと割り切れない。
ハガ〇ンはアニメを見てから原作を揃えたのだが、途中でツッコミどころが多すぎて、アニメを観るのを挫折した。
ストーリーの差異からくる違和感が大きすぎて、なんか疲れてきました。
別に、アニメ自体を否定する気はないよ。
単に、私に合わなかったというだけだ。
それはさておき、『地獄堂霊界通信』シリーズとであったのは、小学校低学年のころであった。
兄弟がいたので、家にあったのだ。
気に入って、何度も何度も読み返したものである。
『地獄堂霊界通信』シリーズは、児童向けとして出版されたものだが、大人が読んでも普通に面白い。
そう言う部分では、上橋菜穂子さんの『守り人』シリーズと共通しているかもしれない。
どちらも、人間の汚い部分やどうしようもない現実を描き出している。
『地獄堂霊界通信』シリーズでは、不倫や借金、老人介護等、現実にもある問題についての話もあったので、今考えると話が深いのである。
なろうで流行っている系統とは、異なる話であるのは確かだ。
確かに、チートはチートの面白さがあるし、実際そういう話を読んでもいる。
だが、私が、一人では変えられない現実や自分の弱さに向き合って、成長したり、自分なりの答えを出していく話が好きなのは、香月日輪さんの影響が大きいと思う。
若くしてお亡くなりになってしまったのが、非常に惜しい作家さんであった。
文庫の作者の紹介でお亡くなり情報を知ったときは、本気でショックだったのよ……。
ラノベ系ばかり書いている私に、大人も子供も楽しめるというのは、ハードルが高い。
けれども、現実や自分の弱さに向き合うような部分に関しては、香月日輪さんの様な物語が目標である。
近付けているのかは、不明だが。
後、文体が好きでちょっと意識している作家さんもいる。
『彩雲国物語』、『レアリア』シリーズの雪乃紗衣さんと、『監獄学校にて門番を』、『Babe』シリーズの古宮九時さんだ。
オリジナリティはどうした、と突っ込みが入りそうだが、剣道だかの教えで「守・破・離」と言うやつかあるからいいのだ。
初めは模倣から入って基礎を守る感じでも、次にちょっとずつ破って、次第に離れて自分の色を出していきたいな~(希望)。
雪乃紗衣さんは、比喩の表現が面白い。
軽妙な表現で、超個性的な登場人物の中身や行動を表しているのが、作品の持ち味の一つだと思う。
また、古宮九時さんは、ネット上で活動していらっしゃる方なので、書籍作家デビューの前から作品を拝見させていただいていた。
電撃文庫から出版している『Babel』と、同一世界観の他のシリーズも好きである。
文体の方は雰囲気が好きで、私の語彙上、なんか好き程度で上手くは言えないのだが、とにかく好きだ。
取り敢えず、お二方とも元気で長生きして、新たな作品を世に出していってほしい。
基本、情報を集めずに、本屋に新刊が並んだら買うスタンスだが、新刊に訃報が記載されているのって、……ショックだから。
別に、読者の皆様に、私の好みを押し付ける気はない。
同じ作家さんが好きな仲間が、増えたら嬉しいだけだ(キリッ)。